110%を計算する(小5の百分率)~立ち読み計算ドリル⑬~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
紙や鉛筆をなるべく使わずに答えを判断する工夫について考える「立ち読み計算ドリル」。
今回のテーマは「百分率」です。算数の授業としては、小学校5年生で習う内容です。
明日(2019年10月1日)から消費税が10%になりますから、その計算に関わる話題にしました。
◎まずは問題です
<問題>
A~Fの6つの品物があります。それぞれの本体価格(税抜きの価格)は以下の通りです。
A 2200円
B 2250円
C 2300円
D 2350円
E 2400円
F 2450円
実際に買い物をする場合、10%の消費税がかかります。
この中で、2500円で買える商品はどれでしょうか。複数あれば全て選んでください。
<答え>
2500円で買えるのは、AとBです。詳細は後ほど。
◎百分率とは
普段「百分率」という言葉を使うことはあまりないかもしれませんが、「%(パーセント)」は日常的に聞きますよね。
「%(パーセント)」は百分率で表すときに使う単位です。
「百分率」は、割合を表現するためのものです。
あるものの割合を「全体を100としたら、その『あるもの』はどのくらいなのか」という観点で表現します。
例えば480mlのジュースを買って、半分の240ml使ったとします。残りも240mlです。
全体を100とすると、半分は50ですね。そこで
「ジュースは50%残っている」と表現できます。
もともと、「パー」は「毎時」「毎分」というときの「毎」と同じ意味になります。「1時間あたり」「1分あたり」の「あたり」ですね。
そして「セント」は100を表しています。
ですから、「百分率で50%」というようにわざわざ「百分率で」と書く必要はありません。「50%」というのが「100あたり50」というそのままの意味なのです。
割合を表す言葉ですから、同じ「50%」でも、全体の量が変われば50%の量も変わります。
100円の50%は50円ですが
200円の50%は100円、
500円の50%なら250円というように。
◎10%の求め方
百分率を学習する際、最初に考える基本の計算の1つが「1%はどのくらいか」というものです。グラフで書くときの「1目盛りはいくつか」という感覚ですね。
全体が100ですから、100で割れば1%が求められます。
100円の1%なら、 100÷100=1 で1円、
500円の1%では、 500÷100=5 で5円、
10000円の1%は、 10000÷100=100 で100円
というふうに。
実際に割合を計算する時は、割り算よりもかけ算で考えます。
「100で割る」のではなく、「100分の1をかける」つまり「0.01をかける」と考えるのです。
計算結果は先ほどと変わりません。
電卓等で計算すれば答えを出すことができますが、「100で割る=0.01をかける」処理は暗算でも簡単にできます。
以前の立ち読み計算ドリルの記事で「100倍」の計算について書きましたが、その逆を考えれば良いのですね。
※関連記事はこちらです↓
小数点を移動させることで、10倍(×10)・100倍(×100)や10分の1(×0.1)・100分の1(×0.01)の計算が可能です。
300円(小数点以下も考えると300.00円)を例に考えるなら
100%は 300.00 → 300円
1%は 3.0000 → 3円
10%は 30.000 → 30円
(10倍は 3000.0 → 3000円
100倍は 30000. →30000円)
となります。
基本的に、
もとの数の「0」を2つ消す
ことで、1%がどのくらいかを求めることができますね。
そして同様に、
もとの数の「0」を1つ消す
ことで、10%の量も求めることができると考えられます。
端数のある場合は上記のような小数点の移動で考える必要があり、
55円を100%にした場合なら
100%は 55.00 → 55円
1%は 0.55 → 0円(切り捨ての場合。切り上げなら1円)
10%は 5.5 → 5円(切り捨ての場合。切り上げなら6円)
というように考えます。
※端数を切り捨てるか切り上げるかについては、各小売店に判断によることとされ、はっきりしたきまりはないそうです。
◎110%を求めるなら
以上の方法で10%の金額は求められますが、これだけでは「税込み価格」とはいえませんね。
100%の本体価格に10%の税額を合わせたもの、つまり110%が税込み価格になります。
ですから、もとの数と、もとの数から小数点を1つずらした数を合計するというふうにイメージすると良いでしょう。
問題の A(本体価格2200円)を例に考えます。
税抜きの価格は 2200. 円
消費税(10%)は 220.0円です
筆算をイメージすると
2200.
+ 220.0
2420
Aの税込み価格は2420円で、2500で買えることがわかりますね。
同様にB~Fも計算してみます。
B
2250.
+ 225.0
2475
C
2300.
+ 230.0
2530
D
2350.
+ 235.0
2585
E
2400.
+ 240.0
2640
F
2450.
+ 245.0
2695
Bは2500円以内に収まりますが、Cの時点でオーバーしていますね。
D以降は金額が大きくなっていくだけですから、Cより小さくなることはありません。全て2500円より高くなります。
したがって、A~Fの中で2500で買えるのはAとBのみです。
◎まとめると
「本体価格(税抜き価格)」から「税込み価格」を求めたい場合は、たし算の筆算を思い浮かべると良いでしょう。本体価格の数字を1桁分ずらした数と、本体価格そのものを足せば税込み価格になります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。