ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

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オススメできないけれど気に入っている英語勉強法~日曜日の雑談35~

 こんにちは

ききょうけんのベル子です。

 

 土日は雑談記事を書いています。お気軽にお付き合いください。

 

 新年度が始まり、気分を新たに様々な目標を掲げている人も多いのではないでしょうか。特に高校受験や大学受験を控えている中学生・高校生は、1年の学習計画をたてている時期かもしれません。

 でも、いざ「受験対策のために勉強を頑張る」といっても、どうやって学習をしたらいいのか迷っている人もいるでしょう。定期テスト対策であれば教科書や教科書準拠のドリルを繰り返し学習することでそれに見合った点数を取ることができるかもしれませんが、模擬試験・実力テストで点数につながるような学力をつけるためには、どうすれば良いかわからない、と。

 

 そこで今日は、私自身が高校3年生の時にやっていた英語の学習方法について書いてみようと思います。

 

     

 

 自分でこのような話をするのはちょっと恥ずかしいのですが、私は大学受験の際に英語でそこそこの高得点を取ることができていました。周囲と比べるとあまり長時間学習をしていなかったにもかかわらず周囲の同級生たちより得点できていたのは、この学習方法に効果があったからだと思っています。

 ただ、この方法が万人に効果があるとも思えないので、あくまでも雑談記事でお話してみようと思って今回の記事を書いた次第です。

 

 

 さて、その学習方法というのは

「毎日1問ペースで、やさしめの長文読解ドリルを進める」

というものです。

 

 ここでの「1問」というのは「大問1問」という意味になります。見開き1ページで1問の大問になっている英語の問題集をイメージしてください。左ページいっぱいに書かれた英文を読んで、右ページで出題された問題に答えるというようなパターンの物を考えていただければと思います。ページの端の方のスペースで、文中で使われている単語や熟語の中で重要なものとその意味がリストアップされているものがお勧めです。

 

 高校時代、私は学校の休み時間にちまちま読書をしていたのですが、3年生の春ごろからは読書の代わりにこの英語ドリルの長文を読むようにしていました。「読書」と考えると非常に短い文章ですが、個人的には興味深いトピックが多く、1日1つのコラムを読む感覚で楽しく読むことができました。

 

 短い休み時間の合間に左ページの英文を読んでおき、昼休みや放課後に10~15分ほど時間をとって右ページの問題を解いたり単語の意味の確認をし、できなかったところや不安な部分にチェックを入れます。それが終わったら、前のページを見返してチェックの入っている問題や単語を復習するという流れです。チェックがたくさん入って復習だけでも時間がかかりそうになったら、翌日は無理に次のページに進まず復習のみに集中するようにしていましたが、最初に書いた通りそもそも「やさしめ」の物を選択して取り組んでいるので、「難しすぎて先に進めない」ということはありませんでした。

 

 結果として毎日(平日のみ)30分くらいの時間を使っていたと思います。私は休み時間に気分転換を兼ねてやっていましたが、休み時間は別の過ごし方をしたいという人もいるでしょう。その場合はもちろん、休み時間ではなく自宅等で改めて時間を取るのでもかまいません。その場合はおそらく集中して効率良く取り組めると思うので、20分程度でも終えられるのではないかと思います。と、いいますか、そのくらいの時間で気軽にとりくめそうな難易度のものを選ぶと良いと思います。

 

 受験生時代の自分を振り返って、私は自宅でほとんど英語の学習をしていませんでした。一応進学校だったので授業中は先生方に熱心に指導をしていただきましたし、家庭でやるための課題を出されることもありました。でも、進学塾等には通っていませんでしたし、授業の予習復習等を自主的にやることはほぼありませんでした。

 それでもどういうわけか、1年間で英語の点数はかなり伸びました。高校2年生の2月頃にセンター試験の過去問を解いてみた時と比べて、3年生になって実際に受験した際には(その年難化した言われていたにもかかわらず)はるかに高い点がとれたのです。

 それはおそらく、

「毎日1問ペースで、やさしめの長文読解ドリルを進める」

という習慣の効果だったのではないかと私は今でも考えています。

 

 やはり語学は「実際に使ってみる」というのが大事だということなのではないでしょうか。実際に使ってみるというと「現地で英会話」といったことがイメージされますが、「それまでに身についた英語で読書する」「読んだ英文の内容について、それまでに身についた英語で質問に答える」というのも、私にとってはある程度実践的な体験だったのでしょう。また、ただ読むだけでは「読みっぱなし」になってしまうかもしれませんが、こうしたドリルの問題は多くの場合「文章の内容に関する設問」だけではなく「文法や単語の知識を確認する設問」もあるため基礎的な力の定着につながったのではないかと思います。

 

 このように自分にとってはとても良かった学習法なのですが、これまであまり他人にすすめてはいませんでした。私は仕事柄中学生の子どもを持つ方に学習方法の相談されることがあるのですが、他の方法をお勧めすることがほとんどです。

 

 前述の学習方法を、私が周囲の人にお勧めできていない理由として、大きなものが3つあります。

 

 まず1つは、この方法が効率が良いかどうかは、私も良くわからないということです。

 先ほども書きましたが、私自身はもともと読書が好きで、その読書の代わりに英文読解をしようと考えて始めました。休み時間の気分転換ができるうえに英語の力もつくのですから、私にとってはとても良いものでした。でも、そもそも読書が好きでない人にとって、この学習は別に楽しくないでしょう。ただ英語の学習をするという目標であれば、もっと良い方法があるかもしれないので、無理に楽しくもないこの方法を実践するメリットは薄れてしまいます。

 

 2つ目に、大前提としてある程度長文が読めるようになってからしか使えない方法だということがあげられます。

 私が英語学習について相談されるのは主に中学生のお子さんに関してなので、そもそも大学受験を控えた高校生とは学んできた分量が違います。そして相談を持ってくる場合はやはりどちらかというと「英語が苦手」というお子さんになるので、そもそも英文を自力で読み進めるのが難しい段階であることが多いのです。先ほど本人の状況に合った難易度を選べば良いという趣旨のことを書きましたが、そうはいっても英語長文となれば簡単さにも限界があります。「中学1~2年生くらいの英語の苦手な子でも読める文」で「読んでいて楽しい内容の文」を探すのは難しいでしょう。

 

 3つ目に、「読みっぱなし」になってしまう懸念があります。実践的な学習と合わせて、やはり知識を体系的に学ぶことも重要だと思うのですが、長文読解問題を解くだけでは体系的な学習のフォローができません。私自身の場合は、学校の授業の方で体系的な学習ができていてちょうど良かったのでしょう。でも、その子が学校で受けている授業の内容によっては、家庭での学習として「読んでみる」体験よりも、基礎的な知識を学ぶことが必要な場合もあるでしょう。

 

 このようなわけで、あまり他人にオススメできる学習方法ではないのですが、私自身は効果があったと思っていますし、私以外にもこの方法が合っている人はいると思います。

 もし今回の記事を読んで「面白そうかも」と感じた人がいらっしゃいましたら、遊び半分でちょっと試してみてください。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。