ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ひらがな学習のための小ネタ集③~ピカピカの一年生の教養59~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 

 現在当ブログでは毎週金曜日に、ひらがなを書く練習をする時に覚えておくと役に立つ、ちょっとしたコツの紹介をしています。今回はその3回目です。

 

※前回の記事はこちら↓

 

kikyouken.hatenablog.com

 

 

◎「位置」「方向」の理解状況の確認を

 

 前回「く」や「へ」の練習が話題になった際、「右下がり」とか「左下がり」といった表現を使いました。実際に子どもに話す際にはあまり使わない表現ではあるのですが、字の書き方を説明する際にはやはり「上」「下」「右」「左」さらには「ななめ」といった、位置や方向を表す表現を使用する機会がどうしてもたくさん出てきます。

 文字の練習の際には、言葉だけではなく見本の文字を見ながら話を聞くことになりますから、「右」がどちらかの判断がまだあまりできない子どもでも、なんとなく話についていけることが少なくありません。そして、そうした「(話の流れから)こっちが右なんだろう」と感じる経験を繰り返すことで、子どもの中の左右の概念自体が強化されるという面もあります。

 ですから「ひらがなの練習を始める前には、何が何でも『どちらが右でどちらが左か』が理解できていないといけない」ということはありません。ただ、やはりそれを理解できているかどうかというのは、字の書き方に関する説明の理解の度合いにも大きく関わってきますから、「『右のほう』とか『上の方』とか言われたときに、その子がどのくらい理解できるのか」ということを把握しておいた方が良いでしょう。「この子は、まだ『左から右だよ』といわれても瞬時に理解できる段階ではないんだな」と大人の側がわかっていれば、視覚的な働きかけを多く扱うなどの配慮もできます。

 

 

 ◎時には「黒板の向き」を意識した学習を

 

 ところで、以前の記事でも書いたことがあるのですが、1年生がプリント学習を始める際に、「左右」の理解よりも厄介だと思われるのが「上下」の理解です。

 

※こちらの記事で詳しく書きました↓ 

kikyouken.hatenablog.com

 

 何の予備情報もない場合、「うえ」と聞けば天井の方向を、「した」と聞けば床や地面の方向をイメージする人が多いのではないかと思います。でも、プリント等で文字を練習する際に「上から下へ線をひく」という場合、多くは「自分にとって遠い部分から自分に近い方向へ線をひく」ことを表しています。「うえ」「した」という言葉は小学1年生くらいの子どもにとって既に知っている馴染みのある言葉ですが、まだ机上での学習等に慣れていない段階だとこのプリント上の「うえ」と「した」という表現を聞いても、瞬時に何を表しているのかイメージできない場合もあります。

 一般に学校等の一斉授業では、子ども達は先生が黒板に文字を書いている姿を見ています。またクラスによっては、ひらがなの授業の中に、子ども達が指を使って一斉に空中に学習中の字を書く機会を設けていることもあるようです。その場合天井方向が「うえ」で床方向が「した」ということになりますね。それ経験を日常的に繰り返していれば、文字のどちら側が「うえ」と言われているか覚えられます。

 現在休校中で一斉授業が無い状況では、ひらがなの学習自体はプリントで進められても「黒板の文字を見る」という機会はなかなかありません。もしも家庭学習中の子どもが、プリントでの「うえ」「した」がなかなかイメージできない場合は、学校の先生が黒板を利用している時と同じように文字の上下と実際の上下を合わせる時間をとってみるのがお勧めです。壁に文字を貼って指でなぞったりホワイトボードを黒板のように利用したりするなどの方法があります。

 

 

◎まとめると

 

・文字の書き方を説明する際には、「上下」や「左右」、「斜め」等の表現をたくさん使います。そうした表現を、現在子どもがどのくらい理解しているかを把握しておくと、より伝わりやすい表現での声掛けができます。

 

・プリントにおける「うえ」「した」の感覚がなかなか身につかない場合は、先生が学校で黒板を使うのと同様に、文字の「上下」と実際の「上下(天井側が上、床側が下)」と合致した状態で文字を学ぶ時間をつくることをお勧めします。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

f:id:kikyouken:20200501192048p:plain