ひらがな学習のための小ネタ集㉓~ピカピカの一年生の教養79~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその23回目です。
※前回の記事はこちら↓
今回は「け」と「た」について考えます。
ひらがなの中では画数が多めで交差もありますが、比較的形がわかりやすい字です。以前に少しふれたとおり「交差の入門編」になるような字だといえるでしょう。
◎交差の練習
今回は2文字とも1画目と2画目による交差になります。
「む」や「す」のように1本の線が輪をつくって重なるような形にに比べるととらえやすい形です。
もしそれでも「交差」の感覚になじめていないようでしたら、まずは「✕」などの形から練習してみましょう。
以前の記事でも紹介した、このような形です↓。
また、「け」も「た」もほぼ直線から構成されているため、ペンや割り箸等棒状のものを使って、「た」や「け」に近い形を作って形をとらえるという方法もあります。(短い線はペンのキャップやクレヨンで対応できます。)
◎「け」の線の配置
前回の「に」と同様に、4分割したスペースの何処に何があるかをとらえやすい形になっていますね。
1画目は左半分のスペース(上の図ではピンクの部分)を使用します。2画目は右上(水色の部分)にほぼおさまり、3画目は右半分(水色と黄色の部分)に書くという形です。
◎「け」の線の形
3画とも「概ねまっすぐな線」ですが、それぞれに「完全な直線」ではない要素が少しずつありますね。
まず、1画目は中央が少しだけ外側へ曲がっています。また、ひらがな学習の見本では最後に「はね」があるのが一般的ですね。そして2画目は少しだけ右肩上がりの線です。
この2画の「微妙に曲がる」「微妙に上がる」に関しては、匙加減が難しいようであれば、とりあえず気にせず「まっすぐ」で良いと思われます。ただ1画目の最後に関して、「とにかく右上にはねておく」ことはおさえておきましょう。このあたりのポイントは、理由も含めて「に」の時と同じです。
3画目の縦線は、始点に比べて終点が左へ寄っています。線全体が斜めになっているというよりは、以前の「し」や「つ」などと同様に曲がっているのは一部分だけだと考えた方が良いでしょう。始点から横向きの補助線を超えるくらいまではほぼまっすぐ下へと線をひき、その後少し左へと寄っていくという形になります。見本では左へ寄りはじめたあたりから「はらい」に入りますが、この「はらい」の感覚も難しいようであれば無理に意識せず、まずは字全体の形を把握することを優先するのがお勧めです。
◎「た」の線の配置
まず、それぞれの線の配置ですが、今回は参考の文字を2種類用意しました。
普段このシリーズでよく使っているフォントは左側のものです。しかし線の配置に注目すると、国語の教科書で使われているフォントとかなり異なっていたため右側のフォントも用意しました。
左のフォントでは1画目の横線が左上のスペース(ピンクの部分)右上のスペース(黄色のスペース)に書かれています。ですが、実際の教科書のフォントを見てみると、右のフォントのように概ね右上のスペース(ピンク色)のみにおさまっています。上に上げられた2つの「た」よりも、教科書のフォントの方が、1画目の横線が短くなっているようです。(右の画像の「た」は1画目を無理やりピンクの範囲に収めるために全体を左に寄せています。)
それをふまえてまとめると
1画目は左上(ピンク)のスペース
2画目は左半分(ピンクと水色)のスペース
3画目は右上と右下(黄色と黄緑)のスペースの境界線上くらい
4画目は右下(黄緑)のスペース
だと意識しておくと、形をとらえやすくなるでしょう。
◎「た」の線の形
それぞれの線が微妙にしなっているように見えますが、これまでの字と同様、ちょうど良いしなり方をさせるためには「筆の運び」を意識しなくてはなりません。字全体の形を覚えて書くことに慣れるまでは、形の細部については「本来の方向と逆にならない」ことだけおさえておくのがお勧めです。
例えば1画目は少しだけ右上がりになっていますね。真横に線を引いてもそれほど違和感はありませんが、さすがに右下がりになると不自然な字になります。ですから「右下がりにならないように」だけ気を付けるというわけです。
◎まとめると
・「け」と「た」は交差のある字の中では形をとらえやすい字なので、交差を含む字の入門編としてお勧めです。もし「交差」自体に特に苦手意識がる場合は「✕」の練習から始めてみましょう。
・マスを4分割した中のどのスペースにどの線があるかがわかりやすい字なので、それを確認しながら書くと形が整いやすくなります。
・ある程度書き慣れるまでは、「少し右上がり」や「少し曲がる」といった細かい特徴については「右上がりのところを右下がりにしないようにする」「上側に曲がるところを下側に曲がらないようにする」というように、本来の特徴と逆にならないようにだけ気を付ければ、それほど不自然な字にはなりません。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。