日常会話のタイプ別「感想の膨らませ方」(後編)~今日から始める読書感想文⑥~
こんにちは、ベル子です。
今回は「今日から始める読書感想文」シリーズの第6回目です。
前々回から、読書感想文の3つの要素「読書をする」「自分の感想を持つ」「文にまとめる」の2つ目の要素「自分の感想を持つ」の話題に入りました。
「日常生活で見聞きしたものについて、どうやって感想を広げていくか」前中後編に分けて、子どものタイプ別に対策を書いていきます。
前編と中編では、合わせて3つのタイプについて、感想の膨らませ方をご紹介しました。後編では、これまで紹介したタイプとも関連している4つ目のタイプについて考えてみましょう。
◎タイプ4「感想というより批評を語る子」
「批判」とか「否定」ということではなく、「批評」です。
本などで感動したときに「心を揺さぶられた」という表現を使うことがありますが、この場合は逆に「自分なりに内容を読み取ったけど、あまり心が揺さぶられている気がしない」状況です。
もしこの批評というのが、「人に親切にするといいことがあるという話なんだね」とか「これからの日本は心配だね」というような、これまでに他の人間が何度も言っているような一般論だとすると、前編の「知識の羅列が多い」タイプと近いかもしれません。
↓第4回「感想の膨らませ方(前編)」はこちら
また、「同じようなことを言っている本や文章は他にも読んだことある?」とか「その話と今回読んだ本で、違うところはどこだろう」と「共通点」や「相違点」を探し出したところで、「あなたはどっちの方が好き?」というように感情につなげていく方法もあります。
そのタイプとは別に、批評の内容が「ワンコインで買いやすいのが、この本がたくさん売れた理由なんじゃないかな」というような、本文とは直接関係のない意見が出てくる子もいます。
こういった視点を持つこともとても良いことだとは思いますが、感想文には書きづらいですよね。
他の感想を促してもなかなか出てこないようであれば、中編でご紹介したタイプ3の「本質から離れた感想」に近いと言えるでしょう。
↓第5回「感想の膨らませ方(中編)」はこちら
感想を膨らませるというよりも、まずは内容をより深く読み込む練習をした方が良いということですね。
では、本をしっかり読みこんだうえで独自の視点を持って分析している批評であったらどうでしょうか。
内容を読み取り自分の意見を持つことはできているけれど、あまり感想文らしくない文章になりそうなので、「感想文を書く」となるとなかなか書き進められないかもしれません。
その場合は、題材の本を選ぶ際に工夫をすれば、感想文らしい作文を書くこともできるようになると思います。
もともと何かについて考察するような本を選んで、賛同する箇所と反論する箇所をまとめ、なぜそう思うかの根拠を書いていくのです。本と真正面から向き合った内容になりますから、「感想文」と呼んでも違和感のないものを仕上げることができるでしょう。
今の時点では、 自分の意見について相手を納得させられるように話す練習をしておくと良いのではないかと思います。
読書と離れて、「買ってほしいものがある」という時に、なぜそれが欲しいのか、それを買うとどのような良いことがあるのかをプレゼンさせてみるのも効果があるでしょう。
◎「日常会話の内容」別に分けて考えてきましたが
ここまで3回にわたり、日常会話の中での発言の内容を4つのタイプに分けて考えてきました。
完全に一致するタイプはないかもしれませんが、近いものを探すと、感想を膨らませるヒントになるのではないかと思います。
ただ、この3回で全く触れられていないタイプもありますね。
「感想文は浮かばなくても、ドラマや漫画、自分の好きなものについて話す子は多い」ということで書いてきましたが、自分の好きなものについてであったとしても、必ずしもあれこれ話すとは限らないですよね。
自分の感じたこと、考えたことを、常にあまり話さない子もいます。
そのため、次回は「そもそも普段からあまり話さない」タイプの子について、感想の膨らませ方を考えていきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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