ひらがな学習のための小ネタ集②~ピカピカの一年生の教養58~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、「ピカピカの一年生の教養」というシリーズ名で、小学1年生の学校生活で必要な知識や技能について考える記事を書いています。
そして前回から、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介を始めました。今回はその2回目です。
※前回の記事はこちら↓
◎曲がり角で一時停止する練習を
以前のひらがな関連の記事で、ひらがなを書く練習は「あいうえお順」ではなく「く」「へ」のように、一画で直線を中心に書くことができるものから始めるのがお勧めだという話を書きました。
※ひらがな学習順の記事はこちら↓
ちなみにひらがなの「へ」はフォントによっては曲がり角が「角」ではなく丸みを帯びさせている場合もありますが、子どもがひらがなの練習をする際に無理に丸く書く必要はないと思います。きっちり「角」になっていても問題なく「へ」だとわかりますが、「曲がり角を丸くする」ことを意識しすぎるとかえって読めない字になってしまいますから。
↑ ※曖昧な曲線(右)よりは、
直線2本の組み合わせ(左)のほうが「へ」と読み取りやすい。
ここでの練習としては「丁寧に直線を書く」ことも大切ではあるのですが、「曲がり角で一時停止する」ことを意識することが重要なポイントです。
例えば「く」の場合、「途中で一回曲がる線を書く」のではなく、中間地点がどこかをしっかり意識して「左下がりの線をひく」→「中間地点に到着して停止」→「向きを変えて右下がりの線をひく」という手順で書くということになります。
こうすることの目的は、この「く」の文字自体をきれいに書けるようにするためというのもありますが、それだけではありません。それ以上に、文字を細かくパーツに分けて、それぞれのパーツごとにどのような形をしているか、どのあたりからどのあたりまでにどのパーツを書くべきかといったことを意識する練習をすることが大きな目的です。「く」や「へ」であれば深く考えなくても見本に近い形が書けるかもしれませんが、より複雑な文字を練習する際に、細かいパーツごとに特徴を捉えることが重要になります。
それで、実際の一時停止の練習をどうするかなのですが、まずは点を結んで字を書いてみると良いでしょう。
点はあらかじめ大人が書いておきます。そして「まずはここからここまで書いて、鉛筆を止めてね。紙からは話さないように気を付けて」と指で示しつつ声をかけ、実際にそこまでできたら「次はここまで線を書いてね」と指示を出していくわけです。何度か練習したら、子ども自身に点をうたせてみます。
◎直接結ぶ形に
点だけでは字形をうまくとらえられない場合は、点を通る順番がわかるように番号をつけるとよりわかりやすくなります。今回の「く」であれば、1番上にある書き出しの点に「①」、曲がり角となる真ん中の点に「②」、終点となる1番下の点に「③」となります。
この時、点に番号を添えるのではなく、点の代わりに「①」「②」「③」と書いてしまったほうがわかりやすくなるのでお勧めです。一般的な点つなぎでは点は点のまま示して隣に数字を添える形になっていることが多いのですが、頭の中での処理内容を考えた時、「まずは1を探して、その隣にある点をスタート地点にする」というよりも「まずは①をさがしてそこをスタート地点にする」というほうが、負荷が少なくなります。
◎まとめると
・まずは「へ」と「く」を練習してみましょう。直線のみで書ける字です。
・途中の曲がり角で一回止まって、向きを変えて進むのを意識することが重要です。
・予め「始点」「曲がり角となるポイント」「終点」を示しておき、それをつなぐ練習をすると「曲がり角までのパーツ」「曲がり角後のパーツ」と意識しやすくなります。慣れてきたらその点も子どもに書かせてみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。