書いた文を見直す(初級編)~今日から始める読書感想文㊲~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
「今日から始める読書感想文」では、前回まで「文の骨組みを考える」方法について考えていきました。
※前回の記事はこちら↓
双括構成やその前に紹介した頭括構成については、あまり作文を書きなれていない子どもには少し難しい要素もあったと思いますが、一方で慣れてくると形にしやすい骨組みでもあります。
題材にする本によっても相性の良い構成が変わりますので、自分に合うもの・その本に合うものを、いろいろ試して探ってみてください。
さて、このようにして骨組みを考えてそれを元に文章を一通り書くことができたとします。
その後することになるのが、より良い文になるように考え直す「推敲」や文章の誤りをチェックする「校正」ですね。
骨組みの回でも何度となく書いてきた通り「いきなり原稿用紙に書かず、まずはメモを書き出していく方が良い」と考えると、骨組みを考える時点でも推敲はそれなりにしているとは思います。
でも、やはり一通り書いた後にもう一度見直すことは必要でしょう。
文としての体裁を整えるためでもありますし、より良い・読みやすい文にしていくためでもあります。
一般的には「推敲」→「校正」の順に進めていくものですが、今回は「校正」について、初歩的な見直しのポイントを考えていきます。
①誤字・脱字
漢字をや送り仮名を正しく書けているかなど、自信のない部分は辞書で調べながら見直しましょう。
送り仮名などは、正しく覚えていても書き間違えることもありますので、一つずつ丁寧に確かめます。
また、ひらがなでの記述が長く続く部分では、書き間違いがあっても思い込みで見落としてしまいやすいので、一文字一文字指でさしながら声に出して読むと良いでしょう。
作文に慣れていないうちは、句読点をうっかり間違えることが少なくありません。句点(文の最後の「。」)と読点(文の途中の「、」)を書き間違えていないかという観点でも、一通り見直すとミスを見つけやすくなります。
②原稿用紙の使い方
作文では「段落ごとに改行して、段落の最初は一マスあけて書き出す」とか、「句読点とかぎかっこ(「 」)は一つのマスに二つ書かない」などのルールがありますね。
そういったルールをしっかり守れているか見直します。
また、かぎかっこは二つで一組になりますから、「片方だけ書いてもう片方が無い」といったことが起こっていないかにも注意を払いましょう。
③常体か敬体か
文末の書き方には「~だ」「~である」「~だった」「~~だろう」のような「常体」と、「です」「~します」「~でした」「~でしょう」などの「敬体」に大きくわかれます。
学年が上がってくると常体で書くことを推奨されることが多くなってきますが、とりあえず文章としてはどちらか一方に統一されていれば問題ありません。
どちらの文体で書くかをはっきり決め、最初から最後までその形で書かれているのかを見直しましょう。
もちろん文中からの引用した文章表現については、他の表現に無理やり合わせる必要はありません。例えば、敬体で書いている感想文で、主人公の常体のセリフを引用する場合でも、その常体のセリフをわざわざ敬体にかえなくて良いということですね。
④その他の統一性
「常体と敬体」以外の部分でも、文中の表記が統一されるように気を付けます。
まず、一人称として「わたし」「私」「ぼく」「僕」などが考えらえますが、一度「わたし」で書き出したら、途中で「私」や「ぼく」にならないように「わたし」で統一しましょう。
この他、同じ言葉が何度も出てくるときには書き方に統一感を持たせるようにします。例えば「思う」や「思いました」などは感想文でよく使われる言葉ですが、「思う」を「おもう」とひらがなで書いたなら、「思いました」も「おもいました」とひらがなで書くように気を付ける必要があるのです。
もちろんこれらも、「引用して書いた部分」など他の部分と表記が変わる理由がしっかりある場合には、あえて別の表現を使うことも問題ありません。
◎次回は「文法的な観点」の見直しを中心に考えます
今回はいわゆる「誤字脱字」と「表記ゆれ」の見直しについて書きました。
正直なところ、私自身も当ブログであれこれ見落とすことがあり、お恥ずかしい限りです。気づいた時点でその都度修正するようにはしているのですが。
自分の文章のミスは、自身ではなかなか発見しづらいので、他者に見てもらうというのも一つの方法ではあります。でも、子どもの作文としては、その時書いている一本をより良くすること以上に文章の理解を深めてることの方が重要でしょうから、他人が見直すにしてもそれに頼らず自分自身でしっかり見直す機会をつくったほうが良いでしょう。見直しを繰り返すことにより向上する文章スキルがあるのは間違いありません。
次回は「文法的な観点」での見直しを中心に考えていきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。