55で割るなら(小5の百分率)~立ち読み計算ドリル番外編~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回は月曜日の記事「2%の違いを計算する」の補足になります。消費税の軽減税率に関する計算です。
※当該記事はこちら↓
◎「税込み価格」と「2%」
前回も少し触れましたが、割合の計算において注意する点の1つに、
「1割増しの1割引きは、もとの数にならない」というものがあります。
100円の1割増しは110円ですが、110円の1割引きは99円となり、もとの100円には戻りません。110円の1割は11円ですから。
100円を一割増しした後の値段は、もとの値段の11割となりますから、そこから「1割」を引くのではなく「11で割った数」を引かないと、もとの数には戻らないわけです。
これは百分率でも同様なので、軽減税率を考える際にも同じことがいえます。
仮に「税抜き価格が10000円」であれば、軽減税率の計算は簡単です。
10%なら1000円、8%なら800円、軽減税率によって下がる金額は200円。
10000円の2%である200円が、軽減される税額になります。
ところが「税込み価格が10000円」だと、計算が少しややこしくなるのです。
10000円の2%の200円は関係なくなってしまいます。
それは「10000円」が100%ではないためですね。
ここでの10000円は「税込み価格」ですから、
税率が10%であるなら、10000円は「110%」にあたります。
軽減される税額を計算するには、税込み価格の「110分の2」を求めなくてはいけません。「110分の2を求める」ということは、一言でいえば「55で割れば良い」ということになります。
とはいえ、暗算での計算としては「55で割る」というのは少し面倒ですね。そこで「55で割る」際のポイントについて、今回は紹介します。
◎パターンは暗記する
「税抜き価格」ではなく「税込み価格」をもとに、軽減税率による減額がいくらなのかを計算する機会は、実際のところそれほど無いのかもしれません。
ただ、仮に頻繁に計算をするのであれば、必要な数字を覚えてしまった方が楽になります。
「55で割る計算」のために覚えておくと便利なのは、「0~9までの数を55にかけるといくつになるか」の数です。55がゾロ目状になっているので、比較的覚えやすいでしょう。
55×0= 0
55×1= 55
55×2=110
55×3=165
55×4=220
55×5=275
55×6=330
55×7=385
55×8=440
55×9=495
奇数をかけた積(かけ算の計算結果)は少し厄介ですが、偶数をかけた積についてはわかりやすいですね。偶数部分を覚えておくだけでも、計算しやすくなります。奇数に関しては「それぞれの偶数をかけた積の間にある数」と認識しておけば考える基準になるでしょう。
さて、これをどのように利用するかということですが、筆算をイメージして考えると良いでしょう。これらの数を一つずつ位をずらして足していき、「割られる数」に近くなるように考えます。
※位取りが分かりやすいように全て3桁にして書きました。
10000に近い数ですね。これを割り算の筆算にあてはめます。
この計算から、軽減されるのは181円だとわかります。
※端数の処理方法によっては、1円の差額が生じることはあります。1円未満の端数の処理方法については、明確な規定がなく、店舗によって異なるそうです。
商(割り算の答え)を1桁立てるごとに余りを考えて、次の位…と考えていくと、端数の処理が非常に面倒になります。それよりは55を0~9倍した数を覚えて、合計が「割られる数」に近くなる組み合わせを考える方が、負担が軽くなるのです。もちろん個人差はありますが、一般的に「引き算」「割り算」よりも「足し算」「かけ算」の方がイメージしやすい人が多いからですね。
◎まとめると
今回は、前回の記事に関連して、
「税込み価格(税率10%)を55で割ると、軽減税率により減額される金額が求められる」という考え方のおさらいと、55で割る暗算のポイントについて書きました。
頭の中で思い浮かべなくてはならない数が多いので、ポイントを覚えるだけではすんなり暗算するのが難しいとは思います。
ただ、仮に繰り返し計算の必要にせまられるなら、
①55の倍数(×9まで)を覚えて、
②その倍数を、位が1つずつずれるようにして並べ、合計が割られる数(税込み価格)に近い数になるような組み合わせを考える。
という練習をしてみると良いでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。