ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

漫画の読書感想文はあり?なし?~書いてみよう読書感想文①~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」研究員のベル子です。

 

 新年度が始まってバタバタしているうちに、あっという間に夏ですね。

 

 今週からは火曜日と金曜日に「書いてみよう読書感想文」の記事を更新していきたいと思います。 

 これまで書いてきた「今日から始める読書感想文」が夏休みに備えてできることがテーマだったのにのに対し、今回からは「実際に書いてみよう」という実践編です。

 

 まず第1回のテーマは「要項のチェック」です。

 

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◎趣旨をはっきりさせましょう

 

「読書感想文を1本書いてくる」という課題は、多くの地域・多くの学校で夏休みの宿題として出されているようです。

 毎年この時期になると「とにかく感想文を書かなくては」「何を書けば良いのだろう」と悩む子どもはたくさんいます。そして、その相談に乗って一緒に悩む大人たちも。

 

 でも一度考えてみてください。これから感想文に挑む子どもたちは「どんな宿題なのか」しっかり把握できていますか?

 

 本来、どんな宿題にもルールがありますよね。「今日の宿題は計算ドリル」という時も「何ページをやるか」「ドリルに書き込むのか、ノートに写してやるのか」「授業の復習のためなのか、明日のテストに備えるためなのか」といったことが決められているはずです。

 

 一言で「読書感想文」といっても、「何をもって『読書』とするのか」「感想文を書いてどうするのか」がわからなくては、適切に課題をこなすことはできません。

 

 

 この記事のタイトルにもなっていますが、漫画の感想文でも良いのでしょうか?

 

 この課題の「読書」の定義を考えてみると、疑問はいろいろ出てきます。

 

新しく読まずに、前に読んだ本の感想でも良い?

一冊の短編集の中の、短編一編でも良い?

この間見たドラマの原作本でも良い?

 

 

 提出した作文のその先についても、

 

書いて提出したらそれっきり?

宿題はあくまでも「たたき台」で休み明けに仕上げるための準備?

夏休みに書いた作文をもとに、みんなの前で発表する?

 

など、いろいろ考えられます。

 中学生だと、学校によっては「この学期の国語の評価に大きく影響する」という場合も。

 

「読書感想文って、どう書けば良いんだろう」と途方に暮れる前に、まず「どういう趣旨の宿題なのか」把握することを考えましょう。

 

 

◎「コンクール」であり「宿題」でもある

 

 この宿題の趣旨を知るために、まず知っておく必要があるのが、全国コンクールの存在です。

 読書感想文に関しては全国コンクールが毎年開催されていて、課題図書も指定されています。(課題図書以外の自由読書の部門もありますが。)

 

 このコンクールは「在籍校を通じて応募する」ということになっているので、まずは学校に提出するのがルールです。

 

校内での審査

市町村での審査

都道府県での審査

 

と代表作品を絞り込んでいき、都道府県でのコンクールで選ばれた作品が全国コンクールで審査されるという流れになっています。

 

 学校で宿題として出されている「読書感想文」ですが、このコンクールの校内選考のための作品募集でもあるのですね。

 おそらく、前述の課題図書の紹介もされているでしょう。学校独自の課題として、完全に独立した宿題を出されているわけではないのです。

 

 夏休みに入る前に、この全国コンクールのチラシを子ども全員に配る学校もあります。まずはそれにしっかり目を通しましょう。そうすれば趣旨が見えてきます。

 

 

 また、チラシが手元に無かったりチラシの内容だけではわからない場合は、下に公式サイトのリンクを貼りましたので是非チェックしてみてください。

 

読書感想文全国コンクール公式サイト

http://www.dokusyokansoubun.jp/index.html

 

応募要項や詳しいQ&Aがインターネット上で公開されていて、多くの疑問が解決できます。

 

 ちなみに、この記事のタイトル「漫画の感想文はあり?なし?」という疑問ついては、Q&Aを見る限り「雑誌ではなく単行本であれば可」ということのようです。そして反対に「漫画でなくても日本語以外で書かれた本は不可」ということもわかります。

 

 

 では「漫画の感想文は絶対大丈夫で、洋書は絶対だめなのか」というと、必ずしもそうとは言い切れません。

 というのは、子どもたちに宿題を出している学校の立場としては、「校内選考の作品を集める」という目的のためだけに読書感想文を課しているとは限らないからです。

 確かに宿題として集められた作文から代表作品を選びます。でも、単純にそれぞれの生徒への課題として書くように言っていることがほとんどでしょう。

 

コンクールの応募作品として」という以上に、「学校から課された宿題」として、求められた条件を満たす必要があります。

 

 夏休みのしおりや学年便りなどに、「学校の宿題としての読書感想文」のルールが書かれていると思うので、それを確認しましょう。学校によっては「漫画は不可」と明記されていたり、「このリストの中から1冊読んで書く」というように図書を限定している場合もあります。いくら全国コンクールで「良い」とされているものでも、学校で設定したルールに従わなければならないのですね。

 また、帰国子女や外国籍の生徒で日本語の本を読むのが難しい場合、相談すれば洋書でも良いと認めてくれる学校もたくさんあると思います。コンクールの代表選考からは外れてしまいますが、宿題としては評価してもらえるでしょう。

 

 

◎まとめると

 

・宿題の趣旨を理解するために、応募要項を確認しましょう。

 

・コンクールの要項を参考にしつつ、原則は学校のルールの方に従います。

 

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。