数え方いろいろ(補足)~ピカピカの一年生の教養㉚~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
小学一年生の学校生活に必要な知識や技能を考える「ピカピカの一年生の教養」
今回は、ここ数回にわたって紹介してきた「数え方」の補足として、時間や年齢についてまとめます。
※数え方の記事初回はこちら↓
これまで扱ってきた数え方では10までを基本にしてきましたが、時間や年齢は10を過ぎてから特殊な言い方をすることがあるので、今回一つにまとめました。
大人は当然のように使っている言い回しですが、まだ慣れていない子どもたちにとっては少し難しいものもあります。今の時点で完璧にマスターしておく必要は全くありませんが、文章題や漢字の問題などで必要になる場合があるので、機会があればどのくらい覚えているか確かめてみると良いでしょう。
◎年齢
いっさい、にさい、さんさい、よんさい、ごさい、
ろくさい、ななさい、はっさい、きゅうさい、じっさい
「二十歳」の時だけ「はたち」と言う特別な言い方をしますが、これはただ数を表しているだけでなく「成人する年」という意味を含んでいて、単純に年齢を指す場合は「にじっさい」でも間違いではないようです。
さらに、算数の問題などで
「30才のお父さんと10才のたかしさんでは、なんさい年がはなれていますか」
という場合には、
「にじっさい はなれています」
とした方が、適切だといえるでしょう。
また、幼いうちは、「〇〇ちゃんの年はいくつ?」というふうに年齢を聞くことがありますね。
「〇つ」で数えるなら、
ひとつ、ふたつ、みっつ、よっつ、いつつ
むっつ、ななつ、やっつ、ここのつ、とお
となります。
これはあくまでも、十歳までしか言わないのがポイントです。
中学生のお兄さんお姉さんについて「いくつ?」と聞かれても、
「お兄さんは『じゅうみっつ』」「お姉さんは『じゅうよっつ』」とは言わない感覚を身につけておく必要があります。
◎日付
いちがつ、にがつ、さんがつ、しがつ、ごがつ、
ろくがつ、しちがつ、はちがつ、くがつ、じゅうがつ
じゅういちがつ、じゅうにがつ
ついたち、ふつか、みっか、よっか、いつか、
むいか、なのか、ようか、ここのか、とおか
じゅういちにち、じゅうににち、じゅうさんにち、じゅうよっか、じゅうごにち
じゅうろくにち、じゅうしちにち、じゅうはちにち、じゅうくにち、はつか
日付の言い方として、十日までの言い方が変わっていること、二十日を「はつか」と読むことはパッと浮かぶと思いますが、その他にも4と9で少し変則的になっているのですね。
また、7も「なな」と間違えてしまうことがあります。
さらに、日付以外で「〇日かかった」と言うような場合、
「二日かかった」「三日かかった」は日付同様に「ふつかかかった」「みっかかかった」というのに対し、「一日かかった」は「ついたち」を使わずに「いちにちかかった」と言うのがややこしいところです。
◎時刻
いちじ、にじ、さんじ、よじ、ごじ
ろくじ、しちじ、はちじ、くじ、じゅうじ
じゅういちじ、じゅうにじ
いっぷん、にふん、さんぷん、よんぷん、ごふん
ろっぷん、ななふん、はっぷん、きゅうふん、じっぷん
「〇時」の言い方では、日付の「〇月」と同様に4,7,9が間違えやすいようです。
電車のアナウンスなど特別な場面では「七時」を「ななじ」という場合もありますね。おそらく「いちじ」との聞き間違いを防ぐためなのでしょう。
普段「ななじ」を使っていると聞いている方にとっては不自然に聞こえますし、漢字のテストでは「七時」は「しちじ」と答えることになるので、「普段は『しちじ』と言う」ことを覚えておく必要があります。
◎時間
いっかげつ、にかげつ、さんかげつ、よんかげつ、ごかげつ
ろっかげつ、ななかげつ、はちかげつ、きゅうかげつ、じっかげつ
いちにち、ふつか、みっか、よっか、いつか
むいか、なのか、ようか、ここのか、とおか
いちじかん、にじかん、さんじかん、よじかん、ごじかん
ろくじかん、しちじかん、はちじかん、くじかん、じゅうじかん
いっぷん(かん)、にふん(かん)、さんぷん(かん)、
よんぷん(かん)、ごふん(かん)、ろっぷん(かん)、
ななふん(かん)、はっぷん(かん)、きゅうふん(かん)、
じっぷん(かん)
「〇かげつ」については、言い方を覚えること自体はそれほど難しくないと思います。それよりも、「一月」と「一ヶ月」の違いを理解することがポイントになるでしょう。
また「一月たった(ひとつきたった)」というような表現がでてくることは稀にありますが、ふたつき、みつきが小学校生活で使われることはほとんどありません。
「ついたち」と「いちにち」については、日付のところで書いた通りです。
また、「二十日間」の「二十日」は日付の時と同様の「はつか」ですね。
「〇時間」「〇分(間)」は月単位と同様に、時刻の「〇時」や「〇分」と区別することがポイントになります。日常生活の中で周囲との意思疎通を図るためには「いちじ」と「いちじかん」の違いを理解しておくことはとても重要なことでしょう。
ただ、1年生の算数で学習するのは「時刻」のみで「時間」は扱われません。無理に今すぐ覚えさせるのではなく「この子は時刻と時間を使い分けられていないかも」という前提で接し、子どもの様子を見ながら少しずつ伝えていくと良いのではないかと思います。
◎まとめると
数の単位ではありませんが「十分」は「じゅうぶん」と読んで、別の意味に使われることもありますね。
このように、ちょっとした言い方の違いで意味が変わってしまうのが、数え方のややこしいところです。
見方を変えれば、私たちは普段、そのちょっとした言い方の違いの中にいろいろな意味を含ませて話しているのですね。ただ知識として覚えるだけでは難しい話で、内容を論理的に正しく把握して初めて可能になることだと思います。
つまり、知識として覚えようとしても理解力や思考力が追いつかないと使いこなすのは難しいとも言えますし、使いこなす練習を積み重ねることで理解力や思考力が育っていくとも言えるのではないでしょうか。
子どもによっては、すぐに覚えるのが難しい場合もあるでしょう。その時は、学ぶ機会をこまめに設けつつ、気長に成長を待つのが一番ではないかと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。