かけ算の式で表そう(後編)~数式と日本語⑥~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回は「かけ算の式で表そう」の後編です。
※前編はこちら↓
前編では、かけ算の特徴と、かけ算の式に書きかえることができる日本語表現の例を5種類紹介しました。
後編では、その5種類についてそれぞれの例題と、注意点を紹介していきます。
◎基本の手順は足し算・引き算と同じ
<問題>
次の(1)~(3)の文を数式で表しましょう。
(1) 7に6をかけると42になります。
(2) 5を4倍すると20になります。
(3) 3と4の積は12です。
上記の(1)と(2)は前回紹介した日本語表現の
①かける(〇倍する)
に関する問題です。
そして(3)は
⑤積
に関する問題になっています。
こうした日本語表現をかけ算の式に書きかえる手順も、足し算・引き算と変わりません。まずは文中の数字を、出てくる順番通りに書き出します。
例えば
(1) 7に6をかけると42になります。
の文なら
7 6 42
というように。
そして文末が「42『になります』」となっているところから、「=42」となると考えられますから
7 6=42
というところまでわかります。あとは7と6の間に「+」「-」「×」「÷」のどれが入るかを考えれば良いのですね。
「かける」や「〇倍する」という表現なら「×」を使うと判断できれば
7×6=42
という式が完成します。
(2) 5を4倍すると20になります。
も同様の手順で 5×4=20 と書きかえられます。
そして「積」もかけ算関連の表現ですから
(3) 3と4の積は12です。
も同様の手順で 3×4=12
と書きかえることができるでしょう。
◎「1」の扱いに注意
次の(4)(5)の文を数式で表しましょう。
(4) 50円のノート5冊の値段は250円です。
(5) 1冊50円のノート5冊の値段は250円です。
前編で紹介したパターンの中の
②2種類の単位の使用(〇つ分)
に関する問題です。
(4)と(5)は同じ内容について説明しています。上記のように、このパターンの場合、最初に「1冊(1本・1人など、1単位)」という表現がある時とない時があります。表現の無い(4)の形式であれば、これまでと同様に数字を書き出して
50 5 250
から考えることができますが、(5)の形式の場合、何も考えずに数字を書き出すと
1 50 5 250
と、実際の数式では使わない「1」が出てきてしまい、扱いに困ることがあります。
そのため「1つ50円」「1冊50ページ」「1日5時間」などの表現では、冒頭の「1」は使わないということをしっかりおさえておきましょう。
◎割合のかける数に注意
次の(6)~(10)の文を数式で表しましょう。
(6) 50の2倍は100です。
(7) 100の1/10は10です。
(8) 30の1割は3です。
(9) 1000の9分9厘は99です。
(10) 500の3%は15です。
(6)と(7)は前回紹介したパターンの中の
③〇倍、〇分の1
に関する文、
(8)~(10)は
④割合(〇割、〇%など)
に関連する文です。
「倍」「〇分の△」「〇割」「〇%」といった表現が出てきた場合にかけ算を使用しますが、 「倍」や「〇分の△」ではそのままその数をかければ良いのに対し、「〇割」「〇%」のように割合を表す場合はそのままの数ではいけないということに注意が必要です。
具体的には
1割→×0.1
1分→×0.01
1厘→×0.001
1%→×0.01
となります。これもあわせて覚えておきましょう。
◎まとめると
・かけ算に書きかえられる日本語表現の例を覚えておくと役に立ちます。
・基本的には文中に出てくる数を書き出すところから始めるとやりやすいのですが、「1つあたり」を表す「1」は式には使用しないことには注意が必要です。
・また、割合を表す表現の場合、そのままの数をかけるのではなく小数に変える必要があるため、「割」や「%」という言葉によってどのように書ける数を変化させるかも、あわせて覚えておきましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。