ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

リズムを覚えて国語力アップ~ピカピカの一年生の教養⑭~

 こんにちは、ベル子です。

 小学一年生の生活にどんな知識や技能が必要なのかを考える、「ピカピカの一年生の教養」第14回です。

 

 今回は、リズム感が国語の学習に役に立つという話です。

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◎リズムで考えた方がわかりやすいこともある

 

 突然ですが、指で机を軽く叩いてみてください。

 

 回数は13回です。マウスで左クリックをするような要領で、12回にも14回にもならないようにお願いします。

 

 おそらく、特に難しくはないですよね。「いち、に、さん、し…」と数えていけば、間違えずにできると思います。

 

 では、なるべく速く、短い時間に13回叩いてみてください。どのくらい速く叩けますか。

 

 スピードアップしていくと指がつらくなってくるかもしれませんが、それ以上に数える方が追いつかなくなってくるのではないでしょうか。声に出して数えるよりは心の中で数える方が速くできると思いますが、それでもそうそう速くはできないですよね。

 

 それでは、今度は数えるのではなく、次のリズム通りに叩いてみてください。

 

「タタタタ タタタタ タタタタ タン」でお願いします。

 

 できたらスピードアップして、なるべく速く叩くようにしてください。

 

 どうですか。先ほど13回数えていた時より、速く叩けたのではないでしょうか。実際に叩いた回数は先ほどと同じ13回で、変わらないはずなのですが。

 

 決められた数を正しく数えるのに、具体的な数で考えるより、リズムでとらえた方が効率的で簡単な場合があるのです。

 


◎一年生国語科でのリズム感


 ひらがなを習いたての時期は、単語の文字数に関わる問題が頻出します。

 

 例えば、絵で描かれているものの名前を、用意されたマスに書き込むと問題があります。

 マス目の数によって字数が指定されているわけですが、出題されるのはほとんど2字~5字くらいまでの言葉です。

 

 言葉をリズムでとらえられていると、マス目で「4文字の言葉だな」と分かった時点で、4文字(4音)の言葉のリズムが浮かびます。そして、その後答えの候補になる単語が頭に浮かんだ際に、そのリズムと同じかどうかを即時に判断することができるのです。

 その感覚が身についていない場合、候補の単語が浮かぶ度に字数を数えて確認しなければならなくなるので、リズムで判断できる子に比べて時間がかかります。

 

 言葉を文字や音だけでなくリズムでもとらえられていた方が、覚えやすく間違いに気づきやすいのです。


 50音を一通り覚えた後に、促音(「ねっこ」「しっぽ」などの「っ」で表す音)や拗音(「きゃべつ」「きゅうしょく」などのような、イ段に「ゃ、ゅ、ょ」を付けて表す音)を習います。

 

「ねこ」と「ねっこ」では発する音は変わりません。間に「何の音もない時間」が入るかどうかの違いです。

 リズムで判断すると休符が入るか入らないかの違いということになりますね。

 

 リズムと関係なく音だけでとらえるより、この「休符」の感覚があった方が、はるかに促音を理解しやすくなります。

 

 また、拗音の「2文字で1音分」とか「4音だけど6文字で書く」という感覚も、覚えるのが早いようです。

 

 このように、ひらがなで言葉を書く学習全般において、言葉をリズムでとらえる感覚が役に立ちます。

 

 また、ひらがなの学習から文の学習に移った後の、文を書き写す場面でも細かい表現を覚えやすいといえます。

 

 例えば、文末表現の「あります」と「ありました」では、リズムが違いますね。「あ」「り」「ま」「し」「た」と一文字ずつ覚えるよりも、「タタタタタン」というリズムだったはずという記憶があった方が間違えづらくなるのです。
 

 

◎リズムに合わせて叩いてみましょう

 リズム感は一朝一夕でどうにかできるものではなく、特に何か練習をしなくても自然と身についている子がいる一方で、なかなか身につかない子もいるでしょう。

 

 それでも、練習をしておけばしておいたなりの意味はあると思いますので、余裕があれば音楽に合わせて手をたたく遊びを取り入れてみると良いと思います。

 

 まずは、歌いながら歌詞に合わせて手を叩いてみましょう。

 

 ドラえもんの「シャラララ…」の部分のように短い時間にたくさん叩かないといけない歌は大変だと思いますので、童謡などで短い音の無いものを選んで取り組むのが良いと思います。

 

 

 次に、伴奏といいますか一定のテンポでたたきながら歌う練習をしてみましょう。カラオケなどで合いの手でたたいているようなイメージです。

 

 先ほど書いた通り一朝一夕でどうにかなるものではないので、上手くできなかった場合も間違いを指摘せずに見本を示す程度にとどめておいた方が良いと思います。

 無理に身につけさせようとすると音楽自体が嫌いになってしまうかもしれません。楽しく続けることができれば、徐々に身についていくでしょう。

 

 また、可能であれば、各小節の一拍目だけ叩く練習にも挑戦してみてください。4拍子の音楽であれば「いち、に、さん、し、いち、に、さん、し…」の「いち」の時だけ叩く練習です。この感覚が身についていると、国語に限らずいろいろな場面で役に立ちます。  

 

◎まとめると

 

 ・リズムでとらえることで、言葉や文を覚えやすくなり、

 間違いに気づきやすくなります。
 

 ・遊びのつもりで、音楽に合わせて手をたたく練習をしておくと良いでしょう。

 

 最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

 

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