作文教材のいろいろ~今日から始める読書感想文番外編~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
今日は普段の記事の番外編として、「作文」を学ぶ教材をいくつか紹介したいと思います。
「読書感想文」関連の記事をずっと書いてきた当ブログですが、おかげさまで、先日無事シリーズに一区切りつけることができました。
※シリーズまとめ記事はこちら↓
来週から、感想文からは少しはなれた読書関連の新シリーズを始めようと思っているのですが、これまでのシリーズが今週火曜日に終わってしまったので、今日は書くことが定まらなくなってしまいました。
そこで、これまでの番外編として「作文の書き方」を学ぶ教材のタイプを4種類紹介したいと思います。具体的な教材というよりは、タイプの紹介です。
「これが一番お勧め!」というものはありません。それぞれ特徴があるので、どれが合っているかは子どもによって異なるでしょう。
タイプごとの特徴を書いていきますので、書店で作文教材を探す際の基準の1つしていただければ幸いです。
◎視写と書きかえタイプ
例文を写し書きしたり、一部のみを書きかえたりしながら、主に原稿用紙や作文の形式・文法上のルールなどを身につけるタイプのドリルです。
上にリンクを貼ったドリルは「中古のみ」となっているので、残念ながら市場にあまりでなくなってしまったのかもしれません。でも、大きな書店で「子ども用の教材」ではなく「教育」のコーナーへ行くとこのタイプの教材が見つけられます。
作文のドリルの多くは学年別や「低・中・高学年」と3つに分かれていたりしますが、このタイプのドリルの特に低学年向けのものは「原稿用紙の使い方」に慣れるところから丁寧に学べます。
基本的に「手を動かして書く」ことがメインになるので、一冊買ったら長期間学ぶことができるでしょう。
【メリット】
・大人が付きっ切りで教えなくても、一人で進められる部分が多い
・ボリュームが多く、一冊でたっぷり練習できる
・「自分で一から考える」要素が少ないため、作文が苦手な子でもやり終えることができ、自信がつく
【デメリット】
・ボリュームが多く、やり終えるまでに時間がかかる
・「写し書き」自体が苦手な子には負担が大きい(良い練習にはなります)
・「内容を考える」部分についてはそれほど扱われていないため、「何を書けば良いかわからない」という悩みの解決はあまり期待できない。
◎理論的に学ぶタイプ
文章の構成や、文法的な知識などをテーマ別に学んでいくタイプのドリルです。学年ごとに出ているシリーズの他、受験を見すえたシリーズも良く見かけます。
【メリット】
・自分の得意な部分と苦手な部分がわかりやすい
・正解が明確にある内容が多く「曖昧な課題が苦手」という子どもも納得しながら進めやすい。
・国語の基本的な知識を体系的に学ぶことになるので、読解力など作文以外の国語力の向上にも役に立つ
【デメリット】
・「一人ではわからない、解けない」部分は大人の丁寧な指導が必要になることがある。
・上記と関連して難易度が合わないと自習しづらいが、ピッタリのレベルを探すのが難しい。
・「国語ドリル」の要素が強いため「お勉強をしている」という堅苦しさを感じて子どもから敬遠されることもある
◎「雑誌風」タイプ
絵や漫画などが随所にちりばめられ、全体的に字が少なく気軽に手にとって流し見しやすいタイプです。
漫画は説明に利用されている場合もありますが「吹き出しに入るセリフを考えよう」など、課題になっている場合もたくさんあります。
【メリット】
・全体的にライトな雰囲気で、空いた時間にパラパラ気軽に読み進めることができ、全ページやり終えなくても必要な知識を得やすい。
・ドリルで設定された学年から離れても、参考にできる部分が見つかることが多い。
・実践的な内容が多く、自分の作文にすぐに生かしやすい。
【デメリット】
・ある程度の理解力・思考力がないと全く進められなくなることがある。
・最初から最後まで子どもが自力でやりきるのは難しく、全部やり終えるとなると大人の丁寧な助言が必要になる。また、その助言を適切に行うためには大人側に専門性が必要になる場合も。
・上記の理由から「一冊やり終えた」という達成感を得るのは難しい(雑誌と同様に、「必要なところや読みたいところだけ読もう」くらいの気持ちで買うなら問題ありませんが)。
◎漫画で解説タイプ
いわゆる「学習漫画」の中にも作文を扱ったものがあります。
子どもが陥りそうな失敗や躓きを漫画で描写し、解決に必要な知識を紹介していくのが主なパターンですね。肝心な知識の部分は漫画ではなく箇条書きになっている場合もありますが、それでも一般的な参考書よりは読みやすいでしょう。
【メリット】
・漫画の作風が合えは純粋に読んで楽しめる
・絵や図が多用されていてわかりやすい
・「漫画の登場人物が作文を書くために四苦八苦し、詳しい人の助言を得る」という設定が多く、単なる「書き方」だけではなく「何のために書くのか」といった目的についても考えることができる
【デメリット】
・「自分で考えてみる」箇所が少なく、ただ読み流して終わってしまうことがある。
・上記の理由から、子どもが一人で漫画を読んだだけでは現実の作文に生かすのは難しいことがある。
・本の中で「やってみよう」「書いてみよう」「考えてみよう」といった呼びかけがあっても明確な正解が書かれていないことが多いため、はっきりした答えを求めるタイプの子には向いていない。
◎最後に
・作文の教材にはいろいろなタイプがあるので、書店まで足を運んで実物を見て、目的や子どもの特性に合ったものを探すと良いでしょう。
・教材を選ぶ際には「その子に合うか合わないか」という要素と同時に「周囲の大人がどのくらい手をかけられるか、かける予定か」ということを考慮する必要があります。
・「買ったんだから〇〇までに終わらせなければ」というよりも、気の向いたときに見る位のつもりで気軽に買う方が効果は高いかもしれません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。