ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ドレッシングが野菜嫌いを救う?~子どもが野菜を食べない理由~

 こんにちは、ベル子です。

 今日は食に関するちょっとした工夫のご紹介です。お気軽にお付き合いください。

◎何でも食べられた方が、チャンスに恵まれる

 自己紹介の記事で少しお話しましたが、私には子どものころちょっとした持病がありました。(今は周囲より健康なくらいですが。)その持病の影響で、周囲の大半の子が経験していることのいくつかについて、私自身は経験できないまま大人になっています。

 

 その一部に「食」が絡んでいます。食生活についてあれこれ制限するようにお医者さんから言われたことがあり、その結果一部の飲食店やイベントに行きづらくなるなど、食以外の部分も制限されることになりました。
 
 たくさんの子どもと接していると、時々「野菜が苦手でほとんど食べない」という話を聞きます。

 

「この野菜だけは無理!」というものが1~2種類あるだけなら日常生活に影響はないと思いますが、食べられないものがたくさんあると、色々なことを経験して豊富な知識を得るチャンスを逃してしまうかもしれません。

 もちろん栄養バランスという観点でも心配ではありますが、チャンスを逃してしまうのもとてももったいないなと思うのです。

 

 好きではなくても「どうしても食べなければいけない場面では、なんとか食べられる」くらいになっていれば、行動が制限されることは少なくなるでしょう。

 体質で無理なものはお医者さんと相談するしかありませんが、「苦手だから食べない」ということであれば、一つお勧めの食べ方があります。

 

◎野菜が食べられない理由

 東田直樹さんという方が、ご自身の著書の中で興味深いことを書いていらっしゃいました。

自閉症の僕が跳びはねる理由 会話のできない中学生がつづる内なる心」の中で「(自閉症の人が)偏食が激しいのはなぜですか?」という質問に対して答えているのですが、その文中にこのような言葉があります。


自閉症の人にとっては、自分で食べ物だと感じたもの以外は、食べてもおいしくありません。」
「きっとたくさんの物をおいしいと感じるまで、普通の人より時間がかかるからではないでしょうか。」

 (※引用元の本はこちら↓) 

 

 

 ちなみに東田さん自身は偏食が激しくはないそうで、他の自閉症の方の気持ちを慮って書いています。

 

 でも、これは自閉症の方に限ったことではなく、多くの子どもの好き嫌いに当てはまることだと思うのです。

 

 野菜を食べない子は、理屈ではそれを食べ物だとわかっていても、気持ちの面ではまだ食べ物として受け入れられていないのでしょう。

 感覚的には、本来身体の中に入れるべきではない「異物」と認識しているのではないでしょうか。「異物」を食べるとなれば、大きな苦痛を伴います。

 

「異物ではなく食べ物だ」と心から思えるようになれば、大好きな味ではなくてもそれほど苦痛を感じずに食べられるようになるのでしょう。そうなるまでにあまり時間のかからない子もいれば、かなりの時間を要する子もいるのですね。


◎「食べ物だ」と認識するには

 基本的には、とにかく少しずつ食べて、時間をかけて慣れていくことで「食べ物だ」と認識するしかないのだと思いますが、その練習を始める前に「お気に入りのドレッシング」を見つけておくことをお勧めします。

 

 野菜嫌いの子でも食べやすいように配慮されたレシピはたくさんありますが、毎回それを作るとなると大変でしょう。それに対してドレッシングは、あらかじめ好みの味を用意しておけば生野菜や温野菜にかけるだけですみます。
 
 野菜には確かにそれぞれ独特の香りや苦みなどがありますが、サラダとして食べた場合は、ドレッシングやソースによっても味が大きく変わりますよね。

 

 細かく切ったり千切りにしたりすることで「野菜の味しかしない」場所を減らし、好きな味のドレッシングに野菜を少し足すくらいの感覚でかなり多めにドレッシングを使えば、野菜に対する抵抗感を弱めることができます。

 

 ドバっとかけたら塩分が心配になるかもしれません。

 でも最初は一口分から慣らしていくことになるでしょう。その程度の量に対する「多め」であれば、総量もたいして多くはないので、それほど心配はいらないと思います。

 慣れてきたらドレッシングの量を少しずつ減らしたり、野菜の量を増やしたりしていきます。少しずつ、本当になだらかに量を変化させて慣らしていけるのが、この方法のメリットです。


 このドレッシングというのは意外と盲点になっているようで、「子どもが野菜嫌いでサラダをほとんど食べない」というご家庭ほど、その子の好みを考えずに味を決めている傾向があると感じています。

「味見をする=野菜を食べる」ということなので、そもそも子どもが味見をしたがらないですし、どうせ実際にドレッシングを使うのは野菜を食べる人だけなので、そうなってしまうのでしょうね。

 

 まずは野菜から離れて、ドレッシングだけの味見会を開いてみましょう。

 

 ボトルで買ってしまうと使いきるのが大変でしょうから、お弁当などに使う小袋タイプのドレッシングで、なるべくたくさんの種類を用意します。

 

 

 ↑こちらは楽天の商品ですが、コンビニのサラダ売り場にもドレッシングの小袋が何種類も売られていることがあります。それも利用するとお手軽かもしれません。

 

 用意したドレッシングから、子どものお気に入りを見つけてもらいます。「これ」というものが見つからなかったとしても好みの傾向はわかるので、良いと思ったものに少し手を加えて納得のいく味を探してみましょう。

 

 もともと自家製のドレッシングを使っているご家庭の場合、最初の味見用のドレッシングもご家庭で作ってしまったほうが、味の調整がしやすいかもしれません。

 ただ、市販のものだと自分が思いつかないような味も試せるので、大まかな好みの傾向がつかみやすいというメリットがあります。自家製のドレッシングにピンとこなかった時は、一度市販の味も試してヒントにしてみるのもお勧めです。

 

◎まとめると

 ・子どもの偏食は「嫌い」というより「食べ物と思えない」という気持ちが

 根底にあるのだと思います。


 ・「お気に入りの調味料に食材を添える」くらいの段階から、少しずつ

 慣らしていくことから始めるのがお勧めです。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

f:id:kikyouken:20190128060126p:plain