足し算するゲーム「O'NO 99」の話~30年前のカードゲーム~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
今日は私が子どもの頃に遊んだカードゲームを紹介します。
このゲームは、残念ながら現在日本では販売されていないようです。
でも、子ども達の計算スキルを把握するのにちょうど良いので、私は今でもトランプを代用して、あれこれアレンジしたルールで今でも遊んでいます。
※今回のゲームの説明でも、いらすとやさんのトランプの画像を代用させていただきました。
◎ゲーム「O'NO 99」とは
Wikipediaによると、アメリカで1987年に発売されたゲームだそうです。
その当時家族が購入したUNOの箱の中に、いろいろなカードゲームのチラシが同封されていました。そのチラシでこのゲームを知った私は、数年後に1000円くらいで購入たと記憶しています。
そもそものネーミングからして、おそらく「UNO」をもじっているのでしょう。「オーノーナインティナイン」というのが正式な呼び方のようですが、「ウノ」に対してこちらは「オノ」と呼ばれていました。
ちょっとアマゾンで調べてみたところ、一応いくつか取り扱いがあったので、参考としてリンクを貼っておきます。お値段が桁違いになっていますが、一応今でも購入はできるのですね。
カードとチップで1セットです。
チップはゲームの勝敗数をカウントするためのもので、ゲーム自体はカードだけでも成立しますので、この記事でもカードの使い方のみを紹介したいと思います。
◎基本のルール
2~8名のプレイヤーが順番に手持ちのカードを場に置いていき、敗者1人を決めるゲームです。
カードは全部で54枚あります。
まず、基本の数字カードが9種類。
2~9と書かれたカードがそれぞれ3枚ずつ、10と書かれたカードは10枚あったそうですが、とりあえずルールを理解するうえでは細かい枚数を覚えておく必要はありません。おおよその枚数をイメージしてください。
数字のカードとしては、このほかに一種類だけ色の異なる「マイナス10カード」が4枚と
ババ(ジョーカー)のようなイメージの、「O′NO 99カード」が4枚ありました。
「ババのようなカードが4枚もある」ということだけは覚えておいてください。
数字のカード以外には、3種類の役カードが数枚ずつあります。
役カードというのはウノでいうスキップやリバースのカードのことですが、役の種類はウノとは少し異なります。どんな役があるかは後述します。
以上のカードを全てまとめてシャッフルし、各プレイヤーに4枚ずつ配り、残りのカードを山札として中央に置いたらゲームスタートです。
以下の図は、プレイヤー2名で遊んでいるイメージで作成しました。
お互いに手持ちのカードが見えないように持ちます。
プレイヤーは、自分の手持ちのカードから一枚を捨てた後、山札から一枚とって自分の手持ちのカードにします。
その時、場に捨てられたカードの数を言わなくてはいけません。
4を捨てて2をひきました。捨てる時に「4」と言います。
手持ちのカードは常に4枚になりますね。
プレイヤーは順番に手持ちのカードから一枚捨てて山札から一枚ひくのを繰り返します。
ただし、カードを捨てる際に言う数字は、自分がその時捨てるカードの数ではなく、その時点で場に捨てられたカードの数の合計です。
相手が10のカードを捨てて、山札を一枚ひいたとしましょう。
相手はカードを捨てる時に「14」と言います。もともとあった4に自分が捨てた10を足した数です。
次に7を出すなら、合計値は14に7を足した21になりますね。
マイナス10カードはその名の通り、それまでの合計値から10を引くカードです。
このようにカードの数を足しながら、順番にカードを捨てていくのですが、合計値が99以上にならないようにカードを捨てなくてはなりません。
手持ちのカードは4枚と限られていますから、ゲームを進めるうちに「どのカードを出しても99以上になってしまう」という状況で自分の番が回って来ることがあります。
その時はどれか一枚を出して「負け」が決まります。
99(か、それ以上)になって「オーノー」というわけですね。
◎特殊なカードの役割
序盤はたいていのカードを出すことができますが、ただ一種類、ババにあたる「O′NO 99カード」は出すことができません。
「O′NO 99カード」一枚で合計値が99増えますので、いつ出しても99を超えてしまうというわけです。実質、手持ちのカードが4枚から1枚減って3枚になってしまうのと変わらないといえますね。
このカードが全体の中に4枚あるので、万が一1人で4枚そろえてしまうと、出せるものが何もなくなったということで、その時点で負けが確定します。
