ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

パソコン不使用のプログラミングドリルがすごい~日曜日の雑談5~

 こんにちは、「ききょうけん」のベル子です。

 

 このブログを始めた時に「記事を書くためにも、この先自分で学んでいきたいな」と思ったものがいろいろあるのですが、その中の一つに「プログラミング」があります。

 

 この「プログラミング」という言葉、子育てや学校教育関係の話題の中で、ここ1~2年頻繁に聞こえてくるようになったと思いませんか。

 既にご存知の方も多いと思いますが、2020年つまり来年から、小学校でプログラミング教育が必修化されるのです。

 

 具体的にはどんなことをどのくらい学ぶのか、あまりはっきりしていない部分もあるのですが、「必修化」が2020年ということで既に導入している学校もあるようですし、子ども向けのプログラミング教室などを始めた企業の話も聞こえてきます。

 

 私自身は、学生の時に少しだけ「BASIC」というソフトを使った授業を受けたことがあるくらいで、「最近のプログラミング教育事情」なんてあまり詳しくありません。2020年に向けて、私も勉強しなくてはと思ってあれこれ資料を探していたところ、

 

とても面白いものを見つけました。

 

◎プログラミング的思考のドリル

 

新興出版社啓林館の「ドリルの王様」というシリーズのうちの「楽しいプログラミング」です。

(年齢層別に3冊ありますので、それぞれについてアマゾンと楽天のリンクをはっておきます。左がアマゾン、右の画像のみのリンクが楽天です。

 

 

「1,2年の たのしいプログラミング」

 

  

 

 

 

「3,4年の 楽しいプログラミング」

 

  

 

 

 

「5,6年の 楽しいプログラミング」 

 

  

 

 

 表紙にも「パソコンいらず」と書かれていますが、こちらのドリルは、パソコンもプログラミングソフトも一切使用しません。

 プログラミングソフトには色々なものがありますが、実際に学校の授業でどのソフトが使われることになるかというのは、今の時点ではそうそうわかりませんよね。

 

 このドリルは、使われるソフトの種類など関係ありません。ただひたすら「プログラミングに必要な思考能力」を身につけるためのドリルなのです。

 

 

◎ドリルの内容は

 

 実際の問題ページをそのまま載せることは控えますが、例えば次のような方向性の問題が出題されます

(※細かい内容や文章表現は実際のものから変更しました。)

 

問① 

 お団子屋さんに欲しいお団子を言うと、そのお団子を言った順番通りに串にさしてくれます。例えば「桃、草、白」と言えば、最初にピンクの団子を串にさし、その後緑、そのあと白い団子をさしてくれます。

 

 では、次の絵のような団子が欲しい時は、お団子屋さんになんといえば良いですか。

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 プログラミングで必要な「順次」の考え方を学ぶ問題のようです。

 欲しいお団子のイメージを伝えるなら、上から「桃、白、草の団子が欲しい」と言いますが、この問題では、最初に串を通ることになる下の団子から「草、白、桃の団子が欲しい」と言わなくてはなりません。

 お団子屋さんの手順を考えて伝えることで、希望の完成品を得られるわけです。

 

 

問②

 花子さんはカップケーキを買いに行きました。お店のメニューは以下の通りです。

 

 カップケーキを注文したら、白いクリームかチョコクリームのどちらをのせるか選びます。

 白いクリームをのせたら、イチゴ・メロン・キウイの中から一つ、トッピングを選びます

 チョコクリームをのせたら、オレンジ・チェリー・レモンの中から一つ、トッピングを選びます。

 

 では、カップケーキは全部で何種類ありますか。

 その中に「白いクリーム+レモン」はありますか。

 また「チョコクリーム+チェリー」はどうでしょうか。

 

 プログラミングで必要な「条件分岐」の考え方を学ぶ問題のようです。

 図や絵が用意できなかったため全て文章で書いてしまいましたが、実際の問題は樹形図やイラストで出題されています。

 

 

問③

 

 太郎さんが持っている車のロボットは、

「前へ進む」と伝えると、次の交差点まで前進します。

「左を向く」と伝えると、90度回転して自分の左側を向きます。

「右を向く」と伝えると、90度回転して自分の右側を向きます。

 

 では、以下の言葉を伝えた時、左下のロボットはどの交差点まで移動するでしょうか。

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<伝える内容>

はじめ

2回くりかえす

右を向く

前へ進む

前へ進む

左を向く

前へ進む

ここまで

おわり

 

 プログラミングで必要な「反復」の考え方を学ぶ問題のようです。

「はじめ」「おわり」など、プログラミングらしい表現が出てきましたが、ドリルを進めていると、さらに複雑な問題もいろいろと出てきます。

 

 

◎論理的な思考の練習に

 

 上記のような問題を解く思考力は、プログラミング以外の分野でもとても役に立ちます。

 でも、こうしたプログラミング的思考がしっかり身についている子どもはあまり多くありません。得意な子にしてみると何の苦もなく取り組める分野なのですが、私個人の体感としては、簡単に身につけられている子はごく少数です。

 さらに、このような論理的な思考が特に苦手であるために、日ごろの生活や学習で大きな困難を抱える子も少なくありません。そして、困難の原因が「論理的思考が苦手だから」とわかっても、それを解決するために現状に合った難易度の問題を集中的に練習するのは難しいと思います。

 

 こちらのドリルは、2019年3月6日が発売日だったそうです。まだ店頭に出始めたばかりなのですね。

 私が知らないだけかもしれませんが、このタイプの問題集はなかなかないと思います。プログラミングの授業対策としてではなくても、思考力のドリルとして非常に使いやすいのではないでしょうか。

 ただ、ちょっと個人的な希望を言うと「1,2年」「3,4年」「5,6年」ではなく「初級」「中級」「上級」のような分け方だったらなぁ、と思ってしまいます。正直なところ、中学生でも1冊目から学習した方がやりやすいという子が少なくない気がするのです。

 

 先ほども書いた通り、上で紹介した内容は文字で伝えるためにかなり色々と改変しています。「思考力を育てる」ことに興味がある方は、是非一度実物のドリルを手に取って、実際の問題がどんなものかご覧になってみてください。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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