これぞ「キッズの教養」⁉~Eテレ「おはなしのくに」を視聴~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略してききょうけんです。
このブログでは現在、水曜日か木曜日のどちらかに単発記事や小ネタの記事を書いていく予定にしているのですが、5月は主に「NHK for School」の番組について、実際に見て感じたことなどを書いていきたいと思います。
今回紹介する番組は「おはなしのくに」です。
◎番組概要
「おはなしのくに」
(未就学児・小1~3年対象 月曜9:00~9:10)
※以下、番組ホームページより一部抜粋。なお、文中に「この春」とありますが、これは2013年春を指しているようです。
1990年に始まった『おはなしのくに』がリニューアルされ、この春、15分番組から、より教室などで使いやすい10分番組として放送されます。ご要望の高かった動画配信も番組ホームページで始まります。
学習指導要領では、「昔話や神話・伝承などの本や文章の読み聞かせを聞くこと」や「楽しんで読書をする態度を育てること」を目標としています。
『おはなしのくに』は、日本や世界の昔話や童話・民話や名作から毎回1編を取り上げ、一流の語り手が表情豊かに語る「読み聞かせ」の番組です。
番組では、子ども達が物語の世界をイメージしやすい挿絵イラストや、美しい音楽とともに、物語の読み聞かせを楽しむことができます。教室や家庭での「読書指導」の一環として活用していただければと思います。
以上、番組ホームページの紹介文の一部を引用させていただきました。
ここからは、実際に見て感じた「気になるポイント」等を書いていきます。
◎これぞ「キッズの教養」!?
私はかねてより「キッズの教養」として、このブログで「定番の童話」をテーマに記事を書いてみたいと思っていました。
「桃太郎」や「シンデレラ」のような、日本の昔話や海外のおとぎ話の中には「古典童話」ともいえるような定番となる作品がありますよね。
そういった作品は、日常の会話の中でも何かと「例え」に使われます。
学校を何日か休んだ後久しぶりに行ってみたら、状況がサッパリつかめなくなっていた。→「浦島さん」
悪い結果しか残せないであろう集団に入る→「泥の船に乗る」
横着して適当に作ったために本来の役目を果たせないものと、目先の楽に流されず丁寧に作り込んだ信頼できる品質のもの→「藁の家とレンガの家」
誰かにしゃべりたくなる他人の秘密→「王様の耳はロバの耳」
このように、特定の童話に出てくる言葉を、特定の意味で使うことがたくさんありますよね。
「泥の船」などは元の話を知らなくても何度か聞いているうちに使い方を覚えてしまいそうですが、元の話を知っている人の方が話が通じやすいことでしょう。
でも、こうした定番の童話も、全員が全員知っているわけではありません。あらためて考えてみると、算数の公式や地理の用語と違い「学校で〇年生に教える」と決まっているわけでもないので、覚える機会がないまま大人になってしまうことも当然考えられるわけです。
何十年も前の時代であれば子どもが読む本も聞く話も限られていましたから、数少ない娯楽として繰り返し聞かされて育った人が多かったのではないかと思います。でも今はテレビでも動画サイトでも大量のコンテンツがありますし、絵本を読むにしても新しいものがたくさん出ているので、古典を読む機会はどんどん減っているのではないでしょうか。
「シンデレラ」や「桃太郎」あたりは大抵の人が知っているようですが、「ヘンゼルとグレーテル」や「かちかち山」くらいになると「実はどんな話か知らない」という人に会うことは少なくありません。その割に「お菓子の家」や「パンくずの目印」、前述の「泥の船」など、例えには何度となく使われてます。
国語の読解問題で出題される新聞のコラムなどでも利用されますので、やはりできれば子どものうちに定番を一通り読む機会を作っておいた方が良いと思うのです。
今年度の「おはなしのくに」のラインナップを見ると、「ももたろう」から始まり、名前は有名なのにストーリーは意外と知られていない「きんたろう」や「かちかち山」などの古典をおさえつつ、3学期には「裸の王様」など海外の定番作品も予定されています。
この一年の放送で「定番を網羅」とまではいかないまでも、かなりの有名どころをおさえられるので、「キッズの教養を考える研究室」を名乗る当ブログとしては、お勧めしておきたい番組だと思いました。
◎飽きずに見る工夫は
「古典童話」ともいえるような定番のストーリーということで、同じEテレの10分アニメ等に比べると全体的に「地味」に感じることがあるかもしれません。そのうえ、なんだかんだ言っても「少し知っているような気がする」場面も少なからず出てくるでしょう。
もちろん子どもが興味を持って楽しく見られるようにいろいろな工夫がなされている番組のはずなのですが、好みには個人差がありますから、子どもによっては全部見ないうちから「もう知ってる、もう飽きた」と言い出すことも考えられます。
「定番の話を一通り覚えておく」という目的だけを考えるなら、実際の本で同じ作品を読むのでも良いのでしょう。でも、この番組の「浦島太郎」の回では有名なあの歌(「むかしむかし浦島は助けた亀に連れられて」から始まる童謡)が途中で流れたりもしますし、やはり動画ならではの良さもあります。番組を活用できるなら、それにこしたことはありません。
「どう視聴したら良いのか」がいまいちつかめなそうな子どもには「事前にクイズを出しておく」という方法もあります。
例えば「金太郎」の回なら「金太郎と相撲をとったのは?」「金太郎は誰とみやこに行った?」「金太郎はみやこで何になった?」というような質問をして、番組の中から答えを探してもらうのです。
また、番組サイトには全文が紹介されていますので「音読」や「お話をする側」が好きな子どもなら、自分が演じる側になって家族に見せる機会をつくるというのも良いのではないでしょうか。番組でも基本的に一人の出演者が全てのセリフを担当しています。別撮りの音声を重ねていることもありますが、その部分がなくてもそれほど伝わりにくくはなりません。番組を参考にするために繰り返し視聴しながら音読の練習をすれば、自然とお話の世界に深く関わることができるでしょう。
番組を気に入るかどうかは子どもの好みによりますが、その子の好みに応じた見方を提案すれば、より楽しく視聴できると思います。
◎WEBの「おはなしのくに」はバラエティ豊か
番組サイトでは、今年度テレビで放送予定の「おはなし」以外の名作もたくさん見ることができます。
「おはなしのくに(NHK for School)」ページリンク
→https://www.nhk.or.jp/kokugo/ohanashi/
「配信リスト」の右の方で「2019年度」と「その他の放送」をスイッチできるので、興味のある方はチェックしてみてください。
また、ページの右上のあたりから「コワイオハナシノクニ」コーナーへとぶこともできます。3話のみですが、怪談で盛り上がる子どもは多いですから、これからの季節に良いかもしれませんね。
今回は「おはなしのくに」を紹介させていただきました。
お気に入りの一話が見つかると良いですね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。