ひらがな学習のための小ネタ集⑭~ピカピカの一年生の教養70~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその14回目です。
※前回の記事はこちら↓
今回は「少しだけ斜め」の練習について考えていきます。
◎「少しだけ」の難しさ
以前「て」の練習の時にも出てきましたが、ひらがなを書いていると「微妙に右上がりの線」というのが頻繁に登場します。
また「微妙に右上がり」ほど頻繁ではありませんが、「こ」を書く時は「微妙に右下がり」の線を書くのが一般的ですし、縦線の中には「い」のように「下の方が微妙に右に寄っていく」線も見られます。
子どもの線の向きを説明するとき、「縦の線」「横の線」というのは話しやすいですよね。「縦」や「横」がまだピンとこない状況でも、何本か例を書いて見せれば理解できるでしょう。「斜め」というのも「縦」「横」に比べると若干わかりづらいのですが、それでも説明するのはそれほど難しくはありません。
それに対して「少しだけ斜めになる」というのは、かなり難しくなります。感覚をつかめてしまえばなんてことはないのですが、そのイメージがまだつかめていない子どもにとっては、この「少し」の匙加減が難しいのです。
そのため、文字の練習の中で「少しだけ斜め」の実践がスムーズにいかないようでしたら、文字の練習から離れて「少しだけ斜めの線」の練習する時間をとることをお勧めします。
◎「少しだけ斜め」の練習ステップ
まずは、ゴールのわかりやすいものから始めてみましょう。
上の左側の図のように、中央の補助線から少し下の場所に、大人が予め点を書いておき、それを「ここからスタートだよ」と指定します。
そして、中央の線にぶつかるような斜めの線(右上の図のような線)を書く練習をするわけです。
少し慣れてきたら、大人の側で点を書くのをやめ、スタート地点も子ども自身が判断する形に切り替えていきましょう。
これができるようになったら、こんどは中央の補助線を始点にし、少しずつ補助線から離れていく線の練習をします。
今度は「どのくらい上がるか」を自分で判断しなくてはいけなくなるわけですね。
子どもの状況に応じて、最初のうちは終点も指定しておいた方が良い場合もあります。こちらも慣れてきたら大人が始点(と終点)を書き込むのをやめ、子どもに全て判断させる形に切り替えましょう。
中央の補助線を利用して「少し斜め」が書けるようになったら、今度は補助線から離れたところで書いてみます。
始点のみ指定して、少し右上がりの線を書くように伝えます。これができるようになれば「少し斜め」の感覚が掴めてきたといえるでしょう。
また、始点ではなく終点を指定して「ここがゴールになるような少しだけ右上がりの線」を書く練習にも挑戦してみてください。(「右上がり」の表現は「上り坂」など、それぞれの子どもにとってわかりやすい表現を選ぶと良いでしょう。)
↑終点だけを指定します。
「この形(ここでは「少し右上がり」)の線を引いて、
最終的にこの地点にいくようにするには、
どの場所から始めるべきか?」
ということを逆算して考えられるようになると、ひらがなの練習がしやすくなるのです。
これで「右上がり」については一通り練習できましたが、余力があれば「微妙に右下がりの横線」や「微妙に右に寄っていく縦線」なども練習してみましょう。
◎長期に続ける場合
この「少し斜め」の感覚が身につくまでにどのくらいかかるのかというのには、当然個人差があります。特別時間をとる必要が無い子もいれば、かなり時間をとる必要のある子もいるでしょう。
この練習を重点的にしたい場合は文字の練習から離れてこのポイントのみに絞って練習した方が良いのですが、こういった線の練習のみ長期間繰り返していたら飽きてしまいますね。
そのため、このような基礎的な練習を長期間続ける場合は「準備運動」や「ちょっとひといき」というような形で取り入れることをお勧めします。ひらがなの学習はひらがなの学習で少しずつ進めながら、その前や途中などに「少し斜めの線を練習するだけの時間」をつくるわけです。
この期間のひらがな学習中に「少し右上がり」の線が出てきた場合は、「真横」扱いでも良いというつもりで進めておき、後日「少し斜め」が身についてきたときに改めて「少し斜めの方が格好良くなる」と伝える形になります。
◎まとめると
・ひらがなを書くとき「少しだけ斜めの線」が頻繁に登場します。
・この「少しだけ斜め」の感覚が身についていない場合は、ひらがなの学習とは分けて練習することをお勧めします。
・時間がかかりそうな場合は、ひらがなの学習は継続しつつ、その学習の前や途中などに「少しだけ斜め」を練習する時間をとると良いでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。