ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

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消しゴムは「ゴシゴシ」より「クルクル」?~ピカピカの一年生の教養⑫~

 こんにちは、ベル子です。

 小学一年生の生活にどんな知識や技能が必要なのかを考える、「ピカピカの一年生の教養」シリーズ。12回目は、前回に引き続き「消しゴムかけのコツ」について考えます。
 
(※前回の記事はこちら↓ )

kikyouken.hatenablog.com

 

 

 前回、消しゴムがうまくいかない子どもの傾向として、
 

 ①紙を上手くおさえられていない

 ②消しゴムに力をかけるのが苦手

 ③消したい場所とこすっている場所がずれている

 

 の3つをあげ、①の対策について紹介しました。今回は②と③について考えていきましょう。


◎消しゴムの持ち方は人それぞれ

 

 小学校一年生の指や腕の力が、大人に比べて弱いのはしかたのないことです。

 

 ただ、力が強ければ上手く消せるかというと、そうとも言えないですよね。。

 子どもが一生懸命力を込めてこすっているけれど、なかなか字が消えないという風景を見かけたことのある方は多いと思います。

 

 かけた力を、効果的に消しゴムや文字に反映させるためには、持ち方に工夫が必要です。

 

 皆さんは、消しゴムをどのように持っていますか?

 

 私が知る限りでは、大きく3通りの持ち方に分類できます。

(※以下にその3つをあげますが、言葉だけだとイメージしづらいので、似た持ち方の画像を貼ります。例によって絵心がないので、いらすとやさんから似た持ち方がかかれている絵を借りてきました。消しゴムを持つ絵ではなくてすみませんが、想像しながらお付き合いください。)

 

 まず、鉛筆の持ち方に近い持ち方をするタイプです。

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 消す位置のコントロールがしやすそうですね。ただ、紙に向かって力をいれるのは難しいので、小さな子どものうちは上手く消せないことがあります。

 

 次に、硯で墨をする時のような持ち方です。

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 持っているものが違いますが、この絵のカードを持つ手と似た持ち方です。

 前後はしっかり固定できますが、左右方向にはグラグラし易く、消しゴムにかけた力が左右に逃げてしまうことがあります。

 

 この持ち方は、左手(紙をおさえる方の手)の使い方によっては、紙がしわになりにくいメリットがあると思いますが、前回お勧めした紙のおさえかたであれば、別の持ち方で良いでしょう。

 

 最後に、消しゴムを握りこむような持ち方です。

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 左の男の子のブロックを持つような持ち方になります。右の女の子の絵で、絵の具のついた側を紙にこすりつけるイメージです。

 

 消しゴムに上手く力をこめるのが難しい子には、この握って持つ方法をお勧めします。

 

 まずは、なるべく厚みのある握りやすい消しゴムで練習してみましょう。

 

 
 
 この「カドケシ」という消しゴムは「いつも角があって細かい箇所が消しやすい」商品として売られているものですが、私は「幼い子でも握りやすい消しゴム」としてお勧めしたいと思います。

 この消しゴムを、先ほどのブロックのように持って消すというわけです。


◎「ゴシゴシ」より「クルクル」

 また、持ち方だけでなく、こすり方にもコツがあります。

 

 消しゴムというと、どうしても「ゴシゴシ」というイメージがありますが、一度そのイメージを捨ててみると良いと思います。

 

 消しゴムを握って、消したい文字の辺りで「小さくクルクル丸をかく」ように伝えてみましょう。

 小さい丸を意識すると、その場所だけに力がかかるので、効率的に消すことができます。

 

 もちろん、軽く撫でただけではきれいには消えないので、かける力が「丸を小さく」につられて弱くなってしまうようならば、「クルクル」と一緒に「グリグリ」と伝えるとコツがつかめるのではないかと思います。


◎ピンポイントに狙う

 上手く力を入れられるようになっても、そもそも消しゴムが当たっている場所が、消したい文字のある場所からずれていたら、上手く消すことができません。

 

「そこ、消したい場所じゃないよね」という箇所をずっとこすっている子を見かけるときがあります。

 

 なぜ、そのようなことがおこるのでしょうか。

 

 手元が見えづらいせいで、ずれてしまうというのもあるとは思います。

 ただ、どちらかというと、「合わせようという気持ちが希薄なために、ずれていても気にしていない」ということの方が多いようです。「とにかく消しゴムで紙を撫でればきれいになるんじゃないか」という感覚なのですね。

 

 そういう子の場合は、一回「ピンポイントで狙って消す」ということを改めて意識させる機会が必要だと思います。

 

 先ほどとは逆に、1センチ四方にも満たないような小さい消しゴムを持たせて、「消したい文字に消しゴムをあてる→こすってみる」という練習をしてみると良いでしょう。小さい消しゴムは、改めて買ったりしなくてもあちこちで見かけるものですから、それを使うだけで練習できます。

 

 ピンポイントで狙う感覚が理解できてきたら、大きな消しゴムに切り替えても、適切な箇所に消しゴムをあてて消すことを意識できるでしょう。  

 

◎まとめると

 ・左手(紙をおさえる方の手)の親指と人差し指の間あたりが、

 消しやすい場所です。

 

 ・厚みのある消しゴムを握るように持って小さく円を書くように声をかけると

 消しやすくなります。

 

 ・消しゴムをあてる場所と消したい文字の場所がずれている場合は、

 一度小さい消しゴムで狙いを定める練習をしてみると良いでしょう。


 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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★シリーズ次回記事はこちら↓★

kikyouken.hatenablog.com