ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

ピタゴラスイッチで読解力アップ~今日から始める読書感想文③~

 こんにちは、ベル子です。

 今回は、「今日から始める読書感想文」シリーズの第3回目です。
夏休みに困らないよう、今からできることを考えていきましょう。
(※前回の記事はこちら↓)

 

kikyouken.hatenablog.com

 

 前回は読書感想文の3つの要素「読書をする」「自分の感想を持つ」「文にまとめる」の最初の要素「読書をする」について、とにかく最後まで読み切る力をつける方法を考えました。

 今回は、前回と同じ「読書をする」について、もう一つの視点である「本の内容を理解する」ことをテーマに考えていきたいと思います。

 

◎読んだのに、読めてない?

 前回、「本を手に取ってページをめくり、最後のページまで行きつく」ことを達成しないことには、感想文が書けないという話をしました。

 しかし、「本を読んでも感想が浮かばない」という子どもは少なくありません。

 そういったタイプの子本の話をしていて強く感じるのは「本の内容が理解できていないから書きようがないのだな」ということです。

 読んではみたけれど、何が書かれているかを読み取れていないので感想の書きようがないのですね。

 

 もちろん、一応最初から最後まで読んでいれば、どんな登場人物が出てきたとか、どんなシーンがあったとか、どんなセリフがあったのかはそれなりに覚えています。しかし、本全体の感想を書くとなると「そもそもこの本はどんな本なのか」ということが見えていないと難しいのです。

 

◎北風と太陽を例に考えてみると

 例えば「北風と太陽」というイソップ童話の本を読んだとしましょう。

 

「北風と太陽がはりあっている」「旅人は北風に吹かれていた」「太陽に照らされると暑くなった」といった情報を読み取っただけでは、「北風は寒そう」とか「太陽の方が強そう」とか「自分は暑いより寒い方が好きだな」というような感想は出てきても、内容を掘り下げて考えるのは困難になります。

 

 その本について深く考えるには、「軸になるストーリー」と「作者の言いたいこと」を読み取らなくてはなりません。

 

 北風と太陽なら、「北風と太陽が勝負をすることになった。ルールは旅人の上着を脱がすこと。北風は上着を無理やり吹き飛ばそうとしたが失敗し、太陽はポカポカ照らしただけで旅人は暑がって上着を脱いだので、太陽の勝ち。」というのが「軸になるストーリー」です。

 そして「力で無理やり解決しようとするよりも、相手がその気になるように促す方がうまくいくことがあるよ」というのが「作者の言いたいこと」です。

 

◎「軸」や「意図」を読み取れれば、感想が書ける

 軸になるストーリーは、小説では「あらすじ」ともいえるかもしれません。ストーリーと表現してしまうとフィクションに限られたもののように思えるかもしれませんが、エッセイ集や図鑑のようなものでも「軸になる内容」はあります。

 それを読み取ることができれば、自分の体験と比較したり、似たような例を思い浮かべたりして掘り下げて考えることができるのです。

 

 作者の言いたいことは、このイソップ童話のように「こうした方が良い」とはっきりとした結論になっている時もありますが、「どちらが正しいと思う?」とか「この問題について考えてみよう」と問題を投げかけるタイプの本もあります。

 いずれにしても、作者が何のためにその本を書いたのか作者の意図に気づくことができれば、それに対して反対だとか賛成だとか自分はこう思うということを考えることができます。 

 

 この「軸」と「意図」というのは相互に影響しあっていますが、「軸」を読み取るのが得意なタイプの子もいれば「意図」を読み取るのが得意なタイプの子もいます。そして、それぞれのタイプによって合う本があります。

 適切な本を選び、どちらか一方だけでも深く読み取ることができれば、感想文を書くことは不可能ではないと思います。

 

 つまり必ずしも「軸」と「意図」両方を深く読み取る力をつける必要はないともいえますが、個人の得手不得手を把握してそれに合った本を選べるようになるためにも、両方の練習をしてみましょう。

 

◎簡単な読み取りから練習

 

「作者の意図」を読み取る練習では、先ほど出てきたイソップ童話等がお勧めです。

 言いたいことがはっきりとしている、わかりやすいものから練習をしていくと良いでしょう。


「軸のストーリー」を読み取る練習には、普段から見ているテレビ番組等を利用すると数がこなせて良いと思います。

 まずは、ピタゴラスイッチで挑戦してみましょう。コーナーの名前などはあらかじめ覚えるか考えておく必要がありますが、まとめやすくておすすめです。

 

 ちょうど今日放映をしていたので、例としてまとめてみました。

 

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「1月26日のピタゴラスイッチ

 

※オープニング(ピタゴラ装置
①今日のトピック「ピタゴラ装置のお悩みに答えますスペシャル」
  質問:玉を転がすレールがありません。
         答え:本やダンボール箱など身近なものがレールにできます。
            同じものを二つ並べることでレールになります。
  質問:玉の方向を変えたい時はどうすればいいですか
         答え:曲がり角にストッパーをつけて、玉の勢いをなくせば
            上手く方向転換できます。
アイキャッチ
②だれじん
  今日のだれじんはトイレットペーパーじんでした。
  もう一人のだれじんは、トイレットペーパーのしんじんでした。
アイキャッチ
ピタゴラ装置こうするとおもしろい
  玉をカプセルにいれたりスプーンや紙コップを置いたりすると面白くなった。

※エンディング(ピタゴラ装置

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  今日の内容は「ピタゴラ装置のお悩みに答えますスペシャル」だったため普段と少し形式が違い中級者向けと言えるかもしれませんが、以上のように書き出せます。

 

(※追記)後日通常回を見て再度まとめてみました。

↓こちらの記事の後半に書いています。

kikyouken.hatenablog.com

 

 小学生の、特に低学年のうちは一人でまとめるのは難しいかもしれませんが、ある程度大人が大筋を書き込んだ状態をつくり、残りの穴埋めをさせてみるところからやってみると良いでしょう。

 

◎まとめると


 ・「読んだけど感想が浮かばない」という子どもの多くは、

 あらすじや作者の意図を読み取れていません。

 

 ・教訓のわかりやすい童話や子ども向けテレビ番組などで、

 あらすじや意図を読み取る練習をしましょう。

 

 ・練習してスキルを向上させることにも意義がありますが、

 練習を通してどのくらい理解できるかを把握しておくことが、

 感想文を書く際の本選びで役に立ちます。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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 シリーズ次回記事はこちら↓

kikyouken.hatenablog.com