そんなことが起こる確率はほとんどありませんが、2枚くらいでもたまってしまうとかなり苦しくなるのは間違いありません。
また、プレイヤーは自分の番の時に「手持ちのカードから一枚を捨てた後、山札から一枚とって自分の手持ちのカードにします。」と書きましたが、山札からカードをとり忘れると、1枚少ないままゲームを続行しなくてはならないというルールになっています。
カードをひき忘れてもすぐに負けるわけではありませんが、出すカードの選択肢が減って、それだけ不利になるのです。
↓使えるカードが1枚しかなくなった、大ピンチの状態
3種類の役カードは、それぞれ「ホールド」「リバース」「ダブルプレー」という名前がついています。
ホールドカードを出すと、合計値を変えることなく自分の番を終えることができます。「1回パスできるカード」ですね。
リバースはUNOと同様に、「カードを出す順番が逆回りになる」というカードです。2人でプレイしている時は、ホールドと同じ効果のカード扱いになります。
ダブルプレーカードを出すと、合計値を変えることなく次のプレイヤーに番がうつり、2回続けて次のプレイヤーの番になります。序盤に出してもあまり意味がありませんが、終盤に出すと自分の次のプレイヤーを困らせることができるカードです。
以上が「O'NO 99」のカードとルールです。
Wikipediaにも詳細なルールが載っています。チップの使い方も書かれていますので、もし気になる方がいらっしゃったらチェックしてみてください。
◎トランプでアレンジ
冒頭でも書いた通り、子ども達の計算スキルを把握したい時などに、私はこのゲームをもとにしたトランプ遊びをやっています。
「O'NO 99」は「99以上にした人が負け」というルールですが、トランプで遊ぶ時は99までセーフにして「100を超えたら負け」というルールがお勧めです。
勝負の分かれ目が98と99の間にあるというよりは、99と100の間にある方がわかりやすいですよね。
絵札は基本的に使っていません。
計算ゲームとしては役カードはいらないかなと思いました。ただ、「ジョーカーは0」として実質ホールドカードと同じ役割で入れることはあります。
1~10の数字のカードを使い、黒いマークのカードを普通の数のカード、赤いマークのカードをマイナスカードとして計算します。マイナスカードが10だけではなくなり、「5をひく」「3をひく」などの計算をする機会も作れるわけです。
ただし、普通のカードと同じ数だけマイナスカードがあると合計値が100にちかづいていかないので、「スペードとクローバーとハートを使いダイヤは使わない」など、マイナスカードを減らしておいたほうが良いでしょう。
ちなみに、スペードとクローバーの1~10を合計し、ハートの1~10の分をマイナスすると合計値は55にしかならないので、この30枚だけでは100にたどり着く前にカードを使い切ってしまいます。
でもUNOと同様に、山札がなくなり次第、皆が捨てたカードをシャッフルして山札として再利用すれば問題ありません。
暗算での計算ができなくても、マークの数を数えることで合計値を考えることもできます。ただ、途中で訳が分からなくなりそうなら、カードを1枚出す度に合計値を紙に書いていったほうが良いかもしれません。
100玉そろばんがあれば、それを活用する方法もあります。
◎正負の数の学習でも
この「黒のカードはプラス、赤のカードはマイナス」というルールをそのまま使って、正負の数の学習に使うこともできます。
プラス20やマイナス20位をスタート地点にして、0になったらゲーム終了というルールです。
この場合は、「0になった方が負け」だといつになっても勝負がつかない恐れがあるので、「0にした人が勝ち」という方が良いでしょう。
「勝負があっさりつきすぎる」と感じる時は、手持ちのカードを4枚ではなく2~3枚に減らしたり、1~3くらいの絶対値の少ない数を最初から抜いてプレイすることをお勧めします。
数直線を書いた紙を近くにおいておき、現在どこにいるかを書き込みながら進めれば、まだ理解が不十分な子でも計算方法を確認しながら遊べますよ。
◎まとめると
今回は、子どもの頃に遊んだゲーム「O'NO 99」を紹介しました。
UNOのように定番のゲームにはなりませんでしたが、トランプで似たような遊びを楽しむことができます。
元のゲームより学習ゲームのカラーが強くなってしまいましたが、絵札を役カードとして利用すれば、元のゲームとほぼ同じ遊び方もできるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。