点と線に親しむ~ピカピカの一年生の教養㉞~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
小学一年生の学校生活に必要な知識や技能を考える「ピカピカの一年生の教養」、
今回は「線をひく」がテーマです。
入学式を間近に控え、このシリーズも第31回からは「入学後にすぐ使う知識」をテーマにしています。前回は「衣類の着脱」について、学校生活でのポイントをまとめました。
※前回の記事はこちら↓
今回の「線をかく」というのも、入学後すぐに必要になる技能と言えるでしょう。入学準備というとパッと浮かぶのは「ひらがなや数」ではないかと思いますが、その学習にも線を書く作業が入ってきます。
段階を追って、詳しく考えていきましょう。
◎1対1対応
「対応するものを線で結ぶ」という技能は、長い学校生活でずっと使うことになります。
数の学習の初めの方では、下のような課題を見たことはないでしょうか。
一つずつ線で結び、余った方が多いという考え方ですね。
この場合は比べるもの同士を線で結んでいますが、この学習の後は「もの同士」ではなく「ものに対応する点同士」を結ぶことが多くなります。
この「対応する点同士を結ぶ」という作業は、長く学校生活を送っていると当たり前のように身についていますが、幼児のドリルなどをやりなれていない子どもはピンとこない場合もあります。
身についているか気がかりな場合は、一度練習しておくと良いでしょう。やり方がわからないと戸惑いますが、小学1年生くらいの年であれば何回かやってみるだけですぐに慣れます。
◎言葉の右や下に線をひく
大事なところなどに目印として線をひく作業です。
例えば
たろうくんは、4月から一年生になります。
「この文の、名前のところに線を引きましょう」という指示に従い、
たろうくんは、4月から一年生になります。
と線をひきます。
学校では、線をひく作業よりも先に「線のひいてある箇所を探す」技能が必要になるでしょう。でも、自分でひいた経験があるほうが、指示の意味を理解し易いのも事実です。
「線を探す」練習と「線をひく」練習を繰り返すことで、学校での学習が円滑に進めやすくなるでしょう。
学習が進むと、いくつかの種類の線を使い分けることもあります。
普通の線の他に「点線」「波線」「二重線」を覚えておくのがお勧めです。波線は上手く波状に書くのが難しいと感じる子もいますが、行間に収まるように書くことができ、実線と区別できる形になっていれば問題ありません。
◎定規にチャレンジ
「定規を使って線をひく」「定規で点と点を結ぶ」という作業を、入学直後に扱う学校はあまりありません。
急いで身につける必要はありませんが、定規だけではなく鉛筆や紙の扱いにも慣れることができるので、練習する価値はあると思います。
点をつないで絵を完成させる問題は、ドリルや学習サイトなどでよく見かけるので、準備するのはそれほど難しくないでしょう。
定規の扱いに慣れないうちは上手く使いこなせませんが、それでも定規を使って線を引けば、そうでない時に比べて綺麗に仕上げることができます。やはりきれいに仕上がると嬉しいという子どもはたくさんいますので、遊びの延長で使っておくのがお勧めです。
この際に「自分の書きやすい向きになるように、紙を回転させる」ということを覚えておくと、その後の学習に役に立ちます。
定規を使うときれいな線が書けますが、線の方向によっては非常に書きづらい時がありますよね。その時にそのまま書こうとするのではなく、書きやすい向きで定規を使えるように、紙の向きの方を動かすのです。
大人になると当たり前のようにやっていると思いますが、紙に何か書くことに慣れないうちは、紙の上下を一切変えずに不自然な姿勢で取り組んだり自分の体の向きを変えようとしたりしてしまいがちです。
定規の場合、向きを変えることでてきめんに書きやすさが変わります。その経験をしておくことで、「赤鉛筆で〇を塗りつぶす」というような作業でも鉛筆を動かしやすい角度に変えることを考えられるようになり、学習の効率を上げることができるでしょう。
◎まとめると
・「対応するもの同士を線で結ぶ」という作業をする機会は、入学後すぐ出てきます。
経験したことがないと戸惑うことがありますが、何度か練習しておけばすぐに慣れることができるでしょう。
・波線、点線、二重線なども覚えておくと役に立つ知識です。
・定規で線をひく体験を通して、必要に応じて紙の向きを変えることを覚えておくと、その後の学習が少し効率良く進められるようになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。