立ち読み練習問題(中3の平方根)~立ち読み計算ドリル番外編~
こんにちは
キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。
今回は以前書いた「立ち読み計算ドリル⑫」の練習問題を出題したいと思います。
※当該記事はこちら↓
中学3年生の内容ということで、このシリーズとしてはかなり難しい方だと思いますが、前の記事の難易度でちょうど良さそうなお子さんがいましたら、是非一緒に考えてみてください。
◎良く見かける数からの問題
<問題1>
①、②、③の3つの三角形について考えます。それぞれの三角形の3辺の長さは以下の通りです。
①の三角形→1㎝、√2㎝、3㎝
②の三角形→4㎝、5㎝、√6㎝
③の三角形→√7㎝、8㎝、9㎝
この中に、実際には存在しない、ありえない三角形が1つあります。
それは①~③のどれでしょうか。
正解は
↓
↓
↓
↓
↓
<答え>
1=√1、2=√4、3=√9ですから、
√2は1~2の間の大きさ、
√6と√7は2~3の間の大きさです。
①について、それぞれの3辺を短い順に並べ替えると、
①の三角形→1㎝<√2㎝<3㎝
となります。
それぞれの3角形について、短い2辺の長さを足して、一番長い辺の長さと比べると
①の三角形→2~3㎝<3㎝
一番長い辺が、他の2辺をつなげた長さより長いため、三角形になりません。
したがって、正解は①です。
同様に他の三角形についても考えてみます。
②の三角形→√6㎝、4㎝、5㎝
→√6㎝<4㎝<5㎝
短い2辺の長さの合計と一番長い辺を比べると、
6~7㎝>5㎝
③の三角形→√7㎝、8㎝、9㎝
√7㎝<8㎝<9㎝
短い2辺の長さの合計と一番長い辺を比べると、
10~11㎝>9㎝
②も③も短い2辺の合計が一番長い辺よりも長くなっていますから、
三角形になります。
◎少し発展的な問題
<問題2>
この中に、実際には存在しない、ありえない三角形が1つあります。
それは①~③のどれでしょうか。
①の三角形→2+√2㎝、3㎝、4㎝
②の三角形→1㎝、3√3㎝、7㎝
③の三角形→7√7㎝、7√7㎝、√7㎝
正解は
↓
↓
↓
↓
↓
<答え>
結論からいえば、三角形にならないのは②です。
まず、①の三角形(2+√2㎝、3㎝、4㎝)について考えてみます。
√2は1~2の間の大きさですから、2+√2は3~4の間の数です。
(もう少し細かく考えれば、√2は1.4より少し大きいくらいなので、2+√2は3.4~3.5の間です)
ですから3辺を短い順に並べると
3㎝<2+√2㎝<4㎝
(3㎝<3.4~3.5㎝<4㎝)
短い2辺の長さを合わせて、一番長い辺の長さと比べると、
6.4~6.5㎝>4㎝
となるため、①の三角形は存在します。
次に②の三角形(1㎝、3√3㎝、7㎝)はどうでしょうか。
√3は1~2の間の大きさですから、3√3(3×√3)は3~6の間の数です。
(もう少し細かく考えれば、√3は約1.7ですから、3√3は5.1~5.4の間の数です。)
3辺を小さい順に並べると、
1㎝<3√3㎝<7㎝
(1㎝<5.1~5.4㎝<7㎝)
短い2辺の長さを合わせて、一番長い辺の長さと比べると、
6.1~6.5㎝<7㎝
となるため、②の三角形は存在しません。
最後に③の三角形(7√7㎝、7√7㎝、√7㎝)についても上記と同様に考えれば求められますが、こちらの問題は少し判断が楽になります。
√7は2~3の間の大きさの数ですから、残りの2辺(7√7㎝=7×√7㎝)の方がはるかに長いと考えられますね。
この三角形に限らず、2辺の長さが等しく、もう一辺がそれよりも短い場合は、その三角形は必ず存在します。
短い辺の長さをA、長い方の辺の長さをBとすると
B+A>B
となるからです。
そのため、③も三角形としてあり得る3辺だといえます。
※これはあくまでもA<B=Bの二等辺三角形(2辺が長い)の場合で、A=A<B(2辺が短い場合は他の三角形と同様に「A+AがBよりも大きいか」を確認する必要がありますので注意してください。
◎まずは簡単な問題と基本の知識から
冒頭にも書きましたが、中学3年生の問題ということで、これまでの内容のなかでは特に難しい部分ではないかと思います。
こういった問題が解けるかどうかというのは、高校入試の問題に取り組む際に大きな差をつくる部分です。
まだ「よくわからない」「むずかしい」と感じる場合は、まずは基本的な問題を解くことをお勧めします。
そのうえで、上記のような問題について考えると基本的な知識についても、「ああ、あれはそういうことだったのか」と新しい発見があることでしょう。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。