ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

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「結論を最初に書くべき」なのか否か~日曜日の雑談17~

 こんにちは、

ききょうけんのベル子です。

 

 突然ですが、皆さんは文章を書く時に

結論を最初に書きますか?最後に書きますか?

 

 ここのところ、読書感想文関連の記事で「文の骨組み」について書いていたのですが、

※「文の骨組み」初回記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

よく知られている文の骨組みとして、先に結論を書くタイプも結論を後にするタイプもあるので、両方紹介させていただきました。

 

 でも、ネット上で見かける「文章術」の記事では、「結論を先に書くべき!」というものが圧倒的に多いような気がします。

 このブログを始めようと思い立った時に、どうすればブログを立ち上げることができるのか、始める前に少し情報を集めました。その時ネットで見つけたサイトの中には「ブログの文章を書くコツ」が書かれているものがいくつもあったのですが、やはりほとんどが「まず簡潔に結論を書いて、それから理由や詳細をかいていきましょう」というものだったように思います。

 

 

 文章術として考えた場合、実際のところはどうなのでしょう。結論が先に書かれている方が良い文なのでしょうか。

 私自身は「文章の目的によるのでは」という気がするのです。

 

 

 

 確かにビジネスで誰かに送信するメールなどでは結論を最初に書いた方が良いかもしれません。

 

(結論)日程を変更してもらえませんか?

(理由)実は~~で、それで××で、だから〇〇で……

 

という話の持っていき方の方が

 

(理由)実は~~で、それで××で、だから〇〇で……

(結論)そんなわけで、日程を変更してもらえませんか?

 

というより良さそうです。

 

 

 でも、推理小説などで

 

(結論)犯人は〇〇です

 

から始まったら、その作品を楽しめなくなってしまうかもしれませんよね。

 

 一部のミステリーでは最初に犯人が明示され、「倒叙形式」とか「倒叙もの」とか呼ばれています。

 でも、基本的には「犯人は誰なのか」「最終的にどんな結末になるのか」をハラハラドキドキしながら読むようにできていますから「犯人は〇〇」とか「結末は〇〇」とか書いていない作品が多数派ですし、当然そういった作品の中に名作と呼ばれるものや人気作品がたくさんあります。

 

 

 また、子どもの学習教材などでは、いきなり結論を言わずにまず例題を出し、考える過程を書いてから答えを明記する形式のものはたくさんあります。

 いきなり事実を言ってしまうより、まずは「どう思う?」と投げかけてあれこれ考えさせた方が、学習するべき内容が身につくということでしょう。

 

 

 

 やはり、

良い文を書く=結論を最初に書く

とは、限らない気がするのです。

 

 

とにかく事実を伝えたいのか

文を読むこと自体を楽しませたいのか

内容を身につけさせたいのか

 

その目的によって、「良い文章」も変わって来るのではないでしょうか。

 

 

  では、ブログの目的は何かと考えると、そのブログによって違いますよね。さらに言えば、一つのブログ中でも、記事によって目的が変わることもあるでしょう。

 

 

「お勧めの〇〇紹介します」みたいな記事だったら、

 

(結論)お勧めは△△です!

(理由)この△△の良いところは~~

 

というように、結論を先に書いた方が良いのかもしれませんが、

 

「〇〇と△△、どっちが良いか試してみた」という記事なら

 

(具体例)〇〇は~~で、△△は……だった。

(結論)〇〇の方がお勧め。

 

と、結論が最後の方が読みやすい場合もあるでしょう。

 

 

 また、日常を綴るような場合は

 

(経緯)~~というできごとがあり、

(結論)実は〇〇でした。

 

と、オチを付ける場合もあれば

 

結論)今日はとても素敵なことがあった

(詳細)最初は不安だったけれど……

 

というように、最終的に良いニュースになるのか悪いニュースになるのかという結末部分を伝えた上で、読み手に自分自身のニーズに合った記事かを確認して読み進めるかどうか判断してもらう場合もあるでしょう。

 

 

 では、いろいろなところで見かける「結末を必ず最初に書くべき」と言う記事が間違っているかというと、そうではないとも思います。

 おそらく、そういった記事を書いている人には「想定している記事のタイプ」があるのでしょう。そして、その「タイプの記事であれば、結末を最初に書くべき」ということなのではないでしょうか。例えば、その人が書いている他の記事と同じような記事ならば、という隠れた条件付けがあったり。

 でも、その「想定している記事のタイプがどんなものか」という判断を読者の方に委ねている場合があり、その記事の、それこそ「結論」だけ読んでしまうと「文章の結論は常に最初に書くのが良い」ような印象を受けてしまうことがあるのかもしれません。

 

 結局は、「自分が相手に何を伝えたいか」「どう演出したいか」その内容や目的をしっかり把握したうえでその都度考えるしかないわけで、自分と直接関わりのない、自分のことを全く知らない人の記事から「これが正解」と結論づけることはできないのだろうと思います。

 

 

 そんなわけで、私自身も記事の書き方を試行錯誤しているところなのです。

 では結局この記事の結論は何だろうと考えると、「日曜日の雑談」記事なだけあって特に明確な結論はありませんが、強いてまとめるなら、

 

情報のあふれるご時世でマニュアルもたくさん見かけるけれど、

あまり振り回されないように、自分にとって必要なマニュアルかどうか取捨選択していきたいなと思っている

 

といったところでしょうか。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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