パターンで覚える接続詞(後編)~今日から始める読書感想文㉖~
こんにちは、
キッズの教養を考える研究室、略して「ききょうけん」です。
今回の「今日から始める読書感想文」は、接続詞を使って複数の文を書く方法の後編です。
※中編の記事はこちら↓
接続詞を覚える練習としては、2つの接続詞を使用して3つの文を書く「3行作文」がお勧めです。
中編では一番書きやすい例として「だから」→「でも」でつなげる3行作文を紹介しました。
後編では、その他の組み合わせの中で、比較的使い勝手の良いものについて紹介します。
◎「次に」→「それから」でつなげる文
3行作文のスタートとなる1つ目の文は、前回と同様に
〇〇は ××を △△する。
〇〇が ××に △△する。
というような、3つ以上の要素からなる文を書きます。これだけでは文を書くのが難しい場合は、
①私は ××を します(しました)。
②私は ××に 行きます(行きました)。
③私は ××が 好きです。
という3つの中から一つを選び「××」のところだけ自分で考えことで文を作ることができるでしょう。
ここでは①を利用して書いてみます。
私は 宿題を します。
1文目ができました。2文目の最初を「次に」として続きを考え、同様に3文目の最初を「それから」として書いていけば良いのですね。
もちろん、続きを自分で自由に考えてもかまいませんが、思いつかない場合は型を作って考えてみましょう。
この「次に」「それから」は順番通りに並べて書く表現なので、1文目の要素「宿題を」「します」のどちらかを、3文共通にしてしまうことを考えてみましょう。
「します」を3文共通の述語にするなら。
私は 宿題を します。
次に (私は) ××を します。
そして (私は) 〇〇を します。
この「××」と「〇〇」のところに入る言葉を考えることで、3行作文が完成します。
私は 宿題を します。
次に (私は) お手伝いを します。
そして (私は) ゲームを します。
上の文では「私は」に( )を付けましたが、この部分は省いた方が読みやすい文になるかと思います。3文とも同じ主語であれば、2文目以降は書かれていなくても伝わりますよね。ただ型をして考えると、あった方が分かりやすいかと思いましたので最初からは省かずに残しました。実際に子どもが書いてみて「無い方が良いな」と感じた時に省けば良いでしょう。
今度は、「宿題を」を3文共通の文節にしてみましょう。
私は 宿題を します。
次に (私は) 宿題を ××。
そして (私は) 宿題を 〇〇。
この「××」と「〇〇」のところに入る述語を考えることで、3行作文が完成します。
私は 宿題を します。
次に (私は) 宿題を 見直します。
そして (私は) 宿題を しまいます。
先ほどと同様に、2文目以降の「私は」を省略することもできますが、1文目の内容によっては主語を変えてしまった方が書きやすいと感じる子もいるでしょうから、共通部分に合った主語と述語を考えるというのも一つの方法です。
私は 宿題を します。
次に お母さんが 宿題を チェックします。
そして 私は 宿題を 直します。
「型」はあくまでも「書く文が思いつかない」時のヒントのようなものですから、こだわりすぎる必要はありません。
◎「なぜなら」→「でも」でつなげる文
1文目の考え方は、これまでと同様です。ここでは
②私は ××に 行きます(行きました)。
を利用してみます。
私は スーパーに 行きました。
この1文目の続きとなる2文目を「なぜなら」から書き出すことになりますが、接続詞が「なぜなら」の場合は文末の表現が限られてきます。一般には「なぜなら~からです」とつながりますが、ここではもう少し型を決めて、
私は スーパーに 行きました。
なぜなら △△したかったからです。
という形にすると続きを考えやすいと思います。何かかなえたい望みがあって、その場所に行ったということですね。
この後「でも」と続けるとなると「望みがかなわなかったのだろう」と予想されます。同じ「△△」を使って、
私は スーパーに 行きました。
なぜなら △△したかったからです。
でも △△できませんでした。
と考えれば、「△△」に当てはまる言葉を考えるだけで、3文を完成させられます。
私は スーパーに 行きました。
なぜなら お菓子を買いたかったからです。
でも お菓子は買えませんでした。
少し慣れてきたら、3文目の内容を「できませんでした」ではなく「できなかった理由」にすることを考えてみると良いでしょう。
私は スーパーに 行きました。
なぜなら お菓子を買いたかったからです。
でも 欲しかったお菓子は売り切れでした。
この内容で「望みがかなわなかった」ことも伝わりますし理由まで書かれているので、最初の「できませんでした」で終わる3行作文と比べて、こちらの方が内容としては濃くなります。
また、ここまで書くことができれば、3行にとどまらずその続きを考えることも、それほど難しくはなくなるでしょう。「だから」から4文目を書くことができます。
私は スーパーに 行きました。
なぜなら お菓子を買いたかったからです。
でも 欲しかったお菓子は売り切れでした。
だから 別のお菓子を買いました。
このように続きを考えることができますが、仮に思い浮かばなくても、先ほどの「△△できませんでした。」をそのまま使って型にあてはめれば、
私は スーパーに 行きました。
なぜなら お菓子を買いたかったからです。
でも 欲しかったお菓子は売り切れでした。
だから お菓子は買えませんでした。
というように、4文目を作ることが可能です。
◎まとめると
・接続詞を使って文を書く練習としては、よく使われる接続詞の組み合わせパターンを覚えて、それにあてはめて書く「3行作文」がお勧めです。
・接続詞に応じた内容を自由に考えて書いていけば良いのですが、もしも一から内容を考えるのが難しい場合は、特定の型にあてはめることで書きやすくなりますので、まずはそこから練習をしてみましょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。