ひらがな学習のための小ネタ集㉑~ピカピカの一年生の教養77~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその21回目です。
※前回の記事はこちら↓
前回は「9文字目(と10文字目)に学習するのに、お勧めの文字」をいくつか紹介しました。
子どもの得意とするもの、苦手とするものによってお勧めの文字は変わるため、いくつかのパターンを紹介しましたが、今回はその中で「ん」の学習について考えていきましょう。前回書いた通り、少し難しい要素もある字ですが、書けるようになるといろいろな単語で使える、覚え甲斐のある字でもあります。
◎通過点はとらえやすい
まずは、補助線付きで見本の形を見てみましょう。
こちらのフォントは「教科書体」ではあるものの、実際に1年生の国語の教科書に書かれている「ん」とは若干の違いがあるかと思いますが、教科書と全く同じフォントが用意できなかったため、この字を参考にしつつ進めます。特に書き出しの部分、最初にグイっと曲がる部分は、教科書ではなくなっているはずです。その他の部分はフォントによって多少の差はあるものの、概ね参考にできるでしょう。
こうしてみると、要所要所が補助線上にあるため、それに合わせるようにしていくと書きやすい字だと考えられます。
①まずは縦の補助線上からスタートしてまっすぐ左下へ。
②左下で折り返します。(スタートから折り返す途中で、横向きの補助線を通過しますが、「通過後も通過前と同じくらい進む」と考えておくと長さの目安になるでしょう。)
③折り返した後は中央(2本の補助線の交点)か、その少し左くらいを目指します。そして横向きの補助線まで来たら、再度下へ向かうように曲がります。この時、真下より左に寄らないように気を付けます。
④②で折り返したのと同じ高さ(上の図の青い線)に近づいたら、また上へ曲がります。今度は「折れ曲がる」のではなく、孤を描くように丸く曲がることになりますね。慣れないうちは少し難しいかもしれませんが、青い線にピッタリ接しながら曲がるよう意識すると、バランスがとりやすくなるでしょう。
⑤横向きの補助線まで来たら完成です。最後は「はらい」になりますが、そこまで意識するのが難しい場合は、まずは「補助線でとめる」とし、形を覚えるのがお勧めです。
◎折り返しに注意
以前の記事でも書きましたが、②で折り返して③で進む過程の半分くらいは「一度書いた線をなぞる」という作業になります。 この「もと来た道をたどる」という感覚が掴めていないと、どうしても③の時点で縦向きの補助線の右半分へ侵入してしまいやすくなりバランスをとるのが難しくなるのです。「もと来た道をたどる」という感覚が全く身についていない場合は、この字を通して練習するというよりは、一度「ん」の字から離れてその動作のみを練習して「こういう線の書き方もあるんだ」ということを実感する機会をつくることをお勧めします。「そういうのもあるんだ」という感覚が身についていれば、「ん」の字の学習を通して練習することも可能です。
◎まとめると
・「ん」は覚えると書ける語句が増えるので、学び甲斐のある字です。
・折り返しの感覚が身についていないと書くのが難しい字ですが、反対に「ん」の練習を通して折り返しに慣れることもできます。
・子どもが「折り返し」に全くピンと来ていない場合は「ん」の学習から一旦離れ、「折り返し」自体の学習をする機会を設けたほうが良いでしょう。
・字の形としては、補助線を基準にすると捉えやすい字です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。