ききょうけん(キッズの教養を考える研究室)

「キ」ッズの「教」養を考える「研」究室

立ち読み練習問題(中3の平方根)~立ち読み計算ドリル番外編~

 

 こんにちは

キッズの教養を考える研究室「ききょうけん」のベル子です。

 

 今回は以前書いた「立ち読み計算ドリル⑫」の練習問題を出題したいと思います。

 

※当該記事はこちら↓ 

kikyouken.hatenablog.com

 

 中学3年生の内容ということで、このシリーズとしてはかなり難しい方だと思いますが、前の記事の難易度でちょうど良さそうなお子さんがいましたら、是非一緒に考えてみてください。

 

 f:id:kikyouken:20190715165652p:plain

 

◎良く見かける数からの問題

 

 <問題1>

 

①、②、③の3つの三角形について考えます。それぞれの三角形の3辺の長さは以下の通りです。

 

①の三角形→1㎝、√2㎝、3㎝

 

②の三角形→4㎝、5㎝、√6㎝

 

③の三角形→√7㎝、8㎝、9㎝

 

 この中に、実際には存在しない、ありえない三角形が1つあります。

 それは①~③のどれでしょうか。

 

 

正解は

<答え>

 

1=√1、2=√4、3=√9ですから、

 

√2は1~2の間の大きさ、

√6と√7は2~3の間の大きさです。

 

①について、それぞれの3辺を短い順に並べ替えると、

 

①の三角形→1㎝<√2㎝<3㎝

 

 となります。

それぞれの3角形について、短い2辺の長さを足して、一番長い辺の長さと比べると

 

①の三角形→2~3㎝<3㎝

 

一番長い辺が、他の2辺をつなげた長さより長いため、三角形になりません。

 

したがって、正解は①です。

 

 

同様に他の三角形についても考えてみます。

 

②の三角形→√6㎝、4㎝、5㎝

     √6㎝<4㎝<5㎝

 

    短い2辺の長さの合計と一番長い辺を比べると、

      6~7㎝>5㎝

 

 

③の三角形→√7㎝、8㎝、9㎝

      √7㎝<8㎝<9㎝

   

    短い2辺の長さの合計と一番長い辺を比べると、

      10~11㎝>9㎝

    

 

②も③も短い2辺の合計が一番長い辺よりも長くなっていますから、

三角形になります。 

 

 

◎少し発展的な問題

 

 <問題2>

 この中に、実際には存在しない、ありえない三角形が1つあります。

 それは①~③のどれでしょうか。

 

①の三角形→2+√2㎝、3㎝、4㎝

 

②の三角形→1㎝、3√3㎝、7㎝

 

③の三角形→7√7㎝、7√7㎝、√7㎝

 

正解は

<答え>

 

結論からいえば、三角形にならないのは②です。

 

まず、①の三角形(2+√2㎝、3㎝、4㎝)について考えてみます。

 

√2は1~2の間の大きさですから、2+√2は3~4の間の数です。

(もう少し細かく考えれば、√2は1.4より少し大きいくらいなので、2+√2は3.4~3.5の間です)

 

ですから3辺を短い順に並べると

3㎝<2+√2㎝<4㎝

(3㎝<3.4~3.5㎝<4㎝)

 

短い2辺の長さを合わせて、一番長い辺の長さと比べると、

6.4~6.5㎝>4㎝

となるため、①の三角形は存在します。

 

 

 

次に②の三角形(1㎝、3√3㎝、7㎝)はどうでしょうか。

 

√3は1~2の間の大きさですから、3√3(3×√3)は3~6の間の数です。

(もう少し細かく考えれば、√3は約1.7ですから、3√3は5.1~5.4の間の数です。)

 

3辺を小さい順に並べると、

1㎝<3√3㎝<7㎝

(1㎝<5.1~5.4㎝<7㎝)

 

短い2辺の長さを合わせて、一番長い辺の長さと比べると、

6.1~6.5㎝<7㎝

となるため、②の三角形は存在しません。

 

 

最後に③の三角形(7√7㎝、7√7㎝、√7㎝)について上記と同様に考えれば求められますが、こちらの問題は少し判断が楽になります。

 

√7は2~3の間の大きさの数ですから、残りの2辺(7√7㎝=7×√7㎝)の方がはるかに長いと考えられますね。

 

この三角形に限らず、2辺の長さが等しく、もう一辺がそれよりも短い場合は、その三角形は必ず存在します。

 

短い辺の長さをA、長い方の辺の長さをBとすると

B+A>B

となるからです。

 

そのため、③も三角形としてあり得る3辺だといえます。

 

※これはあくまでもA<B=Bの二等辺三角形(2辺が長い)の場合で、A=A<B(2辺が短い場合は他の三角形と同様に「A+AがBよりも大きいか」を確認する必要がありますので注意してください。 

 

 

◎まずは簡単な問題と基本の知識から

 

 冒頭にも書きましたが、中学3年生の問題ということで、これまでの内容のなかでは特に難しい部分ではないかと思います。

 こういった問題が解けるかどうかというのは、高校入試の問題に取り組む際に大きな差をつくる部分です。

 まだ「よくわからない」「むずかしい」と感じる場合は、まずは基本的な問題を解くことをお勧めします。

 そのうえで、上記のような問題について考えると基本的な知識についても、「ああ、あれはそういうことだったのか」と新しい発見があることでしょう。

 

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。