娯楽の「コスパ」は難しい~日曜日の雑談21~
こんにちは、
ききょうけんのベル子です。
日曜日は雑談記事を書いています。お気軽にお付き合いください。
突然ですが、皆さんは「テレビゲーム」や「ゲームアプリ」と呼ばれるような、いわゆる「コンピュータゲーム」で遊ぶことはありますか。
私は、子どものころからそれなりに遊んでいます。
小学生~高校生くらいまでは主に「テレビゲーム」だっのですが、大学に入ってからは携帯ゲーム機のゲームソフトやパソコン用のフリーゲームなどをやってきました。
コンピュータゲームには賛否ありますし、もしかすると「否」の意見の方が強いかもしれませんが、私自身は仕事でも少し役に立っているので、やってきて良かったかなと思っています。
仕事柄いろいろなタイプの子どもと接しますが、やはりコンピュータゲームが好きな子はいます。私の方からゲームの話をふることはありませんが、子どもの方からゲームの話題を切り出されることはありますから、そういった時に「自分のゲーム経験が役に立ったな」と感じることがあるのです。
実際には「ゲーム経験」というほど大層なものではなく、私はそれほどたくさんのゲームを知っているわけではありません。
私は以前の記事で、「1時間の刑事ドラマを見るのに4時間かけることがある」という話を書きましたが、ゲームのプレイスタイルに関しても似たようなところがあります。
気に入ったゲームを1本買ったら、それをマイペースにちびちびと何ヶ月もやりこんだりしているため、トータルでゲームにかけた時間はそれ相応に長いと思うのですが、いろいろとゲームに詳しいかと考えるとイマイチだという状況なのです。
でも、ゲームで遊ぶのにも「ゲーム教養」といいますか、土台となる基礎知識や概念のようなものはあり、それを身につけていると知らないゲームソフトの話などにも、かなりついていくことができます。
最近はインターネット上で遊ぶオンラインゲームも多く、コンピュータゲームがきっかけで現実の人間関係のトラブルに発展してしまったというニュースも頻繁に耳にするようになりました。子どもの保護者からゲーム関連のトラブルの相談をされることもありますが、やはりご自身がゲームをしていない大人だと、「何がどうしてどうトラブルになったのか」さっぱりピンとこないようです。そうした保護者の皆様にポイントだけ絞って伝えるのが、私の仕事になることもあります。
「だから大人もゲームをやっておくべき」というつもりは全くありません。それぞれの人がそれぞれ詳しいジャンルとそうでないジャンルがあるわけで、全てを網羅する必要はないですよね。勉強やスポーツだって家庭外の詳しい人に頼れば良いのですから、ゲームならなおさらだと思います。
ただ、上記のような理由から「大人になってもゲームしているなんて」と考える必要もないと思っています。他の娯楽と同じように、余暇時間にゲームをしたいと思ったら、私はゲームをします。
さて、そんな私ですが先日久しぶりに「これは買ってじっくり遊びたいな」と思うソフトを見つけました。でも、実際に買うかどうかはかなり迷いました。
今までやったことのないジャンルなので、新たな知識が身に付いて仕事に役立つこともありそうなのですが、それはあくまでも副次的なものです。自分の趣味の買い物としてどうなのか。
携帯ゲーム機用のソフトで、お値段は数千円です。購入したら、おそらく1年単位で遊ぶと思います。トータルのプレイ時間は100時間を超えるでしょう。
「このソフトは、金銭面は良いとして、時間的な損失が大きすぎるかもしれない」
そんな考えが浮かんだのです。次の瞬間なんだか自分で自分の思考を不思議に思いました。
「余暇は楽しければ良いはず。時間的な損失なんて概念があるのか」と。
「コストパフォーマンス」ということで考えれば、数千円で100時間以上楽しめるというのは、かなりコスパの良い商品だと思います。映画鑑賞なら、同じ金額を10分の1以下の時間で使い切ってしまうでしょう。でも、「早く終わるぶん映画好きの人の方がゲーム好きの人よりもお得なんだろうか?」というような、よくわからない考えが浮かびました。「2時間で満足できる」と考えればそうですが、別にゲームだって30分でも2時間でも満足はできています。「100時間やりきらないと満足できない」という類のゲームではないので。
映画とゲームのどちらが良いかというのは好みの問題ですから、少なくとも私にとっては「1本で映画の数十倍の時間、映画を見ているよりも楽しい時間が過ごせる」ゲームの方がお得なはずなのです。「コスパ」は良いはずです。
でも迷いました。
結論としては、ゲームは購入しました。
「時間的損失」というのは、結局のところ「余暇時間以外の時間の損失」について不安に感じていたのです。
本来「他の必要なことをする」ための時間を、ゲームに取られてしまうかもしれないと。
昨年もソフトを1本買ったのですが、それは、ちょっと頭を休めたい時に5~10分遊ぶのちょうど良く、良い気分転換の手段になりました。今もリラックスしたい時間にいじったりしています。でも、今回欲しいと思ったソフトは30分単位で時間を取らないと遊びづらいため、時間調整が難しそうな気がしたのですね。
時間のコントロールができるようにゲームに触る時間を考えてから、購入を決めました。現在は一週間の仕事が終わった夜に、テレビを横目に遊ぶのが週末の楽しみになっています。
以前に比べて「コスパ」という言葉を良く耳にするようになりましたが、「利益」という尺度のあるビジネスの場などに比べると、個人の満足度などが絡む領域では判断が難しいですね。
食べ物で考えると、「同じ量・同じ値段でだったらローカロリーの方が良い」という風潮で作られている広告が多いですが、「コスパ」で考えると同じ量・同じ値段でたくさんのエネルギーが摂取できたほうが好ましいはずです。でも熱量以外の栄養分に差がないとしたら、カロリーの低い方が「ヘルシー」だと言われます。
実際どちらが健康的なのかは、その人が何を必要としているかによって違ってくるので、コスパで考えてもしかたがないのでしょう。
食に関しては「食べ物の味や、食べるということそのものを楽しむ」という目的もありますし「生命維持のための栄養を摂取する」という目的もありますから、自分が今どちらの目的で食べているのかがわかっていれば、判断に困ることはないのかなと思います。
今回の私のゲーム購入の話も、本来趣味でやるだけのもののはずが、「他のことをやるべき時間」や「仕事で活用できる可能性」などが関連してくることで、なんだかややこしくなってしまいました。
「趣味と実益を兼ねる」という言葉もあり、実際に趣味が仕事に役に立つことは、これまでにたくさんありました。でも、ただ楽しめれば良いはずの時間に「時間の無駄」とか考えずにすむよう、「趣味」と「実益」、「オン」と「オフ」の区別はしっかりつけて考えた方がいいかもしれないなと感じる出来事でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
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