ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

教科書の通読と漢字の学習を~休校中の自習(国語編)~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 緊急事態宣言の範囲が全国に広がってから1週間が経とうとしていますが、なかなか落ち着く気配が見えてきませんね。休校が長引きそうな雰囲気になってきました。

 地域によっては、既に5月いっぱいの休校を決定した自治体もあるとか。

 

 先の見えない状態で家に居続けることで、子どもの心が不安定になることや学習の遅れが発生することを心配する声はたくさん聞こえてきます。とはいえ、やはり命あってのものなので休校は仕方がないのかもしれません。 

 そうはいっても、子どもの心の安定や学力の向上のためにできる限りのことはしておきたいというご家庭も少なくないでしょう。でも、これまで学校でやっていたはずの学習を家庭でするというのはなかなか難しいことですよね。

 なぜ家庭で学習するのが難しいのか、その理由はいろいろとあるのですが、ここでそれを書き出すとかなり長くなってしまうので、それについてはまた必要に応じてその都度書いていくことにします。

 とにもかくにも「休校中に学習を進めておこうと思うけれど、何をすればいいだろうか」と考えていらっしゃる方に、こういう考え方もありますよという一つの考え方を紹介しておこうというのが、この記事の趣旨です。今回はその中でも、国語の学習について書いていきたいと思います。

 

※この記事は「家庭で学習させようと思っているんだけど、何をするべきかわからない」という疑問に対して、個人的な考えを書いたものです。家庭学習自体を強く勧める意図はありません。また、学校からきっちりと課題が出ているなら、まずはとりあえずそれをこなすことを考えるでしょうし、今何をしておくべきかというのは子どもや家庭の状況によって異なりますから、あくまでも考え方の一つとして読んでいただければ幸いです。

 

 

◎3つに大別される

 

 家庭での国語の学習として何をするかを考えたとき、大きくは3つに分けることができます。

 

1つ目は、学校から出された宿題をこなすこと、

2つ目は、昨年度までの学習内容を復習すること、

3つ目に、今年度の新しい内容を学習することです。

 

 もちろん、1つ目の学校の宿題というのもこれまでの復習か新しい学習範囲かのどちらかに分類できるはずですが、いろいろな意味で他の2つと扱いが異なるため分けておきます。

 基本的には、学校からやるべき課題を指定されているなら、その課題やそれと関連する内容を学習することになりますね。ただ、その課題をこなすことが極端に難しい(子ども本人にとって難易度が高すぎるとか、こなすためには家族がつきっきりにならないといけないなど負担が大きすぎるとか)といった場合は、学校と相談のうえで別の課題に切り替えることも考えた方が良いと思います。学校の先生も今回のようなケースは初めてで手探りですから、子どもの実態と合わない課題を出してしまうことがないとはいえません。それを何が何でも「学校から出されているのだから」と無理にこなそうとしてしまうと、家庭内での大きなストレスの元になってしまいます。

 

 

◎まずは復習を

 

 では、宿題が出されていない場合や、宿題以外の学習をする場合、何をするべきか。復習をするべきなのか、新学年の内容を扱うべきなのか。

 これは国語に限ったことではありませんが、個人的には、まずは復習をすることをお勧めします。

 学校で学習した内容を復習するという行為は、これまでに各ご家庭でやってきたことです。それに対して、「習っていない箇所を新しく学習する」ということは、やった経験のないご家庭が多いでしょう。未習部分を家庭で教えるというのは、なかなか難しいことだと思います。新しい内容を学ぶとなれば、子どもが自分自身で考えて進められる部分が少なくなりますから、それだけ勉強を見る側の負担が大きくなります。数日に限られたことならともかく、この休校に関しては「長期戦」が予想されるわけですから、なるべく「大人がつきっきりで見ていないと進まない」というような課題は避けたいところです。大人は多少の声掛けをするのみで、基本的には「子どもが1人で学習を進められる」課題を設定したほうが良いでしょう。

「進級(進学)したのに、復習ばっかりやっていていいの?」と不安に思う方もいるかもしれませんが、学年が終わった時点で、それまでの内容を完璧に身につけている子はほとんどいません。ですから復習は決して無駄ではありません。そして、前の学習内容がしっかり身についていればいるほど、新しい内容の理解も早くなりますから、新学年の学習にもしっかりつながっているのです。

 特にお勧めなのは、漢字と文章読解です。

 漢字は、子どもが1人で進められる範囲が広いですから、家庭学習しやすい分野です。まずは前年度までに習った漢字を一通り総復習してみると良いでしょう。

 文章読解は「完璧に読めるようにする」というよりも「活字に触れる時間を作る」ことが大きな目的です。子どもにもよりますが、趣味で読書をする習慣が無い子どもの場合、学校の授業がなくなってしまうと活字に触れる時間が極端に減ってしまいかねません。活字に触れる時間があまりに短くなってしまうと、文を読むスピードが落ちたり、教科書を集中して読める時間が短くなったりなど、学校が再開してからその子にとって不利益につながる可能性もあります。ですから、休校中はある程度意識的に活字に触れるようにしておく方が良いでしょう。こちらも子どもが自力で進められる難易度が理想なので、場合によっては、3月までの学年にこだわらず少し低い学年のものを選ぶなど柔軟に考えることをお勧めします。

 もし「読解が苦手だけれど、学年をさかのぼるのはどうしても抵抗がある」という場合は、昨年度使用した教科書の視写はいかがでしょうか。もちろん読み返すだけでも活字に触れることは可能なのですが、既に学習済みの文章を「読み返してみよう」だと漠然としすぎるため、鉛筆を使う作業を入れると取り組みやすくなります。もしまだ書き込まれていないなら「昨年の教科書に全部読み仮名を書き込んでみよう」という作業でも良いでしょう。

 

 

◎新学年の学習を進めるなら

 

 もしかすると「もう復習は一通り終わった」というご家庭もあるかもしれません。また、「休校中に5月になるし、『今の学年の学習を進めておかなくていいのかな』と子どもが不安になっているので、安心させるためにも少し進めておきたい」というご家庭もあるかもしれませんね。それに、小学1年生の場合は復習といわれてもピンとこないでしょう。

 仮に新しい学年の内容を学習したいという場合は、教科書の通読と漢字の予習がお勧めです。

 教科書は、最初から順番に読む必要はありません。パラパラとページをめくって興味を持ったものや読みやすそうだと感じたものから読んでいけば良いでしょう。

 漢字は、未習の部分であっても子どもが自力で学習を進めやすい分野です。要所要所で大人の助言やチェックが必要になることもありますが、他の分野に比べればずっとやりやすい内容だといえるでしょう。使いやすそうな漢字ドリルを1冊買って取り組むのも良いですし、教科書の読み終わったページについて、「読み方を確認する」→「書けるようにする」という順番で学習していく方法もあります。

 

 

◎まとめると

 

・家庭でなるべくストレスなく学習するためには、「内容の大半を子どもが自力で進められる課題」を設定することが重要です。

 

・昨年度までに習った範囲の復習や、漢字の学習が比較的自習しやすくお勧めです。

 

・また、読書習慣があまり無い子どもの場合は、休校中に活字に触れる時間が極端に減る可能性があります。簡単なもので良いので読解問題に取り組んだり、教科書の文章を視写したりして、意識的に活字に触れる時間をつくるようにしましょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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