足し算・引き算の式で表そう(後編)~数式と日本語④~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今日は「日本語表現を足し算・引き算の式に書きかえる」をテーマにした記事の後編です。
※前編はこちら↓
前編では、基本的な足し算・引き算関連の等式のパターンを紹介しました。
まずはこのパターンの文章表現から立式できるように繰り返し練習してみましょう。慣れてくると、少し表現が異なるけれども同じニュアンスの文章等にも対応しやすくなります。
後編では「練習といっても、どう取り掛かれば良いか途方にくれている」という子ども向けに、主に実際に式を書く手順について書いていきます。これはあくまでも一例ですので、「そんな風に考えなくても、自分で書けたよ」という場合は、その方法でかまいません。例題の後に練習問題を出しますので、繰り返し取り組んでみてください。
◎数→記号の順に考えましょう
実際の問題を例にやってみます。
<例題>
次の文を数式で表しましょう。
30より20大きい数は50です。
足し算や引き算の等式を書く場合、必ず3種類以上の数字が必要になるはずです。
まずは、その3つの数を書き出すところから始めましょう。文中に書かれているはずですから、ただ抜き出せばすみます。
私が前回紹介したような基本的なパターンでは、出てきた順番のまま数式に使えますので、今回も先に出てきたものを左側に書くように意識して、順番に並べてみましょう。
30 20 50
と書き出すことができます。
見た目の分量としては、式の半分以上書けていますよね。
まっさらな状態から「足し算か引き算か」と考えだすよりも、この30と20の間、20と50の間に等号(=)や足し算の記号(+)・引き算の記号(-)を入れると考えた方が見通しが立ちやすいわけです。
では、次にその記号について考えてみましょう。
大抵の場合、「+」や「-」よりも「=」の場所の方が考えやすくなります。
そもそも「+」や「-」は実際に使用するかどうかもはっきりはわかりません。かけ算や割り算かもしれませんから。それに対して「=」は必ず使うはずですから、その点でも考えやすいといえるでしょう。
先週の「等式を書くコツ」でも紹介したとおり
「~は〇です」と言った表現の場合「=〇」という右辺になると考えられます。
ですから、この例題でも「~は50です」という表現から「=50」となるはずなので
30 20=50
というように20と50の間に=が入れられますね。あとは30と20の間に「+」「-」「×」「÷」のどれを入れるか考えれば良いわけです。
ここで、前編で紹介したパターンが役にたちます。「大きい」ですから足し算を使えば良いのですね。
30+20=50
これで、等式が完成しました。
ちなみに、一般的な文章題の場合
30より20大きい数は何ですか。
というように、「なんですか」とか「いくつ」といった表現が出てきますね。こうした式でも「何」や「いくつ」をわからない数として文字(xなど)や▢にして考えれば同様に立式できます。
まずは、
30 20 ▢
と数字(と文字や▢)を書き出し、「~は何です(か?)」の表現から▢の前に「=」を書けば良いと考えていくのです。
最終的に「30+20=▢」という式から「▢」にあてはまる数を計算して求めれば良いのですね。
◎練習問題10問
ここからは、前回紹介したパターンの練習問題を10問出題します。今回のテーマは足し算引き算ですから、数字と「+」「-」「=」のみを使う等式になります。「×」「÷」は使いせん。「短い」「(値段が)高い」など、パターンとは少しだけ異なる表現もありますが、「大きい」「小さい」のどちらにあたるのかを考えれば判断できるでしょう。
<練習問題>
次の①~⑩の文を数式で表しましょう。
①6に4を足すと10になります。
②10より1大きい数は11です。
③20人から7人減って13人になりました。
④100より1小さい数は99です。
⑤3と2の和は5です。
⑥3と2の差は1です。
⑦30円より5円安い値段は25円です。
⑧7個のケーキのうち3個食べてのこりは4個になりました。
⑨60円より2円高い値段は62円です。
⑩10分間の番組より5分長いテレビ番組は15分間です。
◎最後に
今回は基本のパターンに関する練習問題と、その考え方を紹介しました。
まずは数字から出た順番通りに書き出していけば、それほど行きづまることはないでしょう。
それでも子どもによっては、「難しい」と感じる場合もあるかもしれません。
来週は、これでもまだ取りかかりづらいという子どもにも考えやすいウォーミングアップの問題を紹介します。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。