まずは読解力の把握から~休校中の自習(理科・前編)~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回は「休校中に家庭で理科の学習をするなら、どんなことをしたら良いか?」について考えます。
※前回の国語編はこちら↓
理科といえば、家庭でできる理科実験のネタ本等もたくさん出版されていますから、みんなが家にいるこの機会にそうした体験の機会をたくさんつくるというのも良いでしょう。ただ、この記事は「自習」ということで、「原則として子どもが1人で学習を進めるなら」という前提で考えていきます。
※この記事は「家庭で学習させようと思っているんだけど、何をするべきかわからない」という疑問に対して、個人的な考えを書いたものです。家庭学習自体を強く勧める意図はありません。また、学校からきっちりと課題が出ているなら、まずはとりあえずそれをこなすことを考えるでしょうし、今何をしておくべきかというのは子どもや家庭の状況によって異なりますから、あくまでも考え方の一つとして読んでいただければ幸いです。
◎やはりまずは復習を
理科は他の教科に比べて、学校で未習の部分を家庭での自習で進めるのが特に難しい教科ではないかと思います。
やはりどうしても実際に見たり感じたりした体験が必要で、教科書や参考書の図と文章だけでイメージしづらく、仮にイメージが浮かばなかった場合それ以上自力ではどうしようもなくなってしまうという部分が少なくないのです。
ですから、自習で理科の学習をするなら、復習に力を入れることをお勧めします。算数や数学と違って、前に学習した単元が今後の学習内容と直結しない場合もありますが、それぞれに全く関連性がないわけではありません。これまでの学習内容をしっかりと身につけることで、今後学ぶ内容の理解のしやすさも変わってきます。
◎理科自習の肝は「読み取る力」
復習が一通り終わっていて、先に進みたいという場合はどうするか。
まだ習っていない教科書の内容を学ぶとなると、教科書に準拠したドリルを、教科書を読みながら進めるというのが基本になります。
国語の学習の場合は「漢字だけ重点的に学習する」など一部の内容を抜き出して学習することもそれほど難しくはないのですが、理科の場合それを家庭で行うのはかなり難しいと思われます。「教科書の進度に合わせて、その単元に関連する絵本や映像ソフトだけでも見ておこう」ということが可能ならばとても良い学習になると思いますが、その「関連する絵本や映像ソフト」を探し出すのが難しいのです。ですから、結局は「教科書または参考書を見ながら問題集を解く」というのが現実的な学習形態ということになります。
そうなると、教科書や参考書を自力でどれだけ読み取れるか、その読解力によって自習する際の適切な課題が大きく変わってくると考えらます。ですから、理科の自習課題の設定をする際には、まず子どもの読解力の状況を把握しなくてはなりません。理科では図やグラフなどの資料も多いため、ここでの読解力というのは一般的な文章読解の力だけではなく、そうした図やグラフなどを読み取る力なども加味して考える必要があるでしょう。
中学生で、自力で教科書を読み取る力がある程度あるのなら、教科書の内容に沿ったドリルを1冊購入して、教科書を読みつつそれを解いていくという形式で問題ないでしょう。ところどころに「イマイチよくわからない」「イメージがわかない」部分が出てくるかと思いますが、それは学校再開後に先生に頼る前提で「6~7割わかれば良いか」くらいのつもりで取り組むと良いと思います。
小学生でも自力で進められる力のある子もいると思いますが、小学校の理科の教科書は独学で学ぶことを想定していない編成なっていることがあるため、自習で使うにはあまり向いていません。そのため、「問題集」ではなく「参考書」の部分に力を入れた教材を購入して学習した方が良いでしょう。
中学受験用の参考書になってしまいますが、学研の「合格自在」シリーズは自学にお勧めです。ただ、受験用ということで教科書の進度とはかなり異なっているため、購入の際には学年のみを見て購入するのではなく、手持ちの教科書の進度にあった内容と合っているか確認のうえ購入するようご注意ください。
長文の読解は苦手だけれども、国語は極端に苦手なわけではないし図や箇条書きの情報ならば読み取れるという子には、清風堂書店の習熟プリントシリーズがお勧めです。
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↑このリンクは5年生用ですが、3~6年生まで各学年で出版されています。ちょうど、この4月にリニューアルされたようです。
全編モノクロなので植物の絵などもカラーではなく、少しイメージがわきにくいという難点はありますが、要点がまとめられていて基本的な用語等をおさえやすくなっています。
◎後編に続きます
ここまで、理科を子どもだけで学ぶとなると読解力が重要になるという話を書いてきました。
ところが、国語の読解や算数のグラフの読み取り等が苦手でなくても、理科は難しいという子もいます。その場合は、その原因を解決することがまず優先になります。そのためにはどんな課題を選べば良いのでしょうか。
また、そもそも、読解力に不安がある場合はどうすれば良いのでしょうか。
後編ではこうしたことをテーマに考えます。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。