ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

身近なものの量を覚えよう~メートル法学習のお供に~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。

 

 今回は小ネタとして「身近なものさし」の紹介です。お気軽にお付き合いください。

  

f:id:kikyouken:20190620195745p:plain



 

メートル法って、ややこしい?

 

 算数・数学や理科で単位の計算や変換について習いますが、苦手意識のある子が多いようです。

 理由はいろいろと考えられますが、扱われる回数に比べて「体系的にまとめて考える機会が極端に少なく、その場しのぎの解き方になってしまう」というのも、その一つでしょう。

 学校で扱う単位の変換の多くは「メートル法」に関するものですが、その全体像をまとめる学習は高学年になって初めて扱われます。

 

 それに対し、最初にメートル法の単位が扱われるのは小学校2年生の算数です。

 この学年では長さの単位(メートル・センチメートル・ミリメートル)と「かさ」の単位(リットル・デシリットル・ミリリットル)が登場するのですが、長さで「センチ」を使う一方で「かさ」では「デシ」を使うというのが、話を更にややこしくしています。

 

 その後3年生で重さ(グラム・キログラム・トン)の単位や長い距離(キロメートル)について習う際にも、それぞれの個別の単位を覚えることが中心になってしまい、

 

「メートル」は長さ

「キロ・トン」は重さ

「リットル」はかさ

 

とか、

 

「デシ」がついたら十分の一

「センチ」がついたら百分の一

「ミリ」がついたら千分の一

「キロ」がついたら千倍

 

というように全体をまとめて考える機会は、あまりありません。

 

 それぞれを個別に覚えているので、少し時間がたつと「あれ?1センチって10ミリだっけ?100ミリだっけ?」と混乱する子も出てくるのですね。

 

 高学年になって初めて「全体をまとめて考えよう」ということになりますが、その時点で個別に暗記している知識の方に頼ってしまうことで「そもそもどういうルールに則って変換するのか」という考え方に切り替えづらくなってしまうことも。

 

f:id:kikyouken:20190620195424p:plain

 

 

◎「基準」を覚えておきましょう

 

 では、最初から「そもそものルール」をしっかり学んで覚えれば良いのでしょうか。

 

 子どもによってはそれが有効かもしれませんが、そうはいかない事情もあります。

 

 他の学習内容との兼ね合いもあり、長さの単位はある程度早い段階で学ぶ必要があるでしょう。それで現在、センチメートルなどの長さの単位は2年生で習うことになっているのですが、掛け算や割り算で10倍や100倍、10分の1の数を求める計算を学習するのは3年生です。1000倍や1000分の1の計算ともなれば更に上の学年になりますから、2年生で詳しく学習するのはちょっと難しいと考えられ、現在のような扱いになっているのでしょうね。

 

 そういった事情を考えると、単位の学び初めではどうしても「暗記」に頼る部分が生じてくるのは仕方のないことなのでしょう。

 ただ、そこで完全な「暗記」にはならないようにするために、お勧めしたいことがあります。

 それは「生活の中で、自分の身近なものの長さ・かさ・重さを覚えておく」ということです。

 

「これは大体これくらい」という基準になるものを覚えておいて、それを元に考えることで、「あれ?1センチって10ミリだっけ?100ミリだっけ?」というような時に正しい方を判断するヒントになります。そして、そもそもメートル法自体が「基準となるものにたいしてどのくらいか」という考え方をしているので、その練習にもなるでしょう。

 

 

 ◎まず最初に覚えておきたいもの

 

「1円玉は1グラム」など、よく紹介されるものもありますが、そうした「〇〇が約1グラム」「〇〇が約1メートル」というような「1単位あたりに近いもの」については後日あらためて、まとめて紹介する記事を書きたいと思います。

 

 その前にまず、大まかな単位の大きさをつかむために覚えておきたいのは、「飲み物」と「自分のサイズ」です。

 

 

<飲み物について>

 

 お店で販売されている飲み物で多いのは「2リットル」「1リットル」「500ミリリットル」「350ミリリットル」「200ミリリットル」あたりでしょう。

 

 ミネラルウォーターが入っている大きなサイズのペットボトルは、大抵2リットル(2000ミリリットル)サイズで、重さにすると約2キログラム(=2000グラム)です。

 また、この2リットルペットボトルの長さ(一番長いところ)を測ると、約30センチメートルです。

 まずはこれを覚えましょう。

 

 この他に、 

給食で飲む牛乳は200ミリリットル。

その牛乳5人分で1000ミリリットル=1リットル。

これはスーパーで売っているパック牛乳と同じ量で、重さは約1キログラム=1000グラム。

一人用サイズのペットボトルは500ミリリットルが多く、これは1リットル牛乳パックの半分。

 

といった関係を覚えながら感覚をつかみます。牛乳は水に比べて多少重くなりますが

「だいたい」と考えるとそこまでずれてはいません。ただ「本来の基準は水」ということにも時々触れておくと、高学年以降の学習もスムーズです。

 また、実際には多少サイズの異なるものもありますから、実際に「内容量」の表記などを確かめながら考えると良いでしょう。

 その際に「1リットルって書いてあったね、じゃあ何グラムくらいだと思う?」と容量と重さを関連させて考えるよう声をかけると理解を深めることができます。

 

 

<自分のサイズについて>

 

 時間がたつと変化してしまいますが、

 

〇月の時点で身長××センチメートル、体重△△キログラム

 

というふうに覚えておくようにしましょう。

 

 この際、

 

身長は「135センチメートルで、1メートル35センチメートル」

 

というふうに二通りの言い方を覚えるようにします。

 

 体重は「30キログラムで30000グラム」では少しわかりづらいので、こちらはキログラムのみで良いでしょう。かわりに、

 

出生時の体重は3200グラムで3キログラム200グラムだった

 

というふうに二通り覚えるのがお勧めです。

 

 この他、身体の一部分のサイズを測り、センチメートル単位とミリメートル単位の両方で覚えるようにすると、センチとミリの変換も対応しやすくなります。

 例えば、足のサイズなどは靴を買う時に必要なので話題に出ますよね。

 

 こちらは一般的にセンチメートルで覚えますが、

 

靴のサイズは20センチメートルで200ミリメートル

 

など、ミリメートルでも考えとおくというわけです。

 

 

 ◎まとめると

 

・単位を最初に学習する際には、それぞれの単位ごとの関係を個別に覚えるので、全体像を把握するのが難しい場合があります。

 

・基準となる身近な量を覚えて、それと比較して考えるのがお勧めです。

 

・まずは市販の飲み物のサイズと自分の身体のサイズを覚えてみましょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。