ひらがな学習のための小ネタ集⑰~ピカピカの一年生の教養73~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。
※これまでの記事のまとめ↓
番外編を除くと、この記事で17回目になります。
今回は「い」を書く際のポイントについて考えていきましょう。
数回前に扱った、「少しだけ曲がる」「少しだけ斜め」を意識する字ですね。
◎「はね」の扱いについて
まずはざっくりとした形を考えてみましょう。2本の縦線が並んでいる形で、1画目には「はね」の部分がついているというところでしょうか。
1画目の最後の「はね」の向きには本来はっきりとした必然性があるはずです。
1画目の終わりから2画目の始点へ筆を動かす時の軌道を反映しているので、「右上にはねる」と考えるのではなく、その軌道を意識して書くことができれば自然な形の「はね」になります。
ただ、これは「ゆっくり丁寧に、1画ずつ形を意識して書く」時に説明されても、少しイメージしづらいことでしょう。どちらかといえば、書くことに慣れてサラサラっと書いた時の方が実感が湧く感覚です。
そのため、最初の練習の際には「2画目のスタート地点に向かって(つまり右上に)はねる」と簡単に説明するだけで、「運筆の流れとして自然かどうか」といったことについては、ひらがな全体を書きなれてきてから改めて見直してみることをお勧めします。
◎少しだけ斜め
縦線は少しだけ斜めになっていますね。筆を上から下に動かしながら、少しだけ右へと動かしています。重要なのは「2本の線の向きがだいたいそろっていること」です。
一言で表すなら「平行になるようにする」ということですね。
厳密には「若干傾き方が違う」ととらえる人もいるかと思うので「向きが『だいたい』そろっている」としました。いずれにせよ、ほぼ「平行にする」ことが重要になります。
「平行」という言葉は小学1年生には難しいですが、「同じ向き」といった言葉を使ったり、お箸や靴等で実際に2つを同時に斜めに傾かせて見せたりすると感覚をつかみやすくなります。
「どのくらい傾けるべきか」という点では「縦線というより横線に見える」というくらい極端な傾き方さえしなければ、「ほんの少し斜め」でも「結構斜め」でも「『い』に見えない」ということは、そうそうありません。
とりあえず「斜めにした方が良い」ということだけ覚えておいて、あとは本人がしっくりくる角度をゆっくり探すくらいでも良いでしょう。
仮に「どのくらい斜めにするの?」と聞かれた場合、どのように答えると良いかは「少しだけ斜め」の練習をした際の子どもの様子によって異なります。
「少しだけ斜め」の練習が上手くいっているなら「あの練習と同じように書く」といった表現が使えます。
もしも「少しだけ」斜めにするのが難しく、ほぼまっすぐになってしまっていた場合は、「い」の練習の際には「少しだけ」を付けず「斜め」と伝えてしまうくらいで良いでしょう。それで「これでは縦線というより横線」というくらいになってしまった場合のみ「少しだけ」をつけたします。
◎少しだけ曲がる
1画目2画目ともに、直線ではなく少しだけ外側へ膨らむように曲がってます。
この点については以前の記事でも触れた通り、このポイントは「できたら気を付ける」くらいのつもりで問題ありません。
※当該記事はこちら↓
直線で書いてしまっても読めない字にはならないですし、反対側(内側)へ曲がってしまうと非常に不自然な字形になってしまいます。「少しだけ曲がる」がピンとこないようでしたら、とりあえず直線で練習しておいて、感覚が掴めてきてから改めて見直すくらいで良いでしょう。
◎長さと始点
1画目と2画目の長さを比べてみると、2画目の方が短くなっていますね。
それほど長さに違いはないものの「2画目の方を短くする」というのは重要です。極端な話、2画目のほうを非常に長く書いてしまえば「り」と見分けがつきにくくなってしまいますし、「い」を「い」らしく書くのにわかりやすいポイントだといえるでしょう。
ただ、実際の字を見てみると、1画目と2画目でスタート地点の高さはほとんど変わりません。
どちらも同じ高さから書き始めて、2画目の方が1画目よりも高い位置で終わっているのです。
この点を意識すると、形が整いやすくなります。
仮にこの「長さ」「高さ」を意識せずに書くと、
↓このような感じになります。
特に一番左の字は、「傾き」を意識すると陥りやすい例です。スタート地点の高さを揃えることを意識すると、こうした例を避けることができるでしょう。
◎次回は「こ」です
今回は久しぶりに、具体的な文字について考えました。
次回は「い」と似た留意点のある「こ」を扱う予定です。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。