ひらがな学習のための小ネタ集㉗~ピカピカの一年生の教養83~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその27回目です。
※前回の記事はこちら↓
今回は「ひ」のポイントについて考えてみましょう。
◎左右「非」対称
突然ですが、「ひ」の文字を頭の中で思い浮かべてみてください。
どんな形をしているでしょうか。
ブログとして文字媒体でこの記事を読んでいらっしゃる都合上、皆さんは今現在「ひ」という文字をご覧になってしまっているわけですが、一度該当の文字から目を離してなるべく頭の中だけでイメージしてみてください。
「中央に舌のような形があり、そしてその左右に直線がある」という感じでしょうか。
もしかすると、人によっては「アルファベットのMが歪んだ形」なんて連想をすることもあるかもしれません。
イメージは人によってそれぞれですが、まだうろ覚えの段階の子どもの中のイメージは実物よりも「左右対称な形」になっていることが多いようです。もちろん「左右対称」なんて言葉で形を説明する子どもはそうそういませんが、イメージとして左右で同じだと思っている部分がかなりあります。
で、実際の文字はどうかというと、
↓このような形ですね。
仮にこの「ひ」の字を左右対称に書くとするなら
↑このような形になるでしょうか。多くの読み手に「ひ」という文字を書いたのだろうと伝わるとは思いますが、少しぎこちない印象です。
フォントによっては左右対称でとても見やすい「ひ」があるかもしれません。でも、大抵のフォントで「ひ」は左右非対称ですし、国語の教科書に書かれている「ひ」も例外ではありません。
「ひ」の文字は、その非対称性に着目し、具体的に右と左でどんなところが違っているのかをおさえておくと、書く時にバランスを取りやすくなります。
では実際にどこが左右で違うのかなのですが、それを考える前に、一カ所だけ「左右で同じ」を意識しておくと良いポイントがあるので、先にそちらを押さえておきましょう。
◎左右でそろえるポイント
左右でほぼ同じになるのは、折り返しのポイントです。
最初と最後で2回折り返しがありますが、この高さをそろえると形を整えやすくなります。
↓赤で目印をつけました。
この赤で囲んだ部分の高さが左右で同じになるというのが最大のポイントですが、中央にある縦の補助線からの距離もだいたい同じ位です。2つの折り返しポイントの位置が左右対称になっているというわけです。
◎非対称なポイント
まず、中央の舌のような部分が、左に偏っていますね。この「舌」の部分を羊の頭部といいますか、顔の輪郭だと考えて
真正面を向いていると不自然で
実際には左を向いていると伝えると、子どももイメージしやすいかもしれません。
実際に字を書く際の留意点としては、一回目の折り返しの後は右下ではなく左下に向かうということになります。また左右対称・非対称とは別のポイントになりますが、この左下へ向かってその後孤を描いて右上へと進む曲線も、以前「し」等で出てきた線と同様に、ぱっと見た時のイメージほど丸くはありません。大きく曲がっているのは下の方の一部分のみでそれ以外の部分はほぼまっすぐです。
次に、見落としやすい部分なのですが、最初と最後で直線の向きが大きく異なるというポイントがあげられます。最初の折り返しまでの直線も、最後の折り返し後の直線も、いずれも斜めの線ではありますが、最初の線はどちらかというと横向きに近く、最後の線は縦向きに近いのです。ここをついつい左右対称になるよう揃えてしまうと、
※左右とも横向きの例↓
※左右とも縦向きに近い例↓
このように、かえってぎこちない印象になるのです。
また、線の長さも左右で異なりますね。左側は短めで、右側は長めに書くようにすると、より見本に近くなるでしょう。
◎まとめると
・「ひ」は左右非対称なポイントを意識するとバランスがとりやすくなりますが、折り返しの位置だけはほぼ左右対称になっています。
・左右の直線部分は向きや長さにおいて左右で違いが見られます。左側は横向きに近い短めの線、右側は縦向きに近い長目の線です。
・中央の部分は左に偏っています。曲線になっているのは、下の方にある中央部分のみで、それ以外はほぼ直線です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。