お釣りの計算と虫食い算(前編)~10000までの数の分解~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
4月より水曜日と木曜日は小ネタ等の単発記事を書いていきます。
2日続きで「前後編」の時もありますので、「小ネタ」というより長いものになるかもしれません。
今回早速前後編で「お釣りの計算」がテーマです。
10000までの数の足し算・引き算とも言えますね。算数としては、小学校の中学年で習う内容と関わっています。
「このご時世、レジやスマートフォンが全部計算してくれるから、暗算なんて必要ない」というご意見もあるかと思いますが、とりあえずそれはいったん横におき、暗算について考えていきましょう。
◎暗算方法のいろいろ
3000円のものを買って10000円払った時のおつりは?
と考える時、皆さんはどのような計算をしていますか?
文章題で式を書いて答える時は
10000-3000=7000
答え 7000円
となりますね。
でも、実際に日常生活でお釣りを計算する際に、引き算で考えていますか?
計算の手順や考え方は複数あるので、人によって考え方は異なります。
ただ、このくらいの計算にすっかり慣れてしまっている大人は、
3000と7000で10000
ということを、なかば暗記して活用している状態ではないでしょうか。
一万円を使ってたくさんのお釣りをもらう時「一万円を崩す」と言うことがありますね。
イメージとしては、まず払った「一万円札一枚」が「千円札十枚」にかわり、その中の3000円がお店側にわたり、7000円は自分のものとして返してもらう、という感じです。
では、
6789円のものを買って10000円を払った時のお釣り
は、どのように計算していますか?
自分だったらまず「7000円あれば十分だから3000はお釣りがくる」と考えた上で、7000円払った場合のお釣りを百の位から「2・1・1円」と計算します。(この計算については、後で詳しく書きます)
3000円と211円で3211円です。
文章題として答えるなら
10000-6789=3211
答え 3211円
となります。
学校ではこのくらいの計算だったら暗算しないで筆算を使いますね。引き算の筆算は、一の位から順にやることになっていますので、右から順に計算していくことになります。
算数の授業の中で「引き算の筆算」を一の位から進めるように言われるのには、明確な理由があります。
「繰り下がり」の対策のためですね。
「3から9は引けないので、隣(左)から借りてきて…」というようなフレーズが、子どもの頃の記憶にあるのではないでしょうか。
「隣(左)から借りてくる」可能性がある以上、左側から計算するわけにはいかないという説明も、聞いたことがあるのではないかと思います。
もちろん私も筆算をするとなれば右から計算するのですが、生活の中で暗算する時は左から計算しているわけです。
また、計算の手順や考え方は異なりますが「子どもの頃に算盤を習っていて、計算は頭の中の算盤でしている」という知人も、左側(大きい位)から計算しているそうです。耳から入ってくる数の情報も、自分が音声として発する数も、大きい位から扱われます。聞こえてきた数から処理していくために、大きい位から計算する習慣がついているのですね。
実生活の中で暗算するとなると、筆算と同じように一の位から処理を始めるのはあまり現実的ではないのでしょう。
もちろん、筆算の式を頭の中で思い浮かべて暗算できるという人もいるのではないかと思います。でも、その為には頭の中にかなりクリアな筆算の式や繰り下がりのメモ等を思いえがきながら処理しなければならず、それ相応の才能というか、技能が必要になると思うのです。
「頭の中に筆算の画像をクリアに書きこんでいける」というセンスに恵まれた人を除いて、暗算でお釣りを計算できるようになるには、筆算とはまた別の考え方を覚えないといけないのですね。
考え方は色々あると思いますが、今回はその中の一つの方法について、「虫食い算」を使いながら紹介していきたいと思います。
◎虫食い算
「虫食い算」というのは、教科書にも載っていることがあるので、ご存知の方も多いと思いますが、例えば以下のような計算ですね。
①
▢6
+8▢
▢15
②
9▢
-▢5
27
この式が成り立つように、▢に当てはまる数を答える問題です。
掛け算や割り算でも虫食い算の問題はありますが、今回はお釣りの計算なので掛け算・割り算の話は省きます。
上記の問題は、これはこれで解き方・考え方があるのですが、今回私たちが考えるのは以下の形式だけです。
①
80
+▢▢
100
②
75
+▢▢
100
③
302
+▢▢▢
1000
④
300
+▢▢▢▢
10000
⑤
5555
+▢▢▢▢
10000
⑥
8948
+▢▢▢▢
10000
⑦
35
+▢▢
50
⑧
302
+▢▢▢
500
⑨
2000
+▢▢▢▢
5000
⑩
300
+▢▢▢▢
5000
要は
「買ったものの値段に、何円のお釣りを足せば、払った金額になるか」
を考えるということですね。
この▢に入る数を素早く計算するコツがつかめれば、お釣りの計算が暗算でできます。
皆さんだったら、どのように解きますか?
ちょっと「脳トレ」っぽい問題ですね。
良かったら実際に計算して、自分がどんな思考パターンで計算しているかを考えてみてください。
次回(明日)の後編で、答えと一緒に暗算につながる考え方を紹介していきたいと思います。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。