ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ひらがな学習のための小ネタ集⑯~ピカピカの一年生の教養72~

 こんにちは

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

    現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその16回目です。

 

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 今回は「じっくり書く」ための小ネタを紹介します。

 常にじっくり丁寧に書こうとするタイプの子どもにはあまり関係のない話かもしれません。ただ、筆圧の加減の話も出てきますので興味のある方はお付き合いください。

 

◎「ゆっくり」とか「よく見て」とか言われても

 

 文字の書き方、練習への取り組み方には個人差がありますが、いつもシャシャっと雑に書いてしまう子どももいれば、常にグリグリと押し付けるような強い筆圧で書いているために疲れやすかったり消しゴムを使う時に苦労したりする子もいます。

 シャシャっと書いてしまう子に対して「もっと丁寧に」とか「もっとゆっくり」とか「見本をよく見て、ここはこうでしょう?」といった声掛けがされることも少なくありませんが、こうした言葉は全体的に子どもにとってはわかりづらい時もあるでしょう。抽象的といいますか、注意をされても具体的にどのように気を付ければ良いのかわかりづらいのです。同様に、鉛筆に力をこめすぎる場合に「力を抜いて」と言われても、どうすれば良いのかわからないかもしれません。

 そこで、気を付けるように声をかけるよりも、気を付けやすいような状況をつくるほうが効果的だと考えられます。

 

 

◎リレー方式で書く

 

「見本をよく見て、見本に近い字を書く」為には、細かく特徴をとらえていく必要があります。「1画目はここから書き始めてこのくらいの長さ」「次はこのあたりから書き始めて一画目と比べてこんな向きでこんな長さ」というように、少なくとも1画分書くごとに、ポイントを確認していくと良いでしょう。でも、何となくシャシャっと書いてしまっている場合、それは難しくなります。「次の線は~」と考えることもなく一気に書いているでしょう。そこで「1画ずつ丁寧に」と声をかけても、なかなかピンとこない場合もあります。そもそも「1画」という概念自体がまだあやふやな場合もあります。

 

 そんな時には「1画ずつ交代しながら、大人と一緒に書く」という時間を取ってみるのも1つの方法です。1画の字ではできませんが、2画以上の字であればひらがなに限らずカタカナや漢字でも効果があります。

 

 この練習は大人1人子ども1人で行います。1画分書いたら相手に紙を渡して次の1画分を書いてもらう、相手が1画分書いたらまた自分が書く、というように交代で1つの文字を完成させていくわけです。最初のうちはどこで交代するかがわからず続けて書いてしまうなどのミスが見られるかもしれませんが、「次はここまでだよ」と確認しながら何度か繰り返すと、画数の概念も理解して適切なタイミングで交代できるようになります。

 次の線を自分で書くのではなく相手が書くとなれば、1画ごとにポイントを確認する機会を作れます。子どもが書く線について「ここをこうした方が良いよ」という声のかけかたもありますが、大人が自分で書く線について「こう書けば良いよね」とポイントを確認しながら書いて見せるということもできますね。また、半分程度でも大人の手が入ると、まだポイントのわかっていない子どもが1人で書くのとも比べて、かなり字形が整いやすくなります。「たしかに、そこを気を付ければ綺麗な字になるのか」と納得できれば、教えられたポイントをより聞き入れやすくなるでしょう。

 

 

◎用紙や下敷きを変えてみる

 

 どうしても筆圧が極端に高くなってしまう場合、「もう少し、そっと書く」感覚をつかむために、柔らかいものを使ってみるという方法があります。

 例えば、大きなスーパーやホームセンター等の文房具売り場や文具の専門店へ行くと「お花紙」というものを売っています。

 

↓こちらのような、卒業式や入学式に飾るお花をつくる時に使われるものです。


 

「お花紙に、紙が破れないように字を書く」チャレンジをすることで、自然と「そっと書く」ことを意識できます。

 また、書く用紙は普段のままでも、その用紙の下にフェルト等を敷いてみると普段と感覚が変わり、普段より自分の筆圧を自覚することができます。フェルトを使用した場合、スムーズに字を書こうとすると、どちらかというと「弱すぎる」位になってしまいますが、まず「そっと」を意識するうえでは有効でしょう。布を少しずつ弾力の弱いものに変えていけば、普段の紙の感覚と近くなっていきます。

 

 とはいえ、基本的に学習の時に使うべき紙や机は普段使っているものの方です。書くべき用紙や普段使用している机の上で道具を変えてしまうと「どうして変えるの?」という気持ちの方が強くなってしまうかもしれませんし、「正しい道具を使って正しい姿勢で書く」という感覚が身につきづらくなってしまうことも考えられます。

 上記のような柔らかい紙、柔らかい下敷きを使う際は「たまには外で絵をかいてみようか」というように特別な機会として設定した方が本来の道具にも戻りやすくお勧めです。

 

 今回は「じっくり書く」ための小ネタを2点紹介しました。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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