組み合わせて覚える指示語(後編)~今日から始める読書感想文㉒~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
今回は、文と文をつなぐ「指示語」つまり「こそあど言葉」の使い方を考える後編です。
※前編はこちら↓
kikyouken.hatenablog.com
作文の中で指示語を使いこなすためには、単純に「ここ」や「この」という言葉を覚えるだけでなく、「このような」「こんなふうに」のように他の言葉と組み合わせた形で「それぞれの表現が文中のどういう要素に使えるのか」を身につける必要があるでしょう。
前編では「主語」と「述語」で利用する「こそあど言葉」を紹介しました。
後半ではそれ以外の文の要素で使われる主な表現をあげていきましょう。
◎「いつ」を表す指示語
※( )の中は実際の表現の例です。
この〇〇に・この〇〇で(この日に)
こんな〇〇に・こんな〇〇で(こんなタイミングで)
このような〇〇に、このような〇〇で(このような時に)
こうした〇〇に(こう考えた瞬間に)
時間そのものを表す指示語はなく、「この」や「こんな」などの指示語と、時間に関係する名詞を合わせて表現するのですね。「この」ではなく「その」「あの」「どの」を使う例も考えられますが、ここでは統一して「こ」のみを使用しています。
また、4つ目の例のように動詞を間に挟んで、こう+動詞+名詞の形で「いつ」を表現している例も見かけることがあるでしょう。動詞は「考える」「思う」などのように「言い切りの形(ここでは終止形ではなく連体形ですが形は同じです)」の時もあれば、「考えた」「思った」などのように過去を表す助動詞を付けた形でも使えます。
「いつ」の要素として更に長い表現まで考えると
みんながこの場所で遊んでいる時に
この漫画が世間で流行っていたころ
というように、さらにいろいろ使い方が考えられますが、こうなると指示語という以上に以前の記事でもふれた「複文」に関わる部分の方が大きいと思われますので、ここでは省略します。
◎「どこ」を表す指示語
ここに・ここで
この〇〇に・この〇〇で(この教室に)
こんな〇〇に・こんな〇〇で(こんなところで・こんな高いところで)
このような〇〇に・このような〇〇で(このような場所に)
場所を表すこそあど言葉としては「ここ」「そこ」といったものがあります。
でも、そのほかに指示語+場所を表す名詞という組み合わせて場所を表すことも少なくありません。
3つ目の「こんな」は指示語+名詞で表現することもありますが、上の例にある「こんな高いところで」のように指示語+形容詞(形容動詞)+名詞の方が一般的でしょうか。
◎「誰(何)に」「誰(何)を」を表す指示語
これを・これに
これらを・これらに
こちらを・こちらに
この〇〇を・この〇〇に(この学生を)
このような〇〇を・このような〇〇に(このような文章に)
こんな〇〇を・こんな〇〇に(こんな経験を・こんな良い人に)
前回の主語で使われた「誰」「何」の表現とあまり変わりません。
ここでの「こんな」についても、指示語+名詞の組み合わせで使われる場合と、指示語+形容詞(形容動詞)+名詞の組み合わせになる場合があります。
◎「どうして」「どのように」を表す指示語
このため
これにより
この〇〇により(この手順により)
このように
こんな〇〇に・こんな〇〇で(こんな急に・こんな雑なやり方で)
こんな〇〇・こんなに〇〇・このように〇〇(こんなに大きな)
このような〇〇で(このような理由で)
会話では「これだから」という言い方をする場合もありますが、これはあまり作文では使われませんね。
これまでの要素では指示語と名詞とあわせて使う場合が多かったと思いますが、この要素については「大きな」などの連体詞や「いきいきと」などの副詞とあわせて使うこともあります。
◎前編とあわせてまとめると
指示語と言えば「これ」「そこ」「あの」などを連想しますが、実際には「この人」「あの場所」などのように他の言葉と組み合わせて使うことが多いので、組み合わせた状態で覚えて使いこなすことを考えた方が現実的でしょう。
今回主なものをリストアップしましたが、丸暗記をするというよりも、慣れないうちはリストから使えそうなものを選んで書く練習をしていくと良いと思います。
まずは、第19回で紹介した2行作文で練習してみるのがお勧めです。
※2行作文についての記事↓
指示語をテーマにした記事は今回で終わりです。「今日から始める読書感想文」の次回記事では、「だから」や「しかし」などの接続語について考えます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。