ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

使いやすい本棚にするコツ~ピカピカの一年生の教養㊴~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。

 

 今回の「ピカピカの一年生の教養」では、小学一年生の子どもが本棚から本を手に取りやすくなる、ちょっとしたコツを紹介します。

 

 前回の「忘れ物予防」に引き続き、小ネタの紹介ですね。

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 でも、ほんの少しの違いで、使いやすさや学習へのモチベーションが大きく変わることもあります。気軽に読んで、もし活用できそうであれば是非試してみてください。

 

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◎やる気をそいでしまう「ひと手間」の存在

 

 皆さんには、こんな経験はありませんか?

 

「大掃除をしようと思ったけれど、道具を出すのが少し面倒なので、また今度にしよう」

「繕いものをしようと思ったけれど、ちょうど良い糸を探すのが面倒なので、また今度にしよう」

「お菓子作りをしようと思ったけれど、後片付けが面倒そうなので、また今度にしよう」

 

 ちょっと仕事をする気になっても、「始めるまでの準備が大変そうだな」と思うと後回しにしてしまい、結局なかなか取り掛からないままという経験はありませんか。

 また、「終わってからの後始末を想像したらやる気がなくなった」というケースはないでしょうか。

 

 どんなに面倒なことでも、やりたくてやりたくてしかたのないことなら、始めようと思えるかもしれません。でも「ちょっとその気になった」くらいのやる気だと、些細な「面倒」に衝突しただけで前に進まなくなるものです。

 

 子どもたちも、好きなゲームや漫画なら、少し取り出しづらいところにあっても引っ張り出して遊んだり読んだりすることとでしょう。でも「ちょっと本を読んでみようかな」「少しは計算ドリルをやっておこうか」くらいの思いつきの時、実際に本やドリルを手にとるかどうかは、「いかに手に取りやすいか」に大きく左右されます。

 また、片付けが面倒だと、使った後になんとなく出しっぱなしにしてしまいがちです。それで「片付けなさい」と強く言われた記憶が残ると「なんか、本を読むって面倒だった気がする」というイメージだけが定着して、次に気が向いたときのハードルになってしまうこともあります。

 

 せっかく前向きになったのに機会を逸してしまうのは、やはりちょっと勿体ないですよね。

 読書や学習は強要されてやるものではなく、自分の意志で始めるのが理想だと思います。初めたものの、結局1分でやめてしまうなんてこともあるかもしれませんが、そういったことを繰り返すなかで、自分が本当に興味を持てるものを見つけていくのでしょう。

 

 ですから、せっかくの機会を逃さないためにも、「取り出しやすい」「片付けやすい」本棚にしておくことが大切です。

 

 では、小学一年生くらいの子どもにとって、「取り出しやすい本棚」というのはどんな形でしょうか。また、どんなものが「取り出しづらい本棚」なのでしょう。

 

 

◎本を読むにも筋力がいる?

 

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 本棚と言われてまずパッと浮かぶイメージは、上の2つの絵のようなものではないでしょうか。

 実はどちらの本棚も、小学一年生にとってあまり使いやすいものではありません。

 

 右側の本棚はまず高さからして一年生向きではないので、左の棚で考えてみます。この棚から、本を一冊抜き取った場合を想像してみてください。

 

※以下は私の雑な図解で申し訳ありませんが、どうぞお付き合いください。

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 上の図のように、周囲の本が斜めに倒れてしまうのではないでしょうか。

 ここに本を戻すとなると、片方の手で本をどかして、できた隙間にもう片方の手で本を差し込むというテクニックが必要になります。まだ腕や指の力が弱い子どもにしてみると、かなり大変な作業です。

 

 ここで仮に、「しまいづらいから、出した本を片付けずに放置してしまった」としましょう。そのうえでもう一冊、真ん中あたりにある水色の本を抜き出してみます。

 

 

 右側の本の重さがかかっているので、小学一年生の子どもにとっては抜き出すだけでもそれなりの重労働ですが、なんとか抜き出せたとしたら棚の中はどうなっているでしょうか。

 こんな状況も考えられます。

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 上の図では、水色の本の右隣にあった背の低い本が、完全に横になってしまいました。

 こうなると子どもの力では立て直しが困難です。手や指の力を使わずに本を戻そうとするなら、横に寝かせて押し込んでいくしかないですね。

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 このように上に重ねていってしまうと、下の方の本を取り出しづらくなります。力のある大人ならともかく、小学1年生の子どもが引っ張り出すのはかなり難しいでしょう。読みたくて仕方のない本なら上の本をどかしてでも取り出すと思いますが、ちょっと気が向いたくらいだと「もういいや」となってしまいかねません。

 

 

◎「崩れない仕切り」がポイント 

 

 力や器用さが無くても本を簡単に出し入れできるようにするためには、棚の中を細かく仕切っておく必要があります。

 

 ブックスタンドを使うと、スタンドごと倒れてしまうことがあるので、ファイルボックスの方がお勧めです。

 

 

  このようなボックスを立てて棚の中に入れると、

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本が減っても大きく傾くことがないため、力の弱い子どもでも簡単に出し入れできます。

  このような形のボックスは、100円均一のお店にも売っています。ただ、しまう本の重さにもよりますが、簡単に変形してしまうものは避けて、がっしりした造りのものを選んでおいたほうが良いでしょう。ファイルごと傾いてしまうのでは、効果が半減してしまいますから。

 

 

 ◎その他の形

 

 一般的な本棚の形式にこだわらないなら、書店でみかけるような、表紙を見せるタイプの棚も取り出しやすくしまいやすいと言えます。

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 でも、この形式でたくさんの本を納めるのにはかなりのスペースが必要になるので、活用できるケースは限られていますね。

 

 

 また、最初から寝かせて収納する方法もあります。

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 ただ、一段にしまう冊数を3冊くらいまでにしておかないと、使いやすさを保つのが難しくなります。棚板を準備するのは、ちょっと大変ですね。

 

 こちらの2つの形は、現実的に活用するのは少し難しいかもしれませんが、条件が合えば使いやすい棚の形ではあります。それぞれの状況にあった形を、是非探してみてください。

 

 

 今回の記事は、少しの工夫で「面倒」な気持ちがかなり軽減され、勉強や読書に前向きに取り組みやすくなるという例を紹介させていただきました。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。