立ち読み練習問題(小5の平均Ⅱ)~立ち読み計算ドリル番外編~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回は、先日書いた「立ち読み計算ドリル」の練習問題を扱います。
※該当の記事はこちら↓
既に算出されている平均の値と、新しく加わる値から、全体の平均値を求める問題でした。
今回出題するのはその類題にあたりますが、上の記事の内容の他に、以前の記事で扱った平均の基本となる考え方も含まれた問題になります。
※平均の基本に関する記事はこちら↓
前回よりも少し考え方が複雑にはなるものの、問題数は1問のみですので、お気軽にお付き合いください。
<問題>
Aさん、Bさん、Cさん、Dさん、Eさんの5人は、定期的に漢字のテストを受けています。それぞれのこれまでの成績は以下の通りです。
Aさん…3回受験して平均点は70点
Bさん…5回受験して平均点は70点
Cさん…7回受験して平均点は80点
Dさん…9回受験して平均点は80点
Eさん…11回受験して平均点は80点
4人は今日また漢字テストを受けました。今回の結果はそれぞれ以下の通りです。
Aさん(これまでの平均点は70点、今回で4回目の受験)…75点
Bさん(これまでの平均点は70点、今回で6回目の受験)…60点
Cさん(これまでの平均点は80点、今回で8回目の受験)…75点
Dさん(これまでの平均点は80点、今回で10回目の受験)…80点
Eさん(これまでの平均点は80点、今回で12回目の受験)…75点
この時、現時点での平均点を比べるとどのようになりますか。5人を平均点の高い順に並べましょう。
<答え>
正解はD→E→C→A→Bですが、以下で詳しく考えてみましょう。
まず、これまでの平均点のみを書き出すと
Aさん…70点
Bさん…70点
Cさん…80点
Dさん…80点
Eさん…80点
となっています。
今回受験した際の成績がこの平均点を上回っていれば、その人の平均点は上がります。反対に下回っていればさがりますし、平均点と同じ点数をとれば上りも下がりもしません。
それをふまえながら各人の平均点と今回の得点を見比べて、平均点がどう変化するかを考えると、
Aさん…今回75点→平均点は70点から上がる
Bさん…今回60点→平均点は70点から下がる
Cさん…今回75点→平均点は80点から下がる
Dさん…今回80点→平均点は80点から変わらない
Eさん…今回75点→平均点は80点から下がる
ということがわかります。
この時点で、平均点が一番高いのはDさん、低いのはBさんだろうということが、だいたい予想できるでしょう。
ただ、Aさん、Cさん、Eさんは少しややこしいですね。そこで、もう少し範囲を絞り込んでみます。
「最小値と最大値を意識する」の記事で書いた通り、仮に5つの値の平均を計算する場合、その平均値は5つの中の最小値よりも小さくなることはありませんし、最大値より大きくなることもありえません。それは今回のような問題でも同じです。
例えばAさんは、これまでの平均点が70点で今回が75点ですから、トータルの平均点は70~75点の間におさまると予想できます。
その観点で3人を比較すると
これまでの平均が70点で今回75点のAさん…トータルの平均点は70~75
これまでの平均が80点で今回75点のCさん…トータルの平均点は75~80
これまでの平均が80点で今回75点のEさん…トータルの平均点は75~80
となりますから、3人の中ではAさんが一番低いということがわかります。
ちなみに他の2人についても一応考えておくと、
これまでの平均が70点で今回60点のBさん…トータルの平均点は60~70
これまでの平均が80点で今回80点のDさん…トータルの平均点は80
となるため、やはり一番平均点が高いのがDさんで一番低いのがBさんです。
この時点で並び方は
D→?→?→A→B
というところまではわかりました。後はCさんとEさんのどちらが高いのかということですね。先ほどの考え方では
これまでの平均が80点で今回75点のCさん…トータルの平均点は75~80
これまでの平均が80点で今回75点のEさん…トータルの平均点は75~80
ということで、CさんもEさんも変わりません。この2人で違いがあるのは過去の受験回数だけです。Cさんは今回が8回目の受験、Eさんは今回が12回目の受験ということでした。
「以前の結果と比較する」の記事で書いた通り、もとのデータ件数(ここでは受験回数)が多ければ多いほど、後から1件(1回分)加わった時の影響は小さくなります。
CさんもEさんも「これまでの平均点が80点で今回75点」ということでトータルの平均点が下がりますが、その下がる度合を考えると、受験回数の少ないCさんの方が下がり方が激しく、受験回数の多いEさんはCさんほどガクっとは下がらないといえるのです。そのため、Eさんの方がCさんよりも高い平均点をキープできていると考えられます。
まとめると、
D→E→C→A→B
ということになりますね。
◎最後に
このような形式の問題が出題されることは、あまりありません。大抵は、実際の平均値を計算で求める問題です。
でも以前の記事で書いた通り、今回紹介したような考え方が身についていると、計算をした後にその結果が適切かどうか見直しをしやすくミスにも気づきやすくなるでしょう。
平均の考え方がなかなかピンとこない場合は、まずは1桁の数を題材にして実際のアメ玉やコインなどを並べて考えると、イメージしやすいのでお勧めです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。