ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

漢字辞典で遊ぼう(前編)~教材で遊ぼう③~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 今日のテーマは「漢字辞典で遊ぼう」です。

 

 先週は「国語辞典で遊ぼう」という記事を前後編2回に分けて書きましたが、今回はその漢字辞典版ということになります。

 

※「国語辞典で遊ぼう」の記事はこちら↓ 

kikyouken.hatenablog.com

 

 

kikyouken.hatenablog.com

 

 漢字辞典は、日常生活のなかで国語辞典よりも手に取る機会が少ないのではないでしょうか。改めて内容をじっくり読む機会がほとんどないかもしれませんが、それだけに少し読んでみると新たな発見をたくさん得られる本だともいえるでしょう。

 

 前編となる今回は、クイズのパターンを1つ紹介します。

 

 細かく説明するよりも出題してしまったほうが分かりやすいでしょう。実際に一問出題してみますので、良かったらお付き合いください。

 

 なお、現在私の手元にある漢字辞典は、小学館の「例解学習漢字辞典(第六版)」です。出題にあたりこの辞典から引用した箇所は、青字にしています。

 

 

◎漢字を当てる問題です

 

 漢字辞典である漢字について調べたところ、7つの意味が書かれていました。

 今から、その意味を紹介します。(順番は辞書に書かれている順番とは変えています。)その意味を手がかりにして、何の漢字なのかを当ててください。

 ひとつずつ小出しにして書き出していきますので、全部で7つの手がかりになります。なるべく少ない手がかりだけで、何の漢字か当ててみてください。

 

 

(以下、ある漢字の意味です)

 

①向き。方向。場合。

 

 

②向く。向かう。あう。

 

 

③平たい物を数える時の言葉。

 

 

④平らな物。

 

 

⑤ものの外側の平らなところ。うわべ。

 

 

⑥人の顔。つら。おもて。

 

 

⑦顔につけるかぶり物。めん。

 

 

 

 正解は

 

「面」でした。

 

 6~7番目の手がかりの「つら」「おもて」「めん」は「面」の字の読み方としてもありますね。

 

 

◎出題の際の留意点

 

  実際に漢字辞典で「面」を調べてみると、意味として一番目に乗っていたのは

 

 人の顔。つら。おもて。

 

でした。

 

 また、

 

 顔につけるかぶり物。めん。

 

 は3番目に出てきます。

 

 漢字の読み方にもなっている言葉を早い段階で「てがかり」として出してしまうと問題が簡単になりすぎてしまうので、まずはそうした要素の無いてがかりを選んで先に出すという工夫が必要になります。

 また場合によっては、漢字の読み方そのものの部分は伏せておくというのでも良いでしょう。

 

 

 

◎「おおまかなイメージでとらえる」練習に

 

 私が今回参考にした辞書では、「面」の字について7つの意味が紹介されていました。でも「『面』には7つの意味がある」と断定できるかというえば、そうではないでしょう。

 辞書によってはもっと少ない項目数にまとめている場合もあるでしょうし、もっと細かく分けて説明している場合もあると思います。実際のところ、「この字はこういう意味ですよ」と一言二言で言い切るのは難しく、「その字が持っているイメージ」をその辞書ごとに言語化しているのではないでしょうか。

 漢字は「こういう意味」と言葉で理解する以上に、イメージをつかむことが重要だと思います。そして、その「イメージ」を理解していると、初めて見た熟語の意味を理解したり覚えたりするのが非常に楽になるでしょう。

 

 こうした感覚は、英語の学習にも通じるものです。英単語について、それぞれ対応する日本語を覚えて機械的に置き換えていくだけでは、上手く読めない文章がたくさんあります。動詞の「have」や前置詞の「on」等がわかりやすい例でしょう。「haveは持つ」「onは上に」という知識ではなく、「haveのイメージ」「onのイメージ」を自分なりにつかんでいるかどうかが重要です。

 そうした英語の感覚を持つのが難しい子どもは、まずは英語ではなく今回のように漢字で「イメージでとらえる」感覚を体験してみるのはいかがでしょうか。

 

「漢字辞典で遊ぼう」は明日の後編に続きます。

 ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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