「顔をあげて」もプレゼントはしない~ピカピカの一年生の教養㉜~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
小学一年生の学校生活に必要な知識や技能を考える「ピカピカの一年生の教養」、「今回は身体の一部を使った表現」がテーマです。
突然ですが、皆さんは「顔をあげて」という表現を聞いたらどんなことを連想しますか?
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↑こちらは自分の顔をあげるヒーローですが、
普段、日常生活で「顔をあげて」と言われれば、
↑このように手元など下の方を見ている姿勢から
↑このように前や上を見る姿勢になるように言われていると考えるでしょう。
高学年になると、「顔が売れる(実際には販売しない)」「顔に泥をぬる(本当にぬるわけではない)」というような慣用句について学習します。「2つの言葉を組み合わせると、この意味になる」という知識がないと、意味を誤解する言葉です。
「あげる」という一つの言葉から色々な意味を受け取ることができますから、「顔をあげる」も慣用句ほどではないものの難しい表現だといえます。相手の伝えたいことを瞬時に理解するには、やはり、「『顔を上げる』ってこういう意味」という予備知識が必要になります。
そこで今回は、身体の一部を表す言葉とそれらを使った表現について、学校生活でよく出てくるものをまとめてみましょう。
前回は体育や生活科の授業などの時に使う、「校庭にあるものの名前」をリストアップし、「〇〇のところに集合」という指示を先生から聞いた時に、その「〇〇」を知っていた方が動きやすいということを書きました。
※前回の記事はこちら↓
今回扱う言葉についても、既に子どもが知っているものの方が多いかもしれません。それに、周囲の様子を見て合わせようとする力があれば、正しい意味を知らなくてもそこまで困ることはないでしょう。
でも、聞いたことがないとわかりづらい表現はありますし、やはり知っていた方が動きやすいので、機会があれば実際に子どもと身体を使いながら確認してみてください。
◎手足の部分
手
「手を挙げる」
「手を広げる(体操の隊形にひらく時など)」
「手を出す」
「手をつく」
「手を止める」
「手をつなぐ」
「手を握る、握った手を開く」
腕
「腕を曲げる・伸ばす」
「腕をまっすぐにする」
「腕を回す」
「腕をあげる(手をあげる)」
「腕を広げる」
「腕を前にあげる、腕を前に出す」
肘
「肘を曲げる・伸ばす」
「肘を(机に)つきません」
手首
「手首に巻く、手首につける」
「手首をまわす」
指(親指・人差し指・中指・薬指・小指)
「人差し指で(鍵盤楽器を)ひく」
「指ではじく」
「指を曲げる、指を伸ばす」
手のひら
「手のひらを(床や机に)つける」
「手のひらで(体を)ささえる」
「手のひらの反対側(※「手の甲」という表現はあまり使わないようです)」
爪
「爪をたてる」
「爪が伸びている人は切ってきましょう」
足
「足が速い」
「足を開く(「休め」の姿勢になる)」
「足を閉じる(「休め」の姿勢から「きをつけ」の姿勢になる」
「足を曲げる、伸ばす」
「足をまっすぐにする」
「足で三角をつくる(体育座り)」
足首
「足首を回す」
踵
「踵と踵をつける」
「踵をあげる」
アキレス腱
「アキレスけんを伸ばす」
つま先
「つま先立ち」
「つま先まで伸ばす」
「つま先を向ける(身体の向きの指定)」
膝
「手はお膝」
「膝を曲げる、伸ばす」
「膝の屈伸」
「膝の後ろ」
「膝をくっつける(いすに座った時に足を開かない)」
もも
「ももをあげる」
◎胴体の一部
腰
「腰をおろす」
「腰に手をあてる」
「腰をそらす」
「腰をひねる、腰をねじる」
「腰をまわす」
背筋
「背筋を伸ばす、背筋をまっすぐにする」
背中
「背中を曲げない、背中をまっすぐにする」
「背中をそらす」
「背中を向ける」
肩
「肩を回す」
「肩をたたく」
お腹
「お腹をひっこめる」
「お腹が出ている(服の間から見えている)」
へそ
「へそを曲げる(慣用句)」
「おへそを(先生の方に)向ける(顔だけでなく身体ごと向きを変える)」
むね
「胸をはる、胸をそらす」
お尻
「お尻を下(床や地面など)につけないでしゃがむ」
「お尻を下(床や地面など)につけて座る」
「お尻をむけている(見るべき方を見ていない)」
◎頭や顔の部分
頭・首
「頭を下げる」
「頭をまわす(首をまわす)」
顔
「顔をあげる」
「顔をむける、顔を見せる」
「顔を横に向ける」
「(窓などから)顔を出す」
額(おでこ)
髪の毛
「髪をとめる」
「髪を結う、髪をしばる」
前髪
「前髪が眉にかかる、前髪が目にかかる」
「前髪をあげる(おでこを出す)」
眉毛・まつ毛・まぶた
目
「目をむける」
「目につく」
「目隠しする(見えないようにする)」
鼻
「鼻をつまむ」
口
「口を閉じる、お口にチャック」
「口に出して読む(音読する)」
「(人のことに)口を出す、口をはさむ」
唇
「上の唇と下の唇をつける(ぱ行等の発音)」
舌(べろ)
歯
「歯を磨く」
「歯をくいしばる」
顎
喉
「喉がかわく」
耳
「耳をすます」
耳たぶ
頬(ほっぺ、ほっぺた)
「頬杖をつく」
◎まとめると
普段私たちが当たり前のように使っている言葉の組み合わせの中にも、初めて聞く時は言わんとすることがわからない表現があります。
でも、その意味を一度覚えてしまえば、細かい説明が無くても動き方をすぐ理解できるという便利さがある表現です。
それぞれの地域ごとの方言などもありますので、教室で使われる表現方法は、学校のある地域や担任の先生の年齢などによって相当な違いが出てきます。
そのため、あらかじめ全ての表現を覚えておくことは難しいですし、その必要もありません。
でも、他者の動きを見ながら学んだり、わからない時は「どういうこと?」と質問する練習をしたりすることには、大きな価値があるでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。