ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

等式を書き起こすコツ(前編)~数式と日本語①~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 今回は、数学の文章題を読んで等式を書く時の、ちょっとしたコツを紹介します。

 

「計算はできるようになったけど、文章題は苦手」という声を時々耳にします。でも、「応用問題」という場合は範囲が広くなりますが、「文章題」という場合の多くは、最終的には計算をする問題ですよね。その前に問題文を読んで、その文に合った式を書き起こし、その式の計算をして答えを出します。立式さえできるようになれば、あとは計算問題とほぼ違いがありません。

 

 そこで文章から立式する際のコツを、これから数回に分けて紹介していきたいと思います。

 ちなみに、「文章表現がそのまま式の形につながる」という問題は、小学校の算数よりも中学校以降の数学の問題に多く登場します。ですからこれからの一連の記事は、主に中学校の数学くらいの内容を想定したものです。

 今回は特に「等式」がテーマになります。

 

 

◎等式とは?

 

 インターネット上で「等式とは」と検索すると、いろいろと詳しい説明が載っていますが、中学校1年生の数学の教科書では簡潔に説明されています。

 

 啓林館の数学の教科書「未来へ広がる数学1(平成27年度版)」によると

 

3a=5b+3000

のように等号=を使って、2つの数量が等しい関係を表した式を等式という

 

とのことです。

 

 ちなみに、これまでの記事でも何度かふれてきましたが、この等式の「=」の左側を「左辺」、「=」より右側を「右辺」と呼びます。

 

 

  中学校で学習する範囲で「等式」というと、「方程式」「関数」「証明問題」等が思い浮かびますが、この中で特に日本語で書かれた「文章」と関連が深いのは方程式ではないでしょうか。

 そこで、方程式の文章題を例に、コツを紹介します。

 

◎コツは「右辺から書く」

 

 問題文を読んで、さあ式を書き出そうというとき、皆さんはどこから書き始めようと考えますか。

 多くの子どもは、左端から書き出そうとします。実際直前まで読んでいた文章が左からスタートして右側へと進んでいくのですから、それが自然ですよね。

 でも、左端から書こうとすると、途方に暮れてしまうことは少なくありません。

 

 問題文から等式を書き起こす際の最大のコツは、「右辺から考える」ことです。

 全ての問題に当てはまるわけではありませんが、大抵の場合は右辺から決めてしまった方が楽になります。なぜなら、多くの場合左辺に比べて右辺の方がシンプルだからです。

 例えば、連立方程式を利用する文章題の多くは、立式してみると

 〇x+△y=▢ 

という形になっています。「〇x+△y」を考えなくてはならない左辺より、「▢」に当てはまる数を文章中から探し出しす方がはるかに簡単でしょう。その後に「▢と等しいのは何なのか」と左辺を考える方が楽に立式できます。

 

 

◎右辺の数の探し方

 

  小学校の文章題では、問題文を読んで「この問題の答えは足し算で求められそうだな」「この場合は割り算だな」と判断することで、それぞれ足し算の式を書いたり割り算の式を書いたりしていきます。ただ求めたい数の代わりに「▢」を利用する場合は少し事情が異なり、文章に書かれている話の通りに式を書き起こし、▢に当てはまる数を計算することができるのです。

 

 例えば下のような問題があったとします。

 

<例題>

 

 明子さんは夕子さんより5歳年上で、15歳です。夕子さんは何歳ですか。

 

 

 小学校での授業では主に、この問題の文を一度自分で消化してから立式します。

「つまり夕子さんの方が年下なんだな→じゃあ引き算になるのか」といった判断から「15-5」という式を立てるのです。

 

 でも▢を使った場合は、その文面にそって書いていくだけで式ができます。

 夕子さんを▢歳とすると、「夕子さんより5歳『年上』」と書かれていますから、そのまま素直に足せば良いのです。

 ▢+5=15

 この後▢に当てはまる数を計算することで、答えが求められます。

 

 小学校でも6年生になると「わからない数を文字で表す」という学習をしますが、中学校に入ると本格的に文字を利用するようになります。そのため、冒頭の方でも書きましたが、中学校の文章題では「文章表現がそのまま式の形につながる」ことが多いのです。

 

 

 ですから「こういった文章表現は、右辺の数字を表している」というものを把握しておけば、多くの文章題で右辺の数を簡単に決めることができます。 

 

 主な表現としては、以下のようなものがあります。

 

①結論や結果を語る表現 (「〇円です」「〇時間かかりました」など)

②「は」や「等しい」など等号と同じ意味で使われる表現(「~は〇個」「〇と等しい」など)

 

 こうした表現を探すことで、右辺に書くべき数を見つけ出すことができるでしょう。(上の例では〇の中の数が右辺に書かれるべき数になります。)

 

 

◎後編は実際の文章題で考えます

  

 今回は文章題から等式を書くコツとして「右辺から書く」という方法について書きましたが、やはり実際の問題で考えないとピンとこない部分も多いでしょう。

 次回の後編では、いくつかの文章題から実際に右辺になる数を探し出す例を紹介します。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

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