ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

おこづかいの醍醐味は「やりくり」にあり~お金の教育で大切なこと~

 こんにちは、ベル子です。

 

 2019年も、スタートしてからもう20日が経とうとしています。ついこの間まで初売りモードだった近所のお店も、あっという間にバレンタインの飾りつけに変わりました。

 お年玉を想定した子ども向けのセールも一段落したところでしょうか。


◎子どものお金のしつけ、どうしていますか?

 お年玉といえば、子ども一人当たりいくらもらっているかとか、使い道はどうしているかとか、毎年テレビなどでも話題になりますね。また、親が全額預かっておくという家庭もあれば、使い方は全て子どもの判断に任せるという家庭もあります。ご家庭の方針によっても、子どもの年齢によっても違いがでてきます。

 

 でも、お年玉以上に違いがあるなと感じるのが、日常的なおこづかいの扱いです。

 

 お年玉は親同士のお付き合いの要素もあるので周囲の家庭とある程度似てくるのに対して、おこづかいの方はそれぞれの家庭の裁量で決める要素が多いからでしょう。その家の生活スタイルだけではなく、教育方針が色濃く反映されます。

 

 おこづかいは、子どものお金のしつけのために活用される、もっとも身近なツールですよね。

 

 お金の管理がきちんとできる子に育てるというのは、その子の将来のために本当に大切なことです。子どもが望む仕事で望むだけの収入を得られるようになったとしても、その収入の管理がうまくできなければ、充実した生活を過ごすことはできないのですから。

 私も子育て中の方から「うちはこうやっている」という意見を聞くこともありますし、どうするべきか相談されることもあります。

 

 いつ頃から子どもにおこづかいをあげようか、金額はどのくらいにしようか。あげる方法も月額制やお駄賃制、必要な時に使い道と金額を子どもが伝えてその都度もらう申告制などいろいろあるけれど、どのような方法が子どもにとって一番良いのか。

 

 ご家庭によっていろいろな考え方がありますし、子どもの性格も生活スタイルもそれぞれ違います。どれかが正しくて、どれかが間違っているということは、一概には言えません。

 

 ただ、一つ意識しておいていただきたいなと、思うことがあります。

 それは、「子どもが真剣に『やりくり』する機会をつくる」ことです。


◎使い道の優先順位を考えることに意義がある

 子どものころの私は、どちらかというと休日を家族で過ごすことの多い子どもでした。おこづかいは月額制でしたが、もらっている金額に対して使う機会が少なく、どんどんたまっていきました。はたから見れば「お金を貯金して大切に扱っている」堅実な子に見えたかもしれません。

 

 それに対して、よく「おこづかいが足りない」と言っている友人がいました。

 その友人は、スポーツクラブに所属して毎週末練習に通っていました。スポーツの道具を買う費用は別にもらっていたようですが、その他は月額制だったようです。

 保護者同伴のクラブ活動ならまた違うと思いますが、その友達は日々の練習や大会に一人で参加していたので、チームメイトとの付き合いなどで発生するちょっとした費用を全て自分で払うことになります。特に大きな買い物をしなくても出費が嵩み、大会が重なる時期には、おこづかいを前借りしたと話していたこともありました。

 

「前借り」というとちょっとお金にだらしないイメージもあるかもしれませんが、当時を振り返ると、私よりも友人の方がよっぽど真剣にお金と向き合っていたのではないかと思います。

 

 貯金を経験することはもちろん悪いことではありません。私も時には少し大きな買い物をしたいと思うことがあり、その時に貯金を使って苦労なく買うことができた経験から貯金の大切さを実感することができました。

 

 友人も時には大きな買い物をしたいと話していることがありましたが、「お金がないから無理」とちょっと残念そうにしていました。しかし、他の友人に「毎月〇〇円ずつためれば、〇ヵ月で買えるかも」と言われると「そこまでするくらいなら、いらないな」とあっさりあきらめていました。

 友人にとっては、ちょっと欲しいと思ったものより、スポーツクラブの活動の方がずっと大切だったのだと思います。

 

 子どもの頃の私は、おこづかいとしてもらった「使える金額」に対して「使いたい金額」が少なかったため、なんとなくお金を使ってすませていました。そして、「無駄づかいさえしなければ問題ない」と考えていたような気がします。

 

 友人は「使える金額」に対して「使いたい金額」が多かった為、何に優先して使うべきなのか、自分にとって本当に必要なものは何かを真剣に考えていました。

 この友人のような「やりくり」を経験をすることが、本当の意味で「お金の使い道を学ぶ」ということだと思うのです。

 

「無駄づかいをしない」というのは大切なことです。しかし、「どちらも無駄ではないけれど、両方をとることはできない」ということが、人生の中ではたくさんあります。逆に「可能であれば、多少の無駄をあえて選んでも良い」こともあります。

 金額はいくらが良いだろうか、定額制とお駄賃制ならどちらが良いだろうか、そういった細かいルールを決めることも必要ですが、まずはその子にどうやって「やりくり」を体験させるかという視点で考えてみることをお勧めします。

 

◎まずは期間や場面を限定して「やりくり」させてみる

 私の場合は、おこづかいの金額がもっと少なければ良い経験になったかもしれません。
 しかし「この子はあまり使わないから、金額を減らそう」というのは、現実的なやり方ではないでしょう。特に兄弟で使い方に差がある場合、前述のスポーツクラブのような明確に出費が嵩む理由があればまた別ですが、単なる性格の違いに応じて金額に差をつけるというのはかなり無理があります。

 

 そこで、日常的なおこづかいとは少し離れた場面で「やりくり」する機会を設定してみてはどうでしょう。

 

 例えば、小学生であれば、予算を決めてお菓子を買う機会を作ってみるのはどうでしょう。
 最近はなかなか見かけませんが、昔100円玉を握って駄菓子屋さんへ行った経験のある方もいると思います。その要領です。

 

 中学生や高校生でおしゃれ好きな子なら、シーズンごとの服を買う予算を決めて、その範囲内で欲しい服を選ばせるという方法もあります。

 また、このくらいの年になったら、家計の一部を相談して子どもと決めるのも一つの方法だと思います。たとえば、夏休みの旅行の予算をまず決めて、一緒にプランを練ってみるのはいかがでしょうか。さすがに子どもに一任するわけにはいきませんが、まず一人で計画を立てさせてプレゼン大会を開けば、それ自体をイベントとして楽しめる子もいるでしょう。

 

 その子に合った「やりくり」の機会を、是非探してみてください。

 

◎まとめると

 ・「お金を持って、使う」というだけでなく、「限られたお金を何に使って

  何をあきらめるか真剣に考える」経験が重要

 ・「100円でお菓子を買う」といったちょっとしたことから始めてみましょう

 

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

f:id:kikyouken:20190120221600p:plain