まるでパズルのような教室収納~ピカピカの一年生の教養②~
こんにちは、ベル子です。
今日の記事は、小学一年生の生活にどんな知識や技能が必要なのかを考える、「ピカピカの一年生の教養」シリーズの第2回目です。
前回の記事で学校説明会の話題が出たので、その説明会と少し関連する話を書きたいと思います。
◎おさがりの落とし穴
入学説明会では、たいていの場合学用品の購入についての説明もあります。文房具や楽器、上履き等の学校生活で使うものを、入学前に用意しておきましょうということですね。
説明会の場で購入できるようになっていることもありますし、「このお店に行けば買えます」と説明されることもあります。学校で指定されたものを買うと、基本的に「みんな、おそろい」という状況になります。
物によっては、兄姉のお下がりや幼稚園や保育園時代に買ったものが使えるので、新しいものは買わないというご家庭もあるでしょう。
しかし「子どもの使いやすさ」という観点で考えると、学校に指定されたものを買ってしまう方が無難ではないかと私は思っています。特に、学校で指定されたものと形や大きさが違っている場合は、注意が必要です。
というのも、学校で子どもたちが使う机の引き出しやロッカーは、入れるものに対してとても狭いのです。
世間で売られている収納ハウツー本では「7割収納で、3割余白を残しておくのがちょうど良い」と書かれていることもありますが、学校ではなかなかスペースに余裕がないのが現状です。
きれいにしまわないと、入りきらなくなります。まるで、ちょっとした脳トレパズルでもやっているよう。
どれをどのように入れれば物がきれいに収まるのか?入学したての一年生にとっては、ちょっと難しい問題です。
そこで、先生の方でどこに何を入れるかを指定して、図や見本を示してそれと同じ場所に入れるよう指導することがあります。
先生はその際指定の学用品の形を想定して指導するので、形の違うものを使っていると「みんなと同じように入れようとしても入れられない」という、ちょっとした困りごとが発生する場合があるのです。
そうなったらそうなったで先生も対応しますので、これが重大な問題になることはないでしょう。
ただ、仮に「本当は、みんなと同じ新しいのが欲しかった」という気持ちを抱えている場合、このようなちょっとしたことでその気持ちが増幅され、「みんなと同じものなら、こんなことにならないのに」と少し切ない気持ちになることは考えられます。
もともと要領の良い子や整理整頓の得意な子であれば、臨機応変に対応できて特に問題にはならないのでしょうが、子どもによっては、この形の違いというのを小さくない違いだと感じることがあるでしょう。
◎それでも今あるものを活用したい
だからといって、それを理由にわざわざ買いなおすのはもったいないですよね。子どもにとっても、ものを大切に使うことを学ぶのは必要なことだと思います。
それに、先ほど少し話題に出てきた7割収納の本の存在からもわかる通り、「余裕の無いスペースに毎日きれいに物を収める」というのは、大人でも結構大変なことです。指定された学用品を買っても、収納の苦労がなくなるわけではありません。
指定以外の学用品を持たせる時は、実際にその子が使う学用品の使い方やしまい方をあらかじめご家庭で練習してみると良いでしょう。
その際に上手く使いこなせることを褒めてもらえれば、「みんなとちょっと違う物を使う」ということに対して、子どもの中で少し捉え方が変わって来ることもあるかもしれません。
◎スペースも時間も決められた範囲に収める
いずれにせよ小学校では、物の形や大きさ、全体の量を考えながら、それを限られたスペースに収めるという作業を日々繰り返すことになります。
それは、学校生活の中で日々訓練をするということでもありますし、その時点である程度「しまうスキル」を必要としているともいうこともできるでしょう。指定の学用品を買った場合でも、収納の練習をしておくことは決して無駄にはならないと思います。
購入した真新しい学用品を使って練習するのももちろん良い経験ですが、「入学式まできれいにとっておきたい」というご家庭もあるでしょう。それに、実際に入学したときに、練習した通りの物を、練習した通りの場所に入れることになるとは限りません。
「物の形や大きさ、全体の量を考えながら、それを限られたスペースに収める」練習であれば、ゲーム形式で取り組ませる方法もあります。積み木やままごとの食器、空き箱等を用意して「なるべくたくさん入れてみよう」「何個入れられるかな」と声をかける方法です。
先ほど学校での収納がパズルのようだと書きましたが、正真正銘の「パズルゲーム」にしてしまうのです。
以下に、実際のやり方としてお勧めしたい3つのポイントをあげておきます。
1つ目は、大人も一緒に挑戦してみせることです。
見本があるかないかで、子どものコツのつかみやすさは大きく変わるでしょう。子どもの状況を見ながら必要に応じて、「大きいものを先に入れて、空いたところに小さいものを入れた方が良い」とか「同じ形のものは、重ねてまとめることをまず考えてみる」などのちょっとしたコツを、実例を見せながら教えるのは大切なことです。
2つ目は、子どもがゲームにムキになりすぎて無茶な入れ方をしても変形したり壊れたりしないものを、ゲームの題材に選んでおくということです。
万が一壊れると、子どもも大人もお互いに良い気分で終われなくなりますので。
3つ目は、時間を区切っておくということです。実際の学校でも、限られた時間内にしまうことが求められます。
どれだけきれいに入れられても、時間がかかりすぎては学校生活に支障を来すことになるでしょう。時間内でできるだけうまく入れることが必要なのです。
とはいえ、小学校入学前の子どもは「3分以内に何個入れられるかな」といわれても、どのくらいの時間があるのかイメージするのは難しいでしょう。アナログ時計を見せて「長い針が3のところにくるまで」と決めたり、流す曲を決めておいて「この曲が鳴り終わるまで」と決める方法等があります。
◎まとめると
・ 学校では「限られたスペースに学用品を収める」作業が毎日のようにあります。
・ 指定の学用品と違うものを使う時は、周囲のやり方の真似では収められない
ことがあるので、ご家庭で使い方やしまい方を練習してみることをお勧めします。
・ 物をしまう練習は、ゲーム形式でもできます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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