ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

お勧めのランドセル置き場~ピカピカの一年生の教養51~

 こんにちは、

キッズの教養を考える研究室 「ききょうけん」のベル子です。

 

 今回の「ピカピカの一年生の教養」は、ご家庭でのランドセル置き場がテーマです。

 

◎自立への一歩

 

 大抵の場合、小学生は毎日ランドセルを背負って学校へ行き、そして帰宅して家の中にランドセルを置くことになります。それなりに大きなカバンですから、いい加減な場所に置いておくと、翌日まで邪魔に感じてしまうこともありますね。都合の良い置き場所はその家庭によってことなりますが、「どこに放り出しておいても問題ない」という家庭は稀でしょう。大抵は置き場所について何かしらのルールが必要です。帰宅した子ども達は、そのルールに沿ってランドセルを管理することを求められます。

 また、そのランドセルの中には、宿題や学校からのお手紙が入っていることでしょう。宿題を取り出して翌日までに片づけたり、お手紙や連絡帳を見せるべき家族に見せ、そして翌日に持っていくべき荷物を中にしまっておくといった作業を毎日しなくてはなりません。ランドセル自体だけではなく、中身の管理も重要です。

 最初のうちは家族が手伝うことも多いと思いますが、少しずつ自分で管理をしていけるようになると良いですよね。自分の荷物や自分のやるべきこと、自分の預かったものを適切に扱えるようになることは、将来自立していくうえでも大きな一歩になります。

 

 

◎実は難しいことだらけ 

 

 とはいえ、子どもが家庭の中でランドセルやその中身をしっかり管理するというのは、かなり難しいことでもあります。皆さんも子どもの頃を振り返って、「しっかりできなかった」思い出の一つ二つはあるのではないでしょうか。「お手紙を出すのが面倒で、先延ばししてしまった」とか、「ランドセルを片付けるように注意された」とか。そうした記憶に対して「自分はズボラだったな」という感想を抱いているかもしれませんが、実際の原因はそうとも限りません。

「ランドセルを決まった場所に置く」とか「宿題は帰宅後すぐにやる」とか「学校からのお手紙は親に渡す」とか、言葉で表すと単純な作業のように感じますが、実際には複数の動作を要求される、意外とややこしい仕事なのです。既に習慣化され身についている大人から見るとなんてことはない仕事かもしれませんが、そうした仕事のイメージが頭の中でまだしっかり確立されていない子どもにしてみると、「やるべき」とは思っても実際の具体的な行動と結びつかないことは少なくありません。

 これは、前回の記事でも書いた通りです。

 

※前回の記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com

 

 ですから、「ちゃんと片づけなさい」「ちゃんと宿題をしなさい」と何度も声をかけるよりも、具体的な行動に移しやすいような手助けをする方が有効なことが多いのです。その手助けの中で、まず最初にすることをお勧めしたいのが「ランドセル置き場を決める」というものです。

 

 

◎お勧めのランドセル置き場

 

 ランドセルをどの部屋に置くと良いかというのは、各ご家庭によって異なると思います。居間に置く家もあれば、子ども部屋に置く家もあるでしょう。クローゼットや、玄関に置く家もあるかもしれません。そのご家庭で都合が良いならどの部屋に置くのでも良いのですが、ただ「この部屋に置く」と決めるだけではなく「この部屋のここに置く」と具体的に決めておくことをお勧めします。例えば「自分の部屋に置く」ではなく「自分の部屋の、この棚の上に置く」というように。

 少し極端な話になりますが、「自分の部屋に置く」ということは「自分の部屋にはいってすぐの場所」でもOKということですよね。では「半分自分の部屋、半分は自分の部屋の前」というような位置に放り出されていたらどうでしょうか。これで良いなら「部屋の前」でもまあいいかというような気がしてきます。では、部屋の前から数メートルずれたところでも問題ないのでしょうか。もともとの指定されている範囲が広いと、「良い」と「良くない」の境界線があいまいになりやすいのです。また「そもそも『自分の部屋』といったって入ってすぐのところなんて駄目だよ」ということでしたら「ルールを守っているはずなのに駄目だといわれることがある」ということになるのでルールとしてあまり好ましくありません。

 ですからランドセルがぴったり乗るくらいのスペースを設定して「この場所に置く」と決めてしまった方が良いのです。

 

 

 お勧めは縦置きしたカラーボックスの上です。特に2段のカラーボックス位までの高さだと、小学1年生の身長にちょうど良いでしょう。カラーボックスに限らず、同じくらいのサイズ、同じくらいの高さの棚の上であれば問題ありませんが、あくまでも「棚の中」ではなく「棚の上」に設定することがポイントです。

 学校の教室ではロッカーの中に入れるのが一般的ですが、それを面倒だと感じた経験は皆さんにもあるのではないでしょうか。ランドセルには肩紐やストラップなどがついていますから、引っかからずに綺麗に入れるにはコツがいります。1年生のうちは上手く入らなくて「しまうのが面倒だ」と感じてしまいやすいのです。また、ランドセルの中のものを出し入れするのにも、一度ランドセル自体を棚から出し入れしないといけなくなるため、いちいち手間がかかります。その面倒くささが「宿題は後でいいか」「お手紙を出すのは後でいいか」という気持ちにつながってしまうことも少なくありません。ちょうど良い高さの棚の上に置くだけでしたら、置くのも簡単ですし、置いた後の荷物の出し入れも楽にできるでしょう。

 似たような理由で、フックにかけるという方法もあまりお勧めできません。自分にとってかなり大きなランドセルを持ち上げてフックにひっかけるという動作も1年生にとっては少し難しいですし、ひっかけた後の荷物の出し入れもしづらい場所が多いからです。

 

 その場所には他のものは一切置かず「ランドセル専用の場所」とします。他のものが乗っていると、ランドセルを置くという動作自体の前に「荷物をどかしてランドセルを置くスペースをつくる」という動作が必要になるので、面倒くさくなってしまいます。

 カラーボックスを「縦置き」に限定したのもそのためです。横置きのカラーボックスの上のスペースは、ランドセルを置くスペースとしてはかなり広くなってしまいます。そうすると「ランドセル以外のものも置いて良いだろう」という気持ちになりますが、境界線があいまいなため、その荷物がだんだんランドセル置き場の方に進出してくることが多いのです。そうすると結局「荷物をどかす」という動作が必要になってしまいます。「ランドセル以外何も置かない」と決めやすい広さにしておいた方が良いでしょう。

 

 もしも、ちょうど良いサイズの棚が無い場合は、使っていない椅子がお勧めです。椅子を壁際に置き、その椅子の上をランドセル置き場と決めます。こちらも「ランドセル以外はなにも置かない」と決めておくと良いでしょう。また、椅子は肘置きのあるタイプより、背もたれのみの椅子にしておいた方が置いた後のフタの開閉が楽にできます。

 

◎まとめると

 

・ランドセル置き場を決めて、その場所に必ず置く習慣をつけることが、自立に向けた一歩になります。

 

・「この部屋に置く」といった広い範囲で設定するのではなく、ランドセルを置くのにちょうど良い広さのスペースに限定するのが、ルールを守りやすくするコツです。

 

・スペースを決めたら、その場所にはランドセル以外置かないようにしましょう。

 

・棚の上や椅子の上など、左右に障害物のない場所にすると置いた後の荷物の出し入れもしやすくなるのでお勧めです。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

 

 

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