ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

基準の数を計算する(小5の百分率)~立ち読み計算ドリル⑮~

 こんにちは

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 立ち読み計算ドリルでは、前々回から今回まで、消費税関連の計算について考えています。

 

※前々回・前回の記事はこちら↓ 

kikyouken.hatenablog.com

 

kikyouken.hatenablog.com

 

 

 今回は「組み合わせを考えて買う際の工夫」がテーマです。

 

 前々回の「110%を計算する」と関連する内容ですね。関連というよりも「補足」に近いかもしれません。

 

 

◎まずは問題です

 

<問題>

 

 Aさんは、友達のBさんへのプレゼントを買うために、文房具屋さんにやってきました。予算は「1000円以内」です。

 お店で商品を見た結果「これはBさんが喜びそう」と思うものが6つありました。

 

レターセット  710円

色鉛筆セット  640円

花柄のノート  320円

水色のノート  280円

シールセット  195円

4色ペン    175円

 

 

価格は全て「税抜き」のものです。実際に購入する際には10%の消費税がかかります。

 

 この中のいくつかを組み合わせてラッピングしてもらい、プレゼントにしようと考えました。ラッピングは無料でしてくれるそうです。

 

Aさんが良いと思った組み合わせは次の①から④です。

 

① レターセット(710円)と4色ペン(175円)

② レターセット(710円)とシールセット(195円)

③ 花柄ノート1冊(320円)と水色ノート2冊(280円×2) 

④ 色鉛筆セット(640円)と水色ノート(280円

 

この中で、実際に1000円以内で買えるものはどれでしょうか。複数あれば、全て選んでください。

 

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<答え>

 

予算内に収まるのは①②③の3つです。詳細は後ほど。

 

 

◎基準を利用して手間を省く

 

 遠足の「おやつは300円以内」に通じるところですが、「複数の商品の中から、予算内でお気に入りの組み合わせを見つける」という機会に直面することは、それほど多くはないものの実際にあります。学校や習い事などで呼びかけられる「おやつ」や「クリスマスプレゼント」の予算などでは、税込み価格を考えて「324円以内(税率8%の場合)」「1100円以内(10%を想定)」などと設定されることも多いようですが、個人的な買い物としては「1000円札でおつりがくるように」「10000円以内」などと設定する方が一般的でしょう。

 

  組み合わせての買い物にしても、買うものが決まっていれば「金額を合計する」→「その金額の110%を算出する」という手順で価格を求めれば済む話です。

 例えば今回の問題の「①の組み合わせで買う」と最初から決まっていて、金額を計算するだけなら、前々回紹介した計算方法で算出できますね。

 

 

①の税抜きの価格は  885. 円

 消費税(10%)は   88.5円です

 

筆算をイメージすると

 

 885.

+ 88.5

 973.5

 

973円が税込み価格(端数の処理によっては974円)だとわかります。

 

 

 でも「自分で納得のいく組み合わせで、予算内に収まるものを探したい」となると、その手順を何度も繰り返さなければならなくなります。合計を出すだけならそれほど複雑ではありませんが、それをいちいち「税込みで予算以内になっているのか」まで計算するのはかなり面倒ですね。電卓を片手に考えるならともかく、個人的なお買い物の場面では頭の中がゴチャゴチャになってしまいそうです。

 

  そこで、先に「税抜きでいくらまでなら、税込み1000円に収まるのか」を考えておくのです。税抜き価格が高くなれば、税込み価格も当然高くなりますから、「税抜きでこの金額なら税込み1000円に収まる、税抜きでこの金額になると税込み1000円を超えてしまう」ということがわかっていれば、いちいち110%を計算する必要がなくなりますね。実際にやってみましょう。

 

 

◎基準の数を計算する

 

 前回「『1割増しの1割引き』は、もとの価格にはならない」という話がでてきましたが、それは10%と9%・11%の違いくらいのものなので、ある程度は近い価格にはなると考えられます。

 そこで、とりあえず、1000円の1割引き「900円」が税込み価格だった場合を計算します。

 

 

 税抜きの価格が  900. 円

 消費税(10%)は  90.0円ですから

 

 税込み価格は   990  円で、1000円以内に収まっています。

 

 では、少し金額をあげて910円ではどうでしょうか。

 

 税抜きの価格が  910. 円

 消費税(10%)は  91.0円ですから

 

 税込み価格は  1001  円となり、1000円を超えてしまっています。

 

 ここからわかることは、税抜き900円までなら絶対1000円で収まるけれども、税抜き910円を超える組み合わせは予算オーバーになってしまうということです。

 

 これで大体の組み合わせは判断できますが、900円と910円の間はどうなっているでしょうか。

 この問題で出てくる商品は、5円未満の端数がありませんので、5円単位で考えておけば良いですね。905円について考えてみます。

 

 

 税抜きの価格が  905. 円

 消費税(10%)は  90.5円で

 

 税込み価格は、  995  円、端数を切り上げる方法でも996円となりますから、予算内に収まるかどうかは「税抜き905円に収まるかどうか」で判断すれば良いのです。

 

 その基準で問題の①~④の税抜き価格を計算して考えてみると

 

① レターセット(710円)と4色ペン(175円)

 

 885円予算内

 

② レターセット(710円)とシールセット(195円)

 

 905円予算内

 

③ 花柄ノート1冊(320円)と水色ノート2冊(280円×2) 

 

 →880円予算内

 

④ 色鉛筆セット(640円)と水色ノート(280円

 

 920円予算オーバー

 

となり、④のみ予算オーバー、他の①②③は予算内に収まると判断できます。

 

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◎まとめると

 

・複数の商品の中から予算内に収まるように買う組み合わせを考える場合、その都度「税抜きの合計額の110%」を計算するのは大変です。

 

・そこで、「税抜きで何円だったら、税込み金額が予算内に収まるか」をあらかじめ計算しておいて、その金額より高いか低いかで判断することを考えると良いでしょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。