ひらがな学習のための小ネタ集㉒~ピカピカの一年生の教養78~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその22回目です。
※前回の記事はこちら↓
今回は「に」について考えます。
画数こそ3画とひらがなの中では多い方ですが、交差等がないシンプルな形なので、「全く書けない」ということにはなりにくい字だといえるでしょう。
◎わかりやすい配置
ざっくりした形をいうなら、1画目は長い縦線で、その右側に2画目3画目となる短めの横線が上下に並ぶといったところでしょうか。
マス目に補助線をひいた4分割の図で考えると、
1画目が左上と左下(ピンクの部分)、2画目が右上(水色の部分)、3画目が右下(黄色の部分)というように、使っているエリアが分かれています。
また、2画目と3画目の始点は中央の縦の補助線上から始まっていますが、それ以外は基本的に「真ん中あたりに書く」という感覚で捉えられるので、わかりやすい配置の字です。
この「真ん中あたり」は目測で判断することになりますが、それも少し苦手なくらいであれば、「目測で判断する」という練習をするちょうど良い機会になるでしょう。
◎考え出すと難しい?
上記のように、見本の通りの配置に書くのは比較的簡単なのですが、見本の「雰囲気」に近い「に」を書くという話になると少し難しくなります。
1画目の最後に「はね」がありますし、1~3画目どの線でも、線の中央あたりが外側に向けてしなるように少し丸くなっています。これを、どのようにはねるか、どのように丸くするかの匙加減で字の雰囲気は全く変わってきてしまうのですが、その匙加減をつかむのは、配置をつかむのほど簡単ではないのですね。
これは、頭で考えて把握するのは難しいのではないでしょうか。
この「はね」や「しなり」は本来、全体の筆の流れから自ずと方向や形が決まってくるものですから、1画1画丁寧に頭で考えながら書いているうちは、自然な印象の形にするのは難しいかもしれません。ある程度回数を書いて「筆の流れ」を意識できるくらいこなれてきてから考える方が良いでしょう。慣れないうちは、子ども本人が特に気にしない範囲であるなら、大人の側があまり細かく指摘(そんなに丸くなりすぎない、「はね」は2画目の始点を意識するなど)はせずに、「内側にはしならない(外側にしなるのが難しいなら、まっすぐでも良い)」「1画目の最後の『はね』は右上方向へはねる」くらいの確認に留めておくのがお勧めです。
◎まとめると
・「に」は線の配置が把握しやすい字です。他の多くの字と比べてわかりやすいですし、「(わかりやすい字でも)形をとらえるのが難しい」という子どもにとっても線の配置を意識する練習になります。
・「はね」や「しなり」の方向や程度については、筆の流れから感覚をつかむものなので、慣れないうちはあまりこだわり過ぎずに進めて、繰り返し書いてこなれてきてから意識するよう声をかけるのがお勧めです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。