速く正確に数えるコツ(中編・小2の数)~立ち読み計算ドリル⑳~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回は「計算しながら数える」をテーマにした記事の中編です。
※前編の記事はこちら↓
前回よりも学年が上がっていますが、慣れてしまえば前編よりも楽に答えられる問題になります。
◎まずは問題です
<問題>
①~④の袋に、おはじきが入っています。
それぞれの袋に入っていたおはじきを出して並べました。
この中で21個あるのはどれですか。
①
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②
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③
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④
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<答え>
正解は③です。
もちろん1つずつ数えれば正解にたどりつけますが、いろいろな考え方で手間を省くことができるでしょう。その中で、小学2年生らしい内容を紹介します。
◎5と10の利用
ものを数えるうえで「10のまとまり」は重要ですが、ばらまかれたおはじきをパッと見ただけで「これで10個ある」と判断できる人は少数派だと思います。仮にきれいに1列に並んでいたとしても数えずに判断するのは難しいというのは、前回書いた通りです。
ただ、きれいに並んでいるおはじきが「10個ある」とわかった場合に、その隣に同じように並んでいるおはじきの列も「10個ある」と認識できるかどうかは重要です。
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1列数えるだけで、他も同じだと理解して「10、20、30」と数えられるのか、続きも1つずつ「10、11、12、13、14…」と数えていかないといけないのかでは、数を把握するまでの時間に大きな差が生じるでしょう。
「10個ある」まとまりを見つけて「隣も同じ、10個ある」と判断していく感覚は、数を素早くとらえるうえで基本になります。
次に重要になるのが「5のまとまり」です。
10個のおはじきを一瞬で数えるのは大変ですが、5くらいの数の把握はそこまで難しいことではないでしょう。前回「一般的に、目で見て把握しやすい数は4つくらいまで」ということを書きました。
今回の問題では、5つ並んでいる場所は赤2つ、青3つに色分けしています。
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2つ3つは瞬間的にとらえるのが難しくない数なので、赤と青を合わせて5つだろうと判断できます。この「5のまとまり」を見つけ出す感覚は重要なので、仮に「2と3で5」が瞬時にピンとこない子どもがいる場合は、5の合成や分解をしっかり復習しておくことをお勧めします。
さらに、「5のまとまり」を把握したうえで、その「5のまとまり」と「5までの数」の組み合わせを見て瞬時に数を判断できる感覚も重要です。
「5と1で6」「5と2で7」…「5と5で10」という感覚ですね。
②のおはじきの並びでは、左側に赤が2個、青が3個、少しスペースを空けて緑が4つありました。
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左側は2と3で5、左側の5と右側の4を合わせて9と考えると、1つずつ数えるよりも目がチカチカしづらくなり速く正確に判断できます。
また、④のおはじきについて考えてみると、
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上の3列は5と5で10、10が3列で30.
下は端数と考えて2と2で4、端数が4ですから、
1つずつ数えなくても「34個」あると判断できるでしょう。
◎かけ算の利用
2年生になるとかけ算を学習します。
九九の暗唱をマスターし、必要に応じて必要な部分だけ唱えられるようになれば、1桁×1桁の計算問題は全て素早く答えられるようになるでしょう。
でも、実際の生活の中で使いこなすまでには、さらにもう少し練習が必要なようです。
元々計算が得意だったり算数が好きだったりする子どもは、誰かに何か言われなくても、身近なところで積極的にかけ算を利用する姿が見られる場合もあります。あまりのある割り算は3年生の内容ですが、お土産にもらったシュウマイが10個入りなのを見て「家族は3人→3個ずつ食べると9個→もう1個食べられるかも」くらいのことならパッと考えつく2年生もいるでしょう。その一方で、苦労してなんとか暗唱できるようになったくらいの状態だと、今回のような問題で九九を利用しようという発想になかなか行きつきません。
今回の②のおはじき
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の1列が9個とわかっても、「それが2列ということは9×2=18」という発想が出てこないということです。この場合は9+9=18と考える方法もありますが、
③のおはじき
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のように3列以上になってくると足し算は大変ですね。やはり「1列が7個で3列あるから7×3=21」と考えられるかどうかが速く正確に数を判断するためのポイントになります。
逆にいえば、このような問題を見た時に「1つずつ数えているか」「かけ算を利用できるかどうか」を見ることで、その子がかけ算を使いこなせているかどうかが見えてくるでしょう。
1つずつ数えているようならば、今回のような「かけ算を利用して数をとらえる」練習が必要だと思います。
ただ、生活の中で使いこなせるかどうかと考えると、単純に②や③のような「〇個×△列」のおはじきの数を答える練習だけでは不十分だともいえるでしょう。どんなものでもかけ算を利用できるというわけではないので、「この場合はかけ算を利用できるだろうか」ということを自分で考えられるようになる必要があるのです。
そこで①
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のような問題もあわせて出題することをお勧めします。
これは九九が使えないので、前回のように足していくことになりますね。
人によっては、これもかけ算を利用するかもしれません。例えば「最初の2列で5、次の2列で5だから5×2=10。5列目の3が端数で、答えは13」というように。
それはそれでもちろん間違いではありませんが、とりあえず「九九が使えるなら使う」という判断を自分でできるようになることが目標です。
◎まとめると
・1と4、2と3などの組み合わせを利用して「5」を素早く見つけられるようにしておきましょう。5を見つけられるようになったら、5~10までの数を素早く判断する練習も重要です。
・5~10までの数とかけ算を覚えたら、10のまとまりと端数で数をとらえたり、かけ算を利用して数を考えたりする練習をしましょう。
・そうした考え方を利用しづらい問題もあわせて出題し、「どの考え方で数えるのが適切か」を判断する練習もしておくと、より実用的な感覚が身につきます。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。