「おうち駄菓子屋」のススメ(上級編)~概数や割合を考える~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
昨日の記事では、お金の計算の練習として「おうち駄菓子屋」をお勧めさせていただきました。
※記事はこちら↓
家庭内でおやつを食べる時に、お買い物ごっこの要素を加えるということですね。
お徳用パックの中身に値段をつけてバラ売りにし、予算の範囲で子どもに買い物させます。初級編では10円や5円単位の値段での練習をお勧めしました。
今回は「上級編」として、もう少し複雑な計算の練習を含めた「おうち駄菓子屋」を紹介したいと思います。
「初級編」では簡単な内容からステップ③まで紹介したので、今回は④からです。
④どんぶり勘定の練習
値段の設定を「18円」や「29円」などにします。
現実の小売店で良くある設定ですね。
10円の商品では、100円で買える個数が10個なのに対し、9円の商品だと100円で11個買えます。
このように1円の違いで買えるものや個数が変わることも時にはありますが、基本的な考え方としては「9円は大体10円」として計算することをまず覚えるべきでしょう。18円なら「およそ20円」、29円は「およそ30円」ということですね。
もともと算数の得意な子や、ゲーム好きの子の場合は「この少しだけ安くなった分で何か買えるかも」と自分から計算し始めることもあります。
その場合は、
18円=20-2
29円=30-1
と考え、この「引く数」を合計するように声をかけると良いでしょう。
18円はおよそ20円ですから、100円で5個買えます。
でもそれだけではなく、20円よりも「2円安い」ものを5個買っているので、実際の値段は「20円のもの5個分の値段100円」よりも「2×5円安い」と言えるでしょう。2×5で10円安くなりますから、10円や9円のものを1つ余分に買い足すことができるということですね。
19円の品物もだいたい20円ですから、100円で5個買えます。
でも、この場合は1つにつき1円、5個で5円しか安くなっていないので、100円使った後に残るのは5円だけです。5円のお菓子ならもう一個買えますが、9円や10円のものは買えないということになります。
「1円の値引きも馬鹿にならない」ということを学習することは大切ですが、もともと計算に興味のない子には無理に毎回考えさせる必要はないと思います。
とにかくまずは「だいたい10円」「だいたい20円」で計算することを覚えることが大切です。
ただ、少し慣れてきたら「21円」や「32円」などの価格のものも扱っておくことをお勧めします。
先ほどの18円や29円と同様に、21円も「だいたい20円」、32円も「だいたい30円」と考えることができますが、そのつもりで計算するとお金が足りなくなってしまいますね。
値段のどんぶり勘定は、切り上げが基本です。
「切り捨てのの概数で計算した時は予算内に収まっていたのに、切り捨てた端数の分で実は予算オーバーしていた」ということが起こる場合もあります。
やはり「1円の違いも馬鹿にならない」のですね。それを体験する良い機会になるでしょう。
⑤繰り越しルールを取り入れる
端数の計算にも慣れてきたら、1回の金額を少し控えめにしたうえで、
「残ったお金を次回に繰り越せる」
というルールに変えるのはいかがでしょうか。
例えば1回に買える金額を50円と決めて、実際に買ったのが45円分だったら5円のお釣りがきますね。その5円を次回に繰り越して、次の「おうち駄菓子屋」の時には、その日の50円に前回の残り5円を加えて55円分の買い物が可能になるということです。
お釣りの計算や、貯金の練習になります。
※お釣りの計算については、以前に記事を書きましたので、こちらも読んでみてください。↓
⑥割引セール
「今の値段から2割引きで買えます」とか「現在30%オフです」というように提示をし、割引後の値段を計算する練習をします。
割合といえば、学校のプリントでは筆算や電卓を使って答える問題がほとんどだと思いますが、お買い物中にいちいち電卓をたたいたりすることはないですよね。
ここでは、おおよその金額でかまわないので、暗算で考えることに挑戦してみましょう。(もちろん、基本的な理解がまだ不十分であれば、紙を使って学習するところから始めます。)
値段設定は、まず10の倍数のみの金額でやってみることをお勧めします。
そして、「2割引」きというよりは「8割の値段」、「30%オフ」というよりは「70%の値段」と考えること、0.3や0.7をかけるというよりは「1割3つ分」「10%の7つ分」と考えることが暗算のポイントです。
例えば30円のお菓子を2割引きで買った場合を考えてみます。
まず、2割引きということは何割の値段で買えるのかを判断します。全体の10割から2割を引いて8割の値段で買えることになりますね。
そして、10割が30円ですから1割は3円です。もとの値段のゼロを一つ減らすと1割になることを覚えるように声をかけると良いでしょう。
1割は3円なので、8割は3×8の24円になります。
◎初級と上級をまとめると
・「おうち駄菓子屋」を開くと、子どもにちょっとした買い物体験を経験させることができます。
・価格設定やルールを変えることで、お釣りや割引の計算、およその値段の計算などの練習も可能です。
・まずは10円単位の価格設定から始めてみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。