ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ひらがな学習のための小ネタ集⑮~ピカピカの一年生の教養71~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

    現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその15回目です。

 

 

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 今回は「少しだけ曲がる」の練習について考えていきます。

 

◎雰囲気への影響は大きい

 

 突然ですが、このすぐ下にある文字は何という字に見えますか。 

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 平仮名に慣れ親しんでいる人なら、特に迷うことなく「に」と読むでしょう。50音で「な」の次の音ですね。

 ただ、なんとなくぎこちなさを感じませんか。

 この「に」は全て直線で表現してみたものです。

 

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↑こちらの「い」と「ほ」も輪っか部分以外は全て直線で書いています。 

 

 読むぶんには「い」「ほ」と問題なく読み取れるかと思いますが、こちらもなんとなくたどたどしい雰囲気があるのではないでしょうか。

 

 日常生活の中で鉛筆やペンなどで文字を書く場合、普通はフリーハンドで書きますね。仮に定規等を利用して書いた場合、線の1本1本はきれいに仕上がるかもしれませんが、多くの人が不自然だと感じる字になるでしょう。

 線の太さが最初から最後まで同じだというのも原因の一つですが、一番大きな原因はやはり線がまっすぐすぎることではないでしょうか。

 

 前回、ひらがなを書く際には「少しだけ斜め」に書いた方が良い線があるという話題を扱いましたが、「少しだけ彎曲」させた方が良い線もたくさんあります。その線を完全な直線で書いてしまっても「何の文字か」は問題なく伝わりますが、雰囲気がガラっと変わってしまうのです。

 

 

◎意欲に応じた練習を

 

 この「少しだけ彎曲」というのも、「少しだけ斜め」同様に、感覚をつかめるまでの時間の長さに個人差があります。

 ひらがなの練習の中で「ここはちょっとだけ丸くなる」とか「ここは途中でちょっとだけ外側に曲がる」と言われただけで「ああ、こんなふうに書けば良いんだな」とイメージして実践できる子もいますし、ピンとこない子もいます。また、理屈はわかっても実際に自分で書くのは難しいという段階の子もいるでしょう。

 もしも個々の文字の練習中に理解が難しいようであれば、これも「少しだけ斜め」の時と同じように、一度文字から離れて練習時間をとったほうが結果としては近道になることも少なくありません。

 

 ただ先ほども書いた通り、この「少しだけ彎曲」というのは、実践できていなくても、書いた文字が少しぎここちなく見えるというだけで読めない字にはなりません。また、本来と逆側に彎曲してしまうとかなり不自然な字になってしまいます。

 

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↑外側に彎曲する線を内側に曲げた場合の「い」 

 

「少しだけ彎曲」があまりピンときていない状態で無理に書かせようとすると、子どもがせっかく書いた字を「そうじゃない」と言う場面が増えてしまいます。しかもピンときていないわけですから、指摘されたところでそう簡単に修正できません。否定されっぱなしで終わてしまう可能性もあります。そうなると子どもとっては楽しいできごとではありませんね。時間もともと文字の練習に乗り気でない場合などは尚更です。 

 

 子ども本人が「とにかくお手本そっくりに書きたい!」という気持ちであるならば、この「少しだけ彎曲」もマスターできるように集中的に練習するのも良いと思いますが、そうでないならば無理に彎曲を意識せず、とりあえず「直線でも良い」として学習を先に進めることをお勧めします。

 

◎まとめると

 

・ひらがなを書いていると「少しだけ彎曲」させた方が良い線がたくさん出てきます。

 

・その線を完全な直線で書いてしまうと文字全体が少しぎこちない雰囲気になりますが、線がまっすぐすぎても他人が読めない字にはなりません。

 

・「少しだけ彎曲」がピンと来ていない状態で彎曲させるように繰り返し言われても、子どもにとっては「文字の練習が楽しくない」という印象を与えるだけで終わってしまいかねません。「彎曲」が難しければ、大人の側がこだわり過ぎず、とりあえず直線のままで学習を先に進めることをお勧めします。

 

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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