ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

日常会話のタイプ別「感想の膨らませ方」(前編)~今日から始める読書感想文④~


 こんにちは、ベル子です。

 

 今回は、「今日から始める読書感想文」シリーズの第4回目です。
夏休みに困らないよう、今からできることを考えていきましょう。

 

 前回は、読書感想文の3つの要素「読書をする」「自分の感想を持つ」「文にまとめる」の最初の要素「読書をする」について、考えていきました。
 (※前回の記事はこちら↓)

 

kikyouken.hatenablog.com

 

「本を読んだけど、感想が浮かばない」という子どもは、あらすじや作者の意図を読み取れていないことが少なくないので、まずはわかりやすい童話や子ども向けテレビ番組などで 概要を読み取る練習をしていきましょうという内容でした。


 今回からはその「読書」の後、「自分の感想を持つ」要素について考えてきたいと思います。  

 

◎普段の会話では、あれこれ話すのに

 本の内容がしっかり読み取れたとしても、自分の感想を文字として書き出すというのは、子どもにとって難しいようです。本の感想を聞くと「面白かった」だけで終わってしまうなんてことも、よくありますよね。

 

 そんな子どもたちですが、普段はどんな様子ですか?

 

 テレビや映画を見た時には、あれこれ楽しそうにコメントするという子は、たくさんいますよね。

 また、作品を見た感想は話さない子の中にも、自分の好きなおもちゃやコレクションなどについては饒舌に語る子がいます。

「これが好き!」という分野は無いけれど、学校での出来事はよく話すという子もいます。

 

 自分の好きなテーマや話しやすいテーマ、話しやすい環境ならば話せるという子はたくさんいます。そうした普段の「語り」は、時間と少しの手間をかけて練習させることで、「読書後に自分の感想を持つ」ことにつなげられるでしょう。

 

 一度「作文」という要素からは離れて、日常会話の中で生まれるちょっとした発言を「感想」に広げていく練習方法を、今回から数回に分けて紹介します。


 でも、一言で「普段の会話でなら、たくさん話す」といっても、話し方や内容は子どもによって異なりますよね。

 読書感想文にもいくつかパターンがあるので、子どものタイプによって向いている書きやすいパターンがあります。

 

 子どもの「語り」のタイプ別に、どんな感想文を書けば良いかを意識しつつ考えていきましょう。

 
◎タイプ1「大半が知識の披露で、考えをあまり言わない子」

 ゲームに出てくるキャラクターや自分のコレクションについて、嬉々として語ってくれる子はたくさんいます。

「このキャラのヒットポイントは3000なんだ」「これは光属性のモンスター」「このミニカーは〇〇社の××年のやつ」など、情報をたくさん覚えていて詳しく話してくれます。

 

 ただ、そういった知識の紹介に終始してしまい、「それについて自分はどう思うか」はほとんど話さないタイプの子も少なくありません。

 

 読書感想文で考えると、本を読んでその中身を書き出すだけという状態ですから、「感想文」として認めてもらえず行き詰ってしまうのですね。

 

 そういった子には、好きなものの情報を「妄想」してもらいましょう。

 

 例えば、定期的に新作が出てくるシリーズものなら、「次のシリーズはどんなのが出てきそう?」とか「どんなのが出てきてほしい?」と聞きます。そのうえで「どうしてそう思うの?」と「どうしてそれが欲しいの?」と根拠を聞いてみましょう。

 

 読書感想文の書き方でも「自分だったらこういうのがいい」とか「この本の続きはこうだと思う」とか空想して書く形式があります。ですから、読書で得た情報を使って、想像を膨らませる練習をするのです。

 

 自分の好きなものでも、最初はなかなか自分の考えが出てこない子もいます。

 そういうときは、聞き手の大人が「私は○○だと思うな、だって××だから」と見本を見せると考えやすくなります。

 

 子どもの知識についていけなくて、話が続かない…という方もいるかもしれません。そのような場合は、子どもと同じ分野に詳しい大人を探して協力してもらうのも一つの方法でしょう。


 記事が長くなりすぎてしまうので、いったん区切って次回に続きます。

 

 次回の「今日から始める読書感想文」シリーズの記事では、他のタイプについて考えていきましょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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シリーズ次回記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com