ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

漢字辞典で遊ぼう(後編)~教材で遊ぼう④~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 今回は「漢字辞典で遊ぼう」の後編です。

 

※前編はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 前編では「この文字は〇〇という意味」というふうに端的に表せるような知識ではなく、文字を自分なりのイメージでとらえることを意識するクイズを紹介しました。そうした感覚は英語の学習の際にも役に立ちます。

 

 今回紹介する3つのゲームは、部首など漢字の成り立ちに着目した遊びになりますが、実際に楽しんだりゲームを通して何かをつかんだりするのは、小学生くらいだと少し難しいかもしれません。漢字辞典の使い方自体は中学年で学習しますが、今回の内容はどちらかというと中学生以上の子にお勧めします。

 

 

①書けた数を競う

 

 こちらはオーソドックスな遊びなので、今までに実際にやったことがある方や、やったことはなくてもどこかで見たことがあるという方が多いのではないかと思います。

「『きへん』の字」「『さんずい』の字」「『くさかんむり』の字」など、1つの部首を設定して、その字を時間内にいくつ書けるかを競うというゲームです。時間は、3分程度がちょうど良いかと思います。あまり長時間にはしないことで、知識ではなく頭の柔軟さで勝負が決まることも多くなるのです。

 お勧めのルールは、「不正解の文字をいくつ書いても減点しないで、漢字辞典にのっている文字をいくつ書けたかで競う」という方法です。実際に存在する字の中には、一般的な漢字辞典にのっていないものもたくさんありますが、その字が正しいかどうかを判断するのは難しいですから「この辞典にのっている字」のみを正解として、ゲームのルールをわかりやすくします。でも「こんな字もあったかも」と予想して書くのも楽しいですし良い勉強になりますから「不正解をいくつ書いてもマイナスにはならない」という方が良いと思います。

 

 

②漢字の成り立ちクイズ

 

 漢字辞典にはそれぞれの漢字の意味だけではなく、「なぜその漢字がその意味の漢字として使われるようになったのか」成り立ちに関する説明も載っています。前編では「漢字の意味」からその漢字が何かを当てるクイズを紹介しましたが、成り立ちの説明文からその字を当てるクイズを出題することもできます。

 最終的には「漢字辞典をみながら子ども同士でクイズを出し合う」ということも可能ですが、慣れるまでは大人が出題者になった方が良いでしょう。意味から漢字を当てるクイズと同様に、文中に正解そのものが入ってしまっている場合がありますので、出題する人はその箇所を少しぼかして読み上げるなどの工夫が必要です。

 

 

③部首ババ抜き

 

 これまでのゲームは漢字辞典(と紙と鉛筆)のみで遊べるものでしたが、こちらは「部首カード」が必要になります。準備に手間がかかりますが、ゲームらしい小道具が増える分、辞書を使った他のゲームには興味を示さなかった子もやる気になりやすいというメリットもあります。

「部首カード」は市販のものを購入することもできますが、トランプ程度のサイズの厚紙に自分で書きこんでいけば簡単に作れます。ただ、あくまでも「ババ抜き」ですから、裏から透けて見えないくらいの厚さの紙で作らなければいけない点に注意してください。

「にんべん」や「ぎょうにんべん」の他「少」や「寸」など、漢字のパーツとしてよく使われるものをカード1枚に一つずつ書いていきます。漢字辞典の最初か最後に部首索引がありますから、それを参考に使いやすそうな部首カードを数十枚用意してください。特によく使われそうな部首のカードは同じものを3枚程度用意しても良いでしょう。

 カードができたら、それをババ抜きと同じ要領で参加者全員に均等な枚数になるよう配り、「隣の人から1枚引き取る」を繰り返します。部首カードで組みができていたら、場に捨てられます。組は「同じ部首カード」ということではなく「2枚のカードを組み合わせて、1つの漢字を作ることができる組み合わせ」ということですね。これも、「この辞典にのっているものならOK」という基準にしておくと良いでしょう。

 手持ちのカードが無くなった人から良い順位がつくわけですが、最後までカードを使いきれるとは限りません。「残り〇枚になったら終了」「5周したら終了」など、ゲームを終わらせるタイミングをあらかじめ決めておき、だれも0枚にならないうちにゲームが終了したら、残り枚数の少ない人が勝ちということになります。

 

 今回は漢字辞典を使った遊びを紹介しました。

「国語の授業のために買ったものの、その後ほとんど使っていない」というご家庭も少なくないと思います。せっかく縁あって購入した辞典ですから、是非活用してみてください。

 

  最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